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【訃報】長部日出雄さんが死去 『津軽世去れ節』『津軽じょんから節』で直木賞

直木賞作家の長部日出雄さんが10月18日、虚血性心不全のため東京都内の自宅で死去しました。84歳。青森県弘前市出身。葬儀は近親者で営われました。喪主は妻の真知子さん。

 
長部日出雄さんは、1934年生まれ。青森県立弘前高校卒業。早稲田大学文学部哲学科中退。『週刊読売』記者、『映画評論』編集者・ルポライターを経て、作家に。1973年に『津軽じょんから節』と『津軽世去れ節』で直木賞を、1979年に『鬼が来た-棟方志功伝』で芸術選奨文部大臣賞を、1986年に『見知らぬ戦場』で新田次郎文学賞を、2002年に『桜桃とキリスト もう一つの太宰治伝』で大佛次郎賞と和辻哲郎文化賞を受賞。紫綬褒章を2002年に受章。

『天才監督 木下恵介』など映画に関する著書も多く、1989年には映画『夢の祭り』で、原作・脚本・監督を務めました。

 
著作に『密使 支倉常長』『天皇はどこから来たか』『辻音楽師の唄 もう一つの太宰治伝』『反時代的教養主義のすすめ』『反時代的教養主義のすすめ』『「古事記」の真実』『日本を支えた12人』など。

なお、ミュージシャンの大友康平さんは甥にあたります。

 

津軽世去れ節 (津軽の本 1)
「津軽世去れ節」「津軽じょんから節」で第69回直木賞を受賞した第一創作集。津軽を舞台にした6編を収録。

 
桜桃とキリスト―もう一つの太宰治伝 (文春文庫)
前作『辻音楽師の唄』に続き、本書では絶頂期から玉川上水心中までの、天才の作品と後半生が活写される。創作活動に夫人が果たした役割、キリスト教の影響、『如是我聞』悪口の背景、井伏鱒二との関係など、同じ津軽の血をもつ著者ならではの眼で明らかにされる、死に到る太宰の心情とは。大仏次郎賞、和辻哲郎文化賞受賞の力作。

 
「古事記」の真実 (文春文庫)
日本人の自己同一性は『古事記』によって確立された―作家の大胆な視点が日本最古の古典に迫る。誰が何を思いこれを書いたのか。日本人はいかにこの書物を読んできたか。われわれにとって「カミ」とは何か。神話を政治的に利用した時代のイデオロギーからこの書物を解き放ち、今に生きる魅力を伝える名ガイド。

 


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