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【訃報】翻訳論研究者・柳父章さんが死去 桃山学院大学名誉教授

翻訳論研究者の柳父章(やなぶ・あきら=本名:柳父章新〔やなぶ・ゆきよし〕)さんが1月2日、死去しました。89歳。東京出身。葬儀は近親者で済ませました。

 
柳父章さんは、1928年生まれ。東京大学教養学科部卒業。桃山学院大学名誉教授。専門は翻訳語研究、比較文化論研究。近代日本における翻訳語の成立過程の考察などの評論活動を行いました。

著書に、『翻訳語の論理 言語にみる日本文化の構造』『翻訳とはなにか 日本語と翻訳文化』『翻訳文化を考える』『比較日本語論』『翻訳語成立事情』『現代日本語の発見』『ゴッドと上帝 歴史の中の翻訳者』『「秘」の思想 日本文化のオモテとウラ』『近代日本語の思想 翻訳文体成立事情』『未知との出会い 翻訳文化論再説』など。

 

翻訳語成立事情 (岩波新書 黄版 189)
かつて、この国に「恋愛」はなかった。「色」や「恋」と区別される“高尚なる感情”を指してLoveの翻訳語がつくられたのは、ほんの一世紀前にすぎない。社会、個人、自然、権利、自由、彼・彼女などの基本語が、幕末―明治期の人びとのどのような知的格闘の中から生まれ、日本人のものの見方をどう導いてきたかを明らかにする。

 
未知との出会い―翻訳文化論再説
未知の言葉や出来事は、最初の「出会い」のあとで、どのように既知のものへと「翻訳」されるのか。言葉はなぜ、出会いのもたらす驚きや戸惑いをやがて覆い隠し、忘れさせてしまうのか。出来事を言葉に、外国語を自国語に翻訳する行為に必然的にともなうズレのさまざまな帰結を、日本の歴史を貫く普遍的問題として追究する翻訳文化論のエッセンス。著者インタビューを付す最良の入門書。

 


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