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【第7回歴史時代作家クラブ賞】新人賞に武川佑さん、シリーズ賞に千野隆司さん・中島要さん、作品賞に浮穴みみさん・谷津矢車さん

歴史時代作家クラブは、第7回歴史時代作家クラブ賞の受賞作を発表しました。

 

第7回歴史時代作家クラブ賞 受賞作について

第7回歴史時代作家クラブ賞の各賞の受賞作は次の通りです。

 
■新人賞
武川佑さん『虎の牙』(講談社)

<他の候補作>
泉ゆたかさん『お師匠さま、整いました』(講談社)
佐藤巖太郎さん『会津執権の栄誉』(文藝春秋)
谷治宇さん『さなとりょう』(太田出版)

 
■文庫書き下ろし新人賞
今村翔吾さん『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』(祥伝社文庫)

<他の候補作>
三好昌子さん『縁見屋の娘』(宝島社文庫)
さとみ桜さん『明治あやかし新聞 三 怠惰な記者の裏稼業』(メディアワークス文庫)

 
■シリーズ賞
千野隆司さん『おれは一万石』シリーズ(双葉文庫)/『長谷川平蔵人足寄場』シリーズ(小学館文庫)
中島要さん『着物始末暦』シリーズ(時代小説文庫)

 
■作品賞
浮穴みみさん『鳳凰の船』(双葉社)
谷津矢車さん『おもちゃ絵芳藤』(文藝春秋)

<他の候補作>
天野純希さん『燕雀の夢』(KADOKAWA)
武内涼さん『駒姫 三条河原異聞』(新潮社)
簑輪諒さん『最低の軍師』(祥伝社文庫)

 
■特別功労賞
林真理子さん『西郷どん!』(KADOKAWA)

 
選考委員は、三田誠広さん(選考委員長)、菊池仁さん、細谷正充さん、雨宮由希夫さん、森川雅美さん、加藤淳さん。
立会い人は、大谷羊太郎さん(顧問)、塚本靑史さん(監査)、響由布子さん(事務局)。

なお、第7回歴史時代作家クラブ賞授賞式および懇親会を7月25日午後6時より、東京神楽坂の日本出版クラブ会館にて開催。

 

歴史時代作家クラブ賞とは

歴史時代作家クラブ賞は、歴史時代文学の発展と新しい才能の発掘をめざして歴史時代作家クラブが創設した文学賞です。

ちなみに、同賞は賞状授与による顕彰のみで、賞金および賞品はありません。

 

虎の牙
武田信玄の父・信虎の謎の弟、勝沼信友。「山の民」として育てられたその男は、自らに流れる血の運命に呑み込まれていく。一方、罪を犯して流浪の末武田家に仕官した足軽大将の原虎胤は、その武勇から「鬼美濃」と恐れられ、外様ながら家中で重きをなしていく。乱国甲斐の統一を目指す武田信虎を挟んで、二人の男がある「呪」を背負いながら戦場を駆け巡る―。

 
火喰鳥 羽州ぼろ鳶組 (祥伝社文庫)
かつて、江戸随一と呼ばれた武家火消がいた。その名は、松永源吾。別名、「火喰鳥」―。しかし、五年前の火事が原因で、今は妻の深雪と貧乏浪人暮らし。そんな彼の元に出羽新庄藩から突然仕官の誘いが。壊滅した藩の火消組織を再建してほしいという。「ぼろ鳶」と揶揄される火消たちを率い、源吾は昔の輝きを取り戻すことができるのか。興奮必至、迫力の時代小説。

 
おれは一万石 (双葉文庫)
一俵でも禄高が減れば旗本に格下げになる、ぎりぎり一万石の大名、下総高岡藩井上家に婿入りすることになった竹腰正紀はまだ十七歳の若者だ。正紀は、高岡藩江戸上屋敷を訪れたおり、堤普請を嘆願する百姓と出会い、二千本の杭を調達する約束を結んでしまう。まだ婿入り前にもかかわらず、高岡藩のために奔走する日々が始まった!待望の新シリーズついに開幕!

