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【訃報】ノンフィクション作家・伊佐千尋さんが死去 『逆転』で大宅壮一ノンフィクション賞

ノンフィクション作家の伊佐千尋(いさ・ちひろ)さんが2月3日、前立腺がんのため横浜市の自宅で死去しました。88歳。東京都出身。葬儀は近親者で行いました。喪主は妻の邦子さん。

 
伊佐千尋さんは1929年、東京生まれ。父は画家の八島太郎さん。沖縄県立第二中学校(現・沖縄県立那覇高等学校)卒業。

本土復帰前の沖縄で起きた米兵殺傷事件の陪審裁判に陪審員として参加した自身の経験をもとに描いた『逆転』で1978年に大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。同作はNHKでドラマ化もされました。
なお、『逆転』では関係者を実名で登場させたことで元被告の男性からプライバシー侵害で訴えられ、敗訴しています。現在の同書では仮名に変更されています。

冤罪事件など司法に関する作品や沖縄に関する作品を多く執筆。1981年に「陪審裁判を考える会」を結成。

著書に『炎上』『検屍』『裁判員制度は刑事裁判を変えるか』『司法の犯罪』『島田事件』『オキナワと少年』など。また、『ゴルフの効用 人生をおいしくする究極のスパイス 』などゴルフ関係の著書や翻訳も。

 

炎上―沖縄コザ事件 (文春文庫)
1970年12月深夜、一つの交通事故に端を発し、沖縄コザは騒然となった。住民は米国兵士による殺人、暴行、強盗事件に加え、毒ガス移送の引き延ばしなど長年の怒りが一気に爆発、米軍の車を焼き打ち、基地のゲートに突入した―復帰前の米軍統治下の沖縄の現実を、冷静な目で捉えたノンフィクション・ノベル。

 
島田事件―死刑執行の恐怖に怯える三四年八カ月の闘い (新風舎文庫)
昭和29(1954)年、静岡県島田市で起きた幼女殺害事件。難航した捜査の末、警察は自白の強要により犯人を仕立てあげました。死刑判決が確定した赤堀政夫さんが再審無罪を勝ちとるまでの34年8ヵ月間を追い、裁判の行方と司法制度の問題点を検証する珠玉のドキュメント。

 


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