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【訃報】アーシュラ・K・ル=グウィンさんが死去 「ゲド戦記」シリーズ、『闇の左手』など

「ゲド戦記」シリーズや『闇の左手』などで知られるSF界の巨匠・アーシュラ・K・ル=グウィン(「ル・グィン」「ル=グイン」とも表記)さんが1月22日、米オレゴン州ポートランドの自宅で死去しました。88歳。

 
アーシュラ・K・ル=グウィンさんは、1929年カリフォルニア州バークレー生まれ。フランス・イタリア文学を研究し、ラドクリフ大学で学士号、コロンビア大学で修士号を取得。

1950年代後半より書評や短編の執筆を行い、1966年に長篇第1作『ロカノンの世界』を刊行。1969年に発表した『闇の左手』では、アメリカSF界の二大SF賞であるヒューゴー賞とネビュラ賞を同時受賞しています。1974年刊行の『所有せざる人々』では、ヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞を受賞するなど、受賞歴多数。また、1972年刊行の「ゲド戦記」シリーズ第3巻『さいはての島へ』では、全米図書賞児童文学部門賞を受賞しています。

1968年から2001年にかけて出版された「ゲド戦記」シリーズは、2006年に宮崎駿監督の長男、宮崎吾朗監督のデビュー作としてスタジオジブリがアニメ映画化しています。

『言の葉の樹』、「西のはての年代記」シリーズなど著書多数。

なお、父親は文化人類学者のアルフレッド・L・クローバーさん、母親は作家シオドーラ・クローバーさん。

 

闇の左手 (ハヤカワ文庫 SF (252))
〔ヒューゴー賞/ネビュラ賞受賞〕両性具有人の惑星、雪と氷に閉ざされたゲセンとの外交関係を結ぶべく派遣されたゲンリー・アイは、理解を絶する住民の心理、風俗、習慣等様々な困難にぶつかる。やがて彼は奇怪な陰謀の渦中へと……エキゾチックで豊かなイメージを秀抜なストーリイテリングで展開する傑作長篇。

 
所有せざる人々 (ハヤカワ文庫SF)
恒星タウ・セティをめぐる二重惑星アナレスとウラス―だが、この姉妹星には共通点はほとんどない。ウラスが長い歴史を誇り生命にあふれた豊かな世界なら、アナレスは2世紀たらず前に植民されたばかりの荒涼とした惑星であった。オドー主義者と称する政治亡命者たちがウラスを離れ、アナレスを切り開いたのだ。そしていま、一人の男がアナレスを離れウラスへと旅立とうとしていた。やがて全宇宙をつなぐ架け橋となる一般時間理論を完成するために、そして、ウラスとアナレスの間に存在する壁をうちこわすために…。ヒューゴー賞ネビュラ賞両賞受賞の栄誉に輝く傑作巨篇。

 
影との戦い―ゲド戦記〈1〉 (岩波少年文庫)
アースシーのゴント島に生まれた少年ゲドは、自分に並はずれた力がそなわっているのを知り、真の魔法を学ぶためロークの学院に入る。進歩は早かった。得意になったゲドは、禁じられた魔法で、自らの“影”を呼び出してしまう。

 


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