 
長谷川平蔵人足寄場 平之助事件帖1 憧憬 (小学館文庫)
長谷川平蔵が立案実施した人足寄場は、罪を犯した者たちに職業訓練を施し社会に復帰させる画期的な施設だった。伯父の平蔵を慕う阿比留平之助は、定掛与力としてその人足寄場に勤めることになる。その頃、鬼洗いの鉦七の押し込み強盗が起こり、逃走用の船の船頭に雇われて事情も分からぬままに捕まった、癸助の妹トミの周辺でも不可解な出来事が起こりはじめる―。わずかな手掛かりをたよりに、鉦七一味を追いかけていく平蔵と平之助。平之助の成長と活躍を描く、書き下ろし長編シリーズの第一作!

 
しのぶ梅 着物始末暦 (時代小説文庫)
着物の染み抜き、洗いや染めとなんでもこなす着物の始末屋・余一は、職人としての腕もよく、若くて男前なのだが、人と深く関わろうとしない。一方、余一の古馴染みで、柳原土手の古着屋・六助は、難ありの客ばかりを連れてくる。余一の腕を認めながら、敵対心を燃やす呉服太物問屋の若旦那・綾太郎。朴念仁の余一に片思いをしている一膳飯屋の看板娘・お糸など…。市井の人々が抱える悩みを着物にまつわる思いと共に、余一が綺麗に始末する!!人情味溢れる筆致で描く、連作短篇時代小説。

 
鳳凰の船
館にて洋式帆船造りの名匠と謳われた船大工の続豊治。だがある不運から、船大工の職を離れ、一介の仏壇師として二十年余りを過ごしていた。世は明治へと移り変わり、ひっそりと暮らす豊治のもとを伊豆の船匠・上田寅吉が訪ねる。寅吉との対話により、齢七十を過ぎたその胸に、船造りにかける熱い想いが再燃する。―『鳳凰の船』江戸の残映が色濃い明治初期の函館を舞台に、人々の心情を細やかに描きあげた五編。

 
おもちゃ絵芳藤
江戸っ子に人気を博した浮世絵。絵が好きで、絵を描くこと以外なにもできない絵師たちが、幕末から明治へと大きく時代が変わる中、西欧化の波に流され苦闘しながらも絵を描き続ける姿を描く長編書き下ろし小説。

文久元年(1861)春。大絵師・歌川国芳が死んだ。国芳の弟子である芳藤は、国芳の娘たちに代わって葬儀を取り仕切ることになり、弟弟子の月岡芳年、落合芳幾、かつては一門だった河鍋狂斎(暁斎)に手伝わせ無事に葬儀を済ませた。そこへ馴染みの版元・樋口屋がやってきて、国芳の追善絵を企画するから、絵師を誰にするかは一門で決めてくれ、と言われる。若頭のような立場の芳藤が引き受けるべきだと樋口屋は口を添えたが、暁斎に「あんたの絵には華がない」と言われ、愕然とする――。

国芳が亡くなるまで傍で画塾を補佐し、人徳もあったが、才能のなさを誰よりも痛感していた芳藤。才能に恵まれながら神経症気味の自分をもてあましていた芳年。画才だけでなく、時代を敏感に察知し新しいものを取り入れるセンスもありながら、結局は己の才に溺れた芳幾。そして〝画工〟ではなく〝アーティスト〟たらんとした暁斎。4人の個性的な絵師たちを通して、死ぬまで絵筆をとろうとする絵師の執念と矜持に迫る力作。

 
西郷どん! 上製版 前編
なんという目をした男なのだ―。吉之助の目を見た者は誰もがそう呟いた。下級武士の家に生まれた西郷吉之助は、貧しいながら家族や友に恵まれて育つ。のちに大久保利通となる正助とは、郷中仲間だ。島津斉彬の雄姿を間近に見た吉之助は、いつの日かこのお方にお仕えしたいと焦がれるようになる。時は幕末。夢かない、薄主・斉彬のお側仕えとなった吉之助は、一橋慶喜を将軍とするべく、名君と心を一にし、江戸に京都に飛び回るようになる。しかし暗躍むなしく宿敵・井伊直弼が大老の就任、異国の脅威が迫るなか斉彬は突然死。さらに国父・久光の逆鱗に触れた吉之助は、遠島を言い渡されてしまう―。林真理子にして初めてなし得た、英雄物語!激動の青春編!

 
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