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【訃報】SF作家・ハーラン・エリスンさんが死去 『世界の中心で愛を叫んだけもの』など

アメリカの作家で脚本家のハーラン・エリスンさんが6月28日、ロサンゼルスの自宅で死去しました。84歳。

 
ハーラン・エリスンさんは、1934年オハイオ州生まれ。オハイオ州立大学が中退。10代のころより小説の創作を行い、1955年にニューヨークに移住してより執筆を本格化、1962年にハリウッドに移住してからはテレビドラマの脚本も手掛け、『宇宙大作戦(スター・トレック)』『アウターリミッツ』『アンタッチャブル』などに参加しています。

 
中短編のSF小説を多く発表し、1965年に発表した「『悔い改めよ、ハーレクィン!』とチクタクマンはいった」で、アメリカSF界の二大SF賞であるヒューゴー賞とネビュラ賞の短篇部門を受賞して以降、度々、両賞を受賞しています。また、ローカス賞の中編部門や短編部門、エドガー賞の短編部門も複数回受賞するなど、受賞歴多数。

短編集として、「世界の中心で愛を叫んだけもの」「少年と犬」他を収録した『世界の中心で愛を叫んだけもの』、「おれには口がない、それでもおれは叫ぶ」「『悔い改めよ、ハーレクィン!』とチクタクマンはいった」他を収録した『死の鳥』などがあります。

 
なお、「世界の中心で愛を叫んだけもの」は、庵野秀明監督のアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の最終話のサブタイトル「世界の中心でアイを叫んだけもの」の元ネタとしても知られています。

 

世界の中心で愛を叫んだけもの (ハヤカワ文庫 SF エ 4-1)
人間の思考を超えた心的跳躍のかなた、究極の中心クロスホエン。この世界の中心より暴力の網は広がり、全世界をおおっていく……米SF界きっての鬼才ハーラン・エリスンのウルトラヴァイオレンスの世界

 
死の鳥 (ハヤカワ文庫SF)
25万年の眠りののち、病み衰えた惑星〈地球〉によみがえった男の数奇な運命を描き、ヒューゴー賞/ローカス賞に輝いた表題作「死の鳥」、コンピュータ内部に閉じこめられた男女の驚異の物語――「おれには口がない、それでもおれは叫ぶ」、初期の代表作「「悔い改めよ、ハーレクィン! 」とチクタクマンはいった」など、半世紀にわたり、アメリカSF界に君臨するレジェンドの、代表作10篇を収録した日本オリジナル傑作選。

 
ヒトラーの描いた薔薇 (ハヤカワ文庫SF)
無数の凶兆が世界に顕現し、地獄の扉が開いた。切り裂きジャックやカリギュラら希代の殺人者たちが脱走を始めた時、ただ一人アドルフ・ヒトラーは……表題作「ヒトラーが描いた薔薇」をはじめ、地下に広がる神話的迷宮世界を描いた傑作「クロウトウン」ほか、初期作品から本邦初訳のローカス賞受賞作「睡眠時の夢の効用」まで、アメリカSF界のレジェンドが華麗な技巧を駆使して放つ全13篇を収録した日本オリジナル短篇集。

 


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