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「活版印刷三日月堂」シリーズ著者・ほしおさなえさんが「染織」を題材に〈生きる意味〉を描く『まぼろしを織る』が刊行

「暮らしの中に当たり前にあったのに、いつの間にかほかのものに置き換えられ、消えていこうとしているもの」を題材に、人の営みを描いてきた作家・ほしおさなえさんの最新作『まぼろしを織る』がポプラ社より刊行されました。

 

何者でもないわたしにも、明日はやってくる――。

川越の小さな活版印刷屋「三日月堂」を舞台に、言葉と心の温かさを描いた感動シリーズ「活版印刷三日月堂」。シリーズ累計は33万部を超え、第5回静岡書店大賞受賞、第9回天竜文学賞受賞、「読書メーター オブ・ザ・イヤー2020」人気シリーズランキング一位など、大反響を呼びました。

 
著者のほしおさなえさんは活版印刷のほか、和紙や連句など、古くから伝わる手仕事を題材にしながら人の営みを描いてきた作家です。本作では植物から糸を染めて布を織る「染織」を題材として、「人の生きる意味」という深いテーマに向き合いました。

 
【あらすじ】

母の死をきっかけに生きる意味を見いだせなくなった槐は、職も失い、川越で染織工房を営む叔母の家に居候していた。そこに、水に映る風景を描いて人気の女性画家・未都の転落死事件に巻き込まれ、心を閉ざしていた従兄弟の綸も同居することに。藍染めの青い糸に魅了された綸は次第に染織にのめり込んでいく。

ある日、槐の前に不審な男が現れ、綸が未都の最後の言葉を知っているはずだと言う。未都の死の謎を探りながら、槐は自分の「なぜ生き続けなければならないのか」という問いと向き合っていく――。

 
<読者からの声>

◎ものが溢れる豊か過ぎる時代に圧され、そのままの自分を評価出来なくなった人たちが、ゆっくり、それぞれのペースで、寄りかかりながら濃密な時を生きていく。漠然とした不安から解放され、心が凪ぐ作品。
(書店関係者)

◎「製糸は蚕の命を使う、染織は植物の命を使う」「人はそうやって命で織りあげた布をまとって生きてきた」という言葉に、伝統工芸の素晴らしさが伝わってくる。
(図書館関係者)

◎日本本来の様々な文化/工芸を目の当たりにするような表現が、読み手にその素晴らしさと積み重ねられた歴史の厚みを伝えてくれる。
(教育関係者)

 

実際の染織風景写真をカバーに使用

染織の様子が撮影された写真カバー

染織の様子が撮影された写真カバー

表紙写真は、染織ブランドatelier shimuraと服飾ブランドmatohuによる、植物染・手織の共同ブランド「hikariwomatou 光をまとう」の制作風景を、写真家・桑島薫さんが撮影したものです。

植物から色を貰い、染まった糸を手で織っていく瞬間が美しく切り取られています。

★「hikariwomatou 光をまとう」:https://www.hikariwomatou.jp/

 

著者プロフィール

ほしおさなえさんは、1964年生まれ、東京都出身。1995年「影をめくるとき」で群像新人文学賞小説部門優秀作を受賞。2002年『ヘビイチゴ・サナトリウム』が第12回鮎川哲也賞最終候補に。

おもな著作に「活版印刷三日月堂」「菓子屋横丁月光荘」「紙屋ふじさき記念館」「言葉の園のお菓子番」などの文庫シリーズ、『金継ぎの家』『東京のぼる坂くだる坂』、児童書『お父さんのバイオリン』、「ものだま探偵団」シリーズなど。

 

まぼろしを織る
ほしお さなえ (著)

何者でもないわたしにも、明日はやってくる
累計30万部『活版印刷三日月堂』の著者が贈る、「染織」をテーマにした感動作

「生きる」というテーマにまっこうから向き合う、著者渾身の感動作!

 


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