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【訃報】医師・小説家の岡井崇さんが死去 『ノーフォールト』『デザイナーベイビー』など

医師で小説家の岡井崇(おかい・たかし)さんが12月21日、肺がんで死去しました。70歳。和歌山県出身。告別式は近親者で行い、後日、偲ぶ会を開きます。

 
岡井崇さんは、1947年生まれ。灘高校、東京大学医学部を卒業。東京大学医学部助教授、総合母子保健センター愛育病院副院長、昭和大学医学部教授などを経て、2013年より総合母子保健センター・愛育病院院長、昭和大学医学部客員教授。なお、愛育病院は、悠仁親王が出産されたことで有名。

産科医療補償制度の設立に貢献。日本医療機能評価機構が運営する同制度で、脳性まひが起きた原因の分析などを行う「原因分析委員会」委員長を務めました。

産科医療の抱える課題を広く認識してもらうため、小説『ノーフォールト』を執筆。日本テレビで2009年に『ギネ 産婦人科の女たち』としてドラマ化。また、『ノーフォールト』の10年後を描いた『デザイナーベイビー』も2015年にNHKでドラマ化されています。

小説は他に、『トライアングル』があります。

 

ノーフォールト(上)(ハヤカワ文庫JA)
城南大学病院に勤める女性産科医・柊奈智は、深夜の当直で容態が急変した妊婦に緊急帝王切開手術を行なう。ギリギリの判断が幸いし、子供は無事に生を受けた。だが喜びもつかの間、数日後に原因不明の出血が母親を襲う。医師たちの懸命の治療の甲斐もなく、出血の原因がわからないまま、母親は死亡してしまった。患者を救えなかったことでショックを受ける奈智。だが、それは、さらなる試練の始まりに過ぎなかった…。

 
デザイナーベイビー〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA)
【NHKドラマ化決定! 現役医師が描く、生殖医療最前線の闇! 】 城南大学病院は衝撃に震えた。生後三日の女児が、新生児室から連れ去られたのだ。誰が、なぜ、どうやって、産まれたばかりの児を? しかも誘拐された児は病気を持っている。救出は一刻を争う。やがて院長あてに身代金要求の電話が入るが……狡猾な犯人に翻弄され、焦慮に駆られる警察。医師たちも動揺を隠せない。だが、事件はまだほんの序の口だった。さらなる衝撃が、城南大学病院を襲ったのだ! 産科医不足問題の実態を描き、社会に大きな波紋を投げかけた『ノーフォールト』、医療改革の闇をえぐった『トライアングル』の著者が、医療最前線のさらに一歩先にある危機を描いた話題作を全面改稿。

 
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