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【アンデルセン文学賞】村上春樹さんが受賞

昨年の11月17日に、デンマークの「ハンス・クリスチャン・アンデルセン文学賞」の選考委員会が2016年の文学賞を村上春樹さんに授与すると発表していましたが、今年2016年の10月30日に、その授賞式が行われました。
村上春樹さんは、童話作家アンデルセンの出身地、デンマーク・オーデンセでの授賞式に出席し、英語のスピーチで「どれだけ高い壁を築き、厳しく部外者を排除し、自分たちに都合よく歴史を書き換えても、結局は自分を傷つけるだけだ」と語りました。

「影の持つ意味」と題するスピーチで、主人公の影がいつの間にか独り歩きを始め、恐ろしい結末につながるアンデルセンの作品「影」に触れ、「個人だけでなく全ての社会と国家には影があり、個人と同様、向き合わなければならない」と指摘。「向き合わなければいつか影はもっと強大になって戻ってくるだろう」と述べました。

市庁舎での授賞式では、デンマークのフレデリック皇太子の妻・メアリー妃が村上さんに賞を授与。副賞として50万デンマーク・クローネ(約770万円)と、同国の著名彫刻家による「みにくいアヒルの子」像が贈られました。

同賞委員会は昨年11月に村上さんへの授与を発表。「古典的な語り口やポップカルチャー、日本の伝統、夢のような現実、哲学的議論を大胆に融合させた力量はアンデルセンの功績の継承者にふさわしい」と評価しています。

同賞はアンデルセンが世界の作家に与えた影響をたたえる目的で2007年に創設され、受賞者は村上さんで5人目。過去には「ハリー・ポッター」シリーズで著名な英作家J・K・ローリングさんも受賞しています。

【関連】
公式サイト:Hans Christian Andersen Literature Award – Hans Christian Andersen Litteraturpris
村上春樹さん「部外者排除、自分に傷」  :日本経済新聞
「影」と共に生きよ=アンデルセン文学賞の村上春樹氏-デンマークで授賞式:時事ドットコム


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