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大宅壮一ノンフィクション賞が名称変更し、候補作も発表 一般読者からのネット投票も

日本のノンフィクション界で最も長い歴史を持ち、新進ノンフィクション作家の登竜門だった大宅壮一ノンフィクション賞が今回(第48回)より、対象期間に発表されたノンフィクションの中からもっとも優れた作品を顕彰する賞へと変わります。

名称も「大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞」と改め、過去に大宅賞の受賞経験がある方の作品も選考の対象になります。さらに新たな試みとして、読者によるネット投票を実施することになりました。

 
大宅壮一ノンフィクション賞は、大宅壮一さんの業績を記念して1970年に設立。各年の優れたノンフィクション作品を表彰する文学賞です。公益財団法人日本文学振興会が主催し、株式会社文藝春秋が運営。前年1月1日から12月31日までに発表されたものを対象とします。

 
今回の候補作は以下の通りです。〔敬称略〕

出井康博『ルポ ニッポン絶望工場』(講談社)
大崎善生『いつかの夏 名古屋闇サイト殺人事件』(KADOKAWA)
梯久美子『狂うひと 「死の棘」の妻・島尾ミホ』(新潮社)
菅野完『日本会議の研究』(扶桑社)
森健『小倉昌男 祈りと経営 ヤマト「宅急便の父」が闘っていたもの』(小学館)

 
今回初めて行われるネット投票は、日本文学振興会のウェブサイト上で、4月4日(火)15時から5月8日(月)0時までの期間にわたり一般読者からの投票を募ります。

読者からの票と、日本文学振興会が委嘱した有識者からなる予備選考委員の票を集計し、その結果を参考に選考顧問・後藤正治氏(ノンフィクション作家)立ち会いのもと5月17日に授賞作を決定、『文藝春秋』7月号(6月10日発売)にて発表されます。

 
ネット投票での候補作に対するコメント(記入は任意)も事務局で審査のうえ、5名の方に「ベストリーダー賞」が贈られます。
受賞者には図書カード1万円分のほか、6月16日に行われる第48回大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞贈呈式の招待状が送られてきます。

 
なお、賞の略称は従来通り「大宅賞」のままと、正賞(100万円)・副賞(日本航空提供の国際線往復航空券)も変更はないそうです。

また、第45回から第47回まで実施した雑誌部門は終了となっていますが、雑誌やウェブに掲載された記事も大宅賞の選考対象に含まれます。

 

ルポ ニッポン絶望工場 (講談社+α新書)
新聞・テレビが決して報じない外国人留学生、実習生の真実。コンビニ弁当工場、新聞配達、宅配便仕分け、農業……日本人の便利な生活を末端で支える彼らが絶望し、<謀反>を起こす時、この国の生活基盤は崩壊する!

 
いつかの夏 名古屋闇サイト殺人事件
「闇サイト」で集まった凶漢三人の犯行により命を落とした一人の女性がいた。彼女はなぜ殺されなくてはならなかったのか。そして何を残したのか。被害女性の生涯に寄り添いながら、事件に迫る長編ノンフィクション。

 
狂うひと ──「死の棘」の妻・島尾ミホ
戦後文学史に残る伝説的夫婦の真実に迫り、『死の棘』の謎を解く衝撃大作。

島尾敏雄の『死の棘』に登場する愛人「あいつ」の正体は?あの日記には何が書かれていたのか。ミホの書いた「『死の棘』の妻の場合」は、なぜ未完成なのか。
そして本当に狂っていたのは妻か夫か──。
未発表原稿や日記、手紙等の膨大な新資料によって、不朽の名作の隠された事実を掘り起こし、妻・ミホ生涯を辿る、渾身の決定版評伝。

 
日本会議の研究 (扶桑社新書)
「日本会議」とは何なのか?
市民運動が嘲笑の対象にさえなった80年代以降の日本で、めげずに、愚直に、地道に、そして極めて民主的な、市民運動の王道を歩んできた「一群の人々」がいた。
彼らは地道な運動を通し、「日本会議」をフロント団体として政権に影響を与えるまでに至った。
そして今、彼らの運動が結実し、日本の民主主義は殺されんとしている。――

安倍政権を支える「日本会議」の真の姿とは? 中核にはどのような思想があるのか?膨大な資料と関係者への取材により明らかになる「日本の保守圧力団体」の真の姿。

 
小倉昌男 祈りと経営: ヤマト「宅急便の父」が闘っていたもの
ヤマト「宅急便の父」が胸に秘めていた思い

2005年6月に亡くなったヤマト運輸元社長・小倉昌男。
「宅急便」の生みの親であり、ビジネス界不朽のロングセラー『小倉昌男 経営学』の著者として知られる名経営者は、現役引退後、私財46億円を投じて「ヤマト福祉財団」を創設、障害者福祉に晩年を捧げた。しかし、なぜ多額の私財を投じたのか、その理由は何も語られていなかった。取材を進めると、小倉は現役時代から「ある問題」で葛藤を抱え、それが福祉事業に乗り出した背景にあったことがわかってきた――。

著者は丹念な取材で、これまで全く描かれてこなかった伝説の経営者の人物像に迫った。驚きのラストまで、息をつかせない展開。第22回小学館ノンフィクション大賞で、賞の歴史上初めて選考委員全員が満点をつけた大賞受賞作。

 
【関連】
日本のノンフィクション界で最も長い歴史を持つ大宅賞が変わります。|公益財団法人日本文学振興会
大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞|日本文学振興会
日本文学振興会(@shinko_kai) | Twitter

 


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