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作家・栗本薫さんの“幻の未発表原稿”を発見 「中島梓」名義の私小説「ラザロの旅」

作家・栗本薫さんの“幻の未発表原稿”を発見 「中島梓」名義の私小説「ラザロの旅」

作家・栗本薫さんの“幻の未発表原稿”を発見 「中島梓」名義の私小説「ラザロの旅」

小学館は、2009年に世を去った作家・栗本薫さんが、評論家としてのペンネーム「中島梓」で執筆した未発表の私小説「ラザロの旅」の自筆原稿を発見、現在配信中の『栗本薫・中島梓 傑作電子全集』の第9巻【エッセイ】に収録すると、発表しました。7月13日より配信開始。

 

「ラザロの旅」について

「ラザロの旅」は、作家・栗本薫さんが、小説以外の執筆活動やテレビ出演、音楽活動などにおいて使っていた「中島梓」の名義で書かれた私小説です。中島梓名義の私小説は「弥勒」が知られていますが、本作はそれ以前に書かれた未発表作品。

平岡篤頼さんとの対談「攻撃的感性に賭けて」(『早稲田文学』1979年6月号)において、出版社に持ち込み、没になったことを明かしていますが、タイトルなどの一切が不明でした。

今回発見された「ラザロの旅」は、『ぼくらの時代』で江戸川乱歩賞を受賞する前の1978年4月から5月にかけて執筆され、重度の知的障害であった実弟をめぐる懊悩や、当時まだ駆け出しの評論家であった著者の焦燥と葛藤などが赤裸々に描かれています。

 
なお、『栗本薫・中島梓 傑作電子全集』第9巻には、中島梓名義の私小説は「弥勒」や、高校時代に文芸部部長として部誌に発表した「鎌倉殿の妻」(未単行本作品)も同時収録されています。

 

『栗本薫・中島梓 傑作電子全集』について

★栗本薫・中島梓 傑作電子全集特設サイト:http://pdmagazine.jp/kurimoto-nakajima-zensyu/

 
■価格:1巻1,600円(税別)

■配信日:毎月第2金曜日(017年12月8日より、全30巻を毎月1巻または2巻、2年にわたり配信)

■主な内容
・伊集院大介、ぼくらの時代、終わりのないラブソングなど、人気シリーズやテーマ別に編纂
・各巻に創作ノート、自筆の原稿や楽譜、プライベートショットまで豊富な付録の数々
・夫で担当編集者でもあった今岡清氏はじめ、ゆかりの作家などによる書き下ろし回想録
・実母が栗本薫さんの誕生から大学入学までを綴った「栗本薫の育児日記」を初めて公開

 

栗本薫・中島梓傑作電子全集9 [エッセイ]
栗本薫のもう一つの顔である「評論家・中島梓」が、マンガ、息子との日々、2度にわたるガン闘病までを自在に語ったエッセイ集!

作家として数々の人気シリーズを手がける栗本薫には、「評論家・中島梓」というもう一つの顔があった。
その中島梓が、愛するマンガ、息子との日々、二度にわたるガン闘病までを自在に語ったエッセイ5冊(『マンガ青春記』、『息子に夢中』、『ガン病棟のピーターラビット』、『アマゾネスのように』、『転移』)と、中島梓名義で生前に発表された唯一の私小説「弥勒」(「群像」掲載、単行本未収録作品)をまとめて収録する。
さらに「早稲田文学」1979年6月号における平岡篤頼との対談で著者自身が、「弥勒」以前の駆け出し評論家時代に出版社に持ち込んだことを明かしていた、知られざる私小説「ラザロの旅」(未発表作品)を史上初めて公開! 重度の知的障害者であった実弟をめぐる自身の相剋、両親との葛藤、結婚を考えていた恋人との破局など、若かりし頃の彼女の私生活が赤裸々に描かれており、もし出版されていれば、彼女の小説家としての軌跡を変えていたかもしれない一篇である。
付録として『マンガ青春記』、『息子に夢中』の自筆原稿、「D介日記 日々是好日」のほか、著者がマンガ家をめざしていた中学時代の自筆マンガ作品とその自評も収録する。
また、夫として、担当編集者として、最も近くで栗本を支えた今岡清氏が初めて綴るエッセイ(連載)、さらに実母・山田良子氏の日記から栗本の誕生~大学入学までを記した、『栗本薫の育児日記』(連載)を初めて公開する。

 
【関連】
栗本薫・中島梓傑作電子全集 | P+D MAGAZINE

 


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