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9才の女の子が考えた天才的なことわざ集『自分ことわざじてん』が書籍化 「本物の国語辞典」三省堂国語辞典の飯間浩明さんの解説付き

9才の女の子が考えた天才的なことわざ集『自分ことわざじてん』が書籍化

9才の女の子が考えた天才的なことわざ集『自分ことわざじてん』が書籍化

9歳の天才少女が考えたオリジナルのことわざをお母さんがTwitterに投稿したところ、約5万リツイート&10万いいねを獲得した『自分ことわざじてん』。「てつだいが こうかいに かわる」「こうきゅうな けしょうひん いってきずつ」などが話題となりました。以降、1年半かけて100個以上のことわざが制作され、今回ついに書籍化され、ライツ社より刊行されました。

 

大人から書籍化希望の声が多数集まった傑作

2017年当時、8才(小学校3年生)だったさくらこちゃんがつくったオリジナルことわざじてん。

「てつだいがこうかいにかわる」
【意味】一回手つだったらたくさんやらされる。
【例え】小さい子とあそんだらまい日あそばされた。

「こうきゅうなけしょうひんいってきずつ」
【意味】いくら高くても少しずつ使ったらいみがない
【例え】母が高級なけしょう品を一てきずつ使っているのを見てぼくは(いみがないな)と思った。

 
見せられたお母さんも、思わずこう呟やいてしまいました。
「次女が作ったオリジナルことわざが、身につまされる。」
https://twitter.com/izakayamarichan/status/906729142476873728

 
Twitterに投稿されるやいなや「素晴らしい発想力」「書籍化希望!」と話題に。いいねの数は約10万にものぼり、多くの大人たちの心にクリティカルヒットしました。

 

夏休みの宿題がいやで勝手に宿題の代わりとしてつくり始めた

この「自分ことわざじてん」、お母さんによると、夏休みの日記や作文の宿題がいやで「ことわざならいっぱい思いつくんだけどなー」と さくらこちゃんが勝手に宿題の代わりとして書きはじめたものだそう。

 
当然、夏休みの宿題がそれで免れたわけではなかったのですが、出来上がったものを見せられたお母さんは、その出来栄えに驚愕。おもしろいし腹は立つし、でも「なんだか身につまされる」と思わずTwitterに投稿してしまったのだそうです。

 

1年半かけて、ついに書籍化

さくらこちゃんに連絡を取った編集者によれば「才能に一目惚れ」したとのこと。

お母さんは、はじめは「こんな戯れ言を本にしていいのか、小3の娘にやり続ける根気はあるのか…、とネガティブ要素しか思い浮かばなかったそうですが、「編集者さんの海より深い度量」「本人の意志」「私が頷きさえすればできる環境」という三位一体が揃ってしまい、「出版が決まりました」と本書の「はじめに」に書き残しています。

 
それから、さくらこちゃんがまる1 年半をかけて100 個以上のことわざを考え、挿絵も自らの手で描き、完成したその一部がこちら。

「運動会は親がじゃま」
【意味】見てほしいが、いなくていい
【例え】運動会のことは記録に残してほしいが、いなくていい

「0点にもう一枚」
【意味】悪いことをしたら言いにくい
【例え】0点のテスト一枚目は出しやすいけれど二枚目は出しにくい

「母は実はオニババ」
【意味】人にはダサい真実がある
【例え】ノンスタイル井上が本当はいい人だった

「校長先生ぜっこうちょう」
【意味】いつもは静かだけれど、得意なことは張り切る
【例え】暗い校長先生が、なわとびのときだけ、張り切る

「美よういんのかえりみち」
【意味】行きは楽しみなのに帰りはがっかり
【例え】髪を切りに行くのは楽しみ、帰りはなんかがっかり

 

全てのことわざに、「本物の国語辞典」をつくっている先生の解説付き

書籍には、さくらこちゃん自身が執筆したことわざに、意味と具体的な例、イラストが入るほか、なんと、本物の国語辞典、三省堂国語辞典をつくっている飯間浩明さんによる本物の解説が掲載されています。

解説を担当した飯間浩明さんは、「それぞれの作品は、読んでいると、思わず微笑・苦笑し、なるほどと膝を打ちます」とコメント。何十年前の自身にとても似たところがあるから解説を引き受けたそうです。

さくらこちゃんによる飯間先生の似顔絵

さくらこちゃんによる飯間先生の似顔絵

 
<解説者・飯間浩明さん プロフィール>

1967年生まれ。国語辞典編纂者。著書に『辞書を編む』(光文社新書)、『ことばハンター』(ポプラ社)などがある。国語辞典の編纂を続けるかたわら、NHK Eテレ『使える! 伝わるにほんご』講師を務めるなど、日本語・国語教育番組にも長くたずさわる。アニメ版『舟を編む』の監修もつとめる。

 

巻末の「しにかた占い」も秀逸

本の最後におまけとして掲載されているのは、こちらも同じくさくらこちゃん発案の話題作。Twitterで30万人以上が震えた「しにかた占い」です。「この本を読んでくれた人は、とくべつに何回引いてもいいよ」だそうです。

アルファベットを選ぶと、あなたの死に方が占えます。

毒キノコにキスしてしぬ/バンジージャンプのひもが長すぎてしぬ

あしが長すぎて絡まってしぬ/しなない

「しなない」ことのおそろしさすら分かっている9才。驚愕です。さくらこちゃんは本書の「あとがき」として、こんな感想を残しています。

「わたしは、本当のことや、もうそうのこと、あるあるなどのたくさんのことわざをかいてみました。
ドッキリをしてつくったことわざや、ゆめにでてきたことわざなど、いろいろな方法でことわざをおもいついたのもとっても楽しくておもしろかったです。
つくっている途中に、文字をかくのがだんだんあきてきて、でもがんばったあとに大塚さん(編集者) とママとわたしで、いっぱいあそんで、あせをいっぱい流して、いっぱい笑ってたのしかったし、とってもいい思い出ができたのでよかったです。」

 

自分ことわざじてん(ライツ社)
さくらこ (著), 飯間 浩明 (解説)

才能が突き抜けてる! 9才の女の子が考えた天才的なことわざ集『自分ことわざじてん』が書籍化。

 


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