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【訃報】評論家・西部邁さんが死去 自殺か

評論家の西部邁(にしべ・すすむ)さんが1月21日、死去しました。78歳。
21日、西部さんの長男から「父親が川に入った」と110番通報があり、警視庁と消防が西部さん性を救出しましたが、約2時間後に搬送先の病院で死亡が確認されました。

田園調布署によると、同日未明に家族が「父親がいない」と110番通報。行方を捜索中に、多摩川で長男が見つけ、「父親が川に入った」と通報があったとのこと。警察と消防が西部さんを救出しましたが、約2時間後に搬送先の病院で死亡が確認されました。河川敷に遺書のような文書が残されていたといい、署は自殺の可能性があるとみています。

 
西部邁さんは1939年、北海道生まれ。東京大学経済学部に在学中、全学連中央執行委員として安保闘争に参加。大学院では経済学を専攻。1986年に東京大学教養学部教授に就任しますが、1988年には教員人事を巡り、教授会に抗議し辞任。1994年、保守系の月刊オピニオン誌『発言者』を創刊し、主幹を務めました。現在は後継誌『表現者』の顧問を務めていました。テレビ朝日の討論番組『朝まで生テレビ!』でも活躍。

1983年に『経済倫理学序説』で吉野作造賞を、1984年に『生まじめな戯れ』でサントリー学芸賞を、1992年に評論活動により正論大賞を、2010年に『サンチョ・キホーテの旅』で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。

著書に『ソシオ・エコノミックス』『大衆への反逆』『生と死、その非凡なる平凡』『ファシスタたらんとした者』など。なお、2017年12月には『保守の真髄 老酔狂で語る文明の紊乱』を刊行しています。

 

保守の真髄 老酔狂で語る文明の紊乱 (講談社現代新書)
世界恐慌や世界戦争の危機が見込まれる現在、政治や文化に関する能力を国民は身につける必要がある!そして、良き保守思想の発達した国家でなければ良き軍隊をもつことはできないのである―まことの保守思想を語り尽くす、大思想家・ニシベ最期の書!

 
大衆への反逆 (文春学藝ライブラリー)
保守論壇重鎮の初期代表作

田中角栄論、オルテガ論などを収めた、著者の原点を示す最初の評論集。「大衆化した保守主義」までを容赦なく斬る。

 
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