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【第36回和辻哲郎文化賞】小坂洋右さん『アイヌの時空を旅する』と嶺秀樹さん『絶対無の思索へ』が受賞

姫路市(兵庫県)は2月6日、第36回和辻哲郎文化賞の受賞作を発表しました。

授賞式は3月3日に開催され、国際日本文化研究センター名誉教授・小松和彦さんによる記念講演会も予定されています。

 

第36回和辻哲郎文化賞が決定!

第36回和辻哲郎文化賞の受賞作が次の通り決定しました。

 
<第36回和辻哲郎文化賞 受賞作品>

 
■一般部門
小坂洋右(こさか・ようすけ)さん
『アイヌの時空を旅する ―奪われぬ魂』(藤原書店)

■学術部門
嶺秀樹(みね・ひでき)さん
『絶対無の思索へ コンテクストの中の西田・田辺哲学』(法政大学出版局)

 
選考委員は、一般部門が山内昌之さん(東京大学名誉教授)、ロバート キャンベルさん(早稲田大学特命教授)、藤原正彦さん(お茶の水女子大学名誉教授・姫路文学館長)、学術部門が清水正之さん(聖学院大学学長)、野家啓一さん(東北大学名誉教授)、関根清三さん(東京大学名誉教授)

受賞者には、賞金各100万円が贈られます。授賞式は3月3日(日)に姫路市市民会館大ホールで開催。

 

和辻哲郎文化賞について

和辻哲郎文化賞は、姫路市制百周年と姫路出身の哲学者・和辻哲郎(明治22~昭和35)の生誕百年を記念して、昭和63年度に姫路市が創設した学術賞です。

和辻哲郎の幅広い学的業績を顕彰し、「和辻哲学の今日的意義を国の内外にわたって探るとともに、研究者の育成かつ市民の文化水準の向上に資する」ことを目的とします。一般部門と学術部門で構成。

一般部門は、和辻哲郎が「文学、歴史、芸術などさまざまな領域において横断的かつユニークな著作を世に問い、広範な読者に訴えかけたスケールの大きな学者であった」ことを鑑み、文化一般におけるすぐれた著作に与えられます。

学術部門は、和辻哲郎が専門とした哲学、倫理学、宗教、思想、比較文化といった領域での学術的水準を備えた、すぐれた研究に与えられます。

両部門ともに、前々年9月1日から前年8月31日までに発刊された(復刊は除く)著作物(単行本)を対象とします。

 

第36回和辻哲郎文化賞 授賞式について

■日時:令和6年3月3日(日曜日)13時30分から16時

■場所:姫路市市民会館大ホール

■内容
◎第1部:受賞式典(13時30分から14時50分)
◎第2部:記念講演(15時~16時)
 演題:「シン妖怪談義 ―妖怪研究は楽しい謎解き―」
 講師:小松和彦さん(国際日本文化研究センター名誉教授)

■参加費:無料

■定員:800人
※申込多数の場合は抽選

■申込方法:申請フォーム(https://www.e-hyogo.elg-front.jp/hyogo/uketsuke/form.do?id=1703652950016)または往復はがき(1人1枚)のどちらか

■申込締切:2月15日(木)必着

★詳細:http://www.himejibungakukan.jp/watuji/jyusyoushiki/

 

アイヌの時空を旅する〔奪われぬ魂〕
小坂 洋右 (著)

カヤックやカヌーや山スキー等で歴史を追体験し
アイヌ民族の世界観や自然観に迫るルポルタージュ

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【目次】
序章 クナシリ・メナシの戦いが「最後の抵抗」だったのか
第1章 モンゴル帝国を恐れさせた強者たち ――カヤック知床一周
第2章 物語世界で暴れまくる ――「敵地」アムールランド滞在記
第3章 人にも鮭にも川は「道」ではなくなった ――太平洋から日本海へ漕ぎ通す
第4章 奪われることのなかった「心の中の聖域」 ――羆吼ゆる山と熊戻渓谷
第5章 「理不尽から逃げる」という生き方――大雪山雪中行
第6章 今も誰かが闘い続けている

謝辞/注/参考文献/人名索引

絶対無の思索へ: コンテクストの中の西田・田辺哲学
嶺 秀樹 (著)

西洋哲学の伝統のみならず、当時最新の現象学の潮流とも対峙し、それらとは異なる論理で独自に思索した西田幾多郎と田辺元。絶対無、直観や経験、場所や時間といった主題群をめぐって二人の哲学者は何を共有し、どうすれ違ったのか。フッサール、ハイデガー、九鬼との関係も視野に収め、争点となった哲学的問題の数々を、固有の文脈のなかで丁寧に解きほぐす。全10章・補論3章の最新読解。

 
【関連】
姫路文学館 | 第36回和辻哲郎文化賞授賞式

 


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