藤田和日郎さん「黒博物館」シリーズ初の公式解説本『藤田和日郎 黒博物館 館報 ヴィクトリア朝・闇のアーカイヴ』が刊行
『うしおととら』『からくりサーカス』などで知られる藤田和日郎さんが描く大英帝国伝奇アクション『黒博物館』の初となる公式解説本『藤田和日郎 黒博物館 館報 ヴィクトリア朝・闇のアーカイヴ』が講談社より刊行されました。
書籍初掲載!藤田和日郎さん直筆の「考察ノート」から47Pを収録! 学芸員(キュレーター)をはじめ歴代キャラクターの初期スケッチも
来年、第2シリーズ『黒博物館 ゴーストアンドレディ』が劇団四季によりミュージカル化されることでも話題の本シリーズの初の公式解説本が発売されました。
家事使用人をはじめとする英国文化研究者・久我真樹さんが、物語の背景となるヴィクトリア朝・ロンドンを中心に往時の英国の闇を詳細に削り出す、異色のガイドブックです。
カバーイラストは、完全描きおろし。さらに、作者がアイデアやスケッチを描きためた貴重な「考察ノート」も大公開。学芸員(キュレーター)をはじめ、バネ足ジャック、グレイ、フロー、エルシィなどなど、歴代人気キャラクターの初期スケッチ、アイデアスケッチが楽しめます。
黒博物館とは
黒博物館の前身は1870年に設立された「囚人所持品保管庫」です。この保管庫は1869年に制定された法律に基づき、囚人から警察が預かった品物を、囚人釈放後一年以内に請求を受けて返却する必要から生まれました。それまでは適切な管理がなされず、所持品の売却処分も行われていました。法律では、保管された所持品のうち、犯罪に使われたものや再犯に使われるおそれがあるものは警察が破棄し、教育用に展示する権限を与えられました。
その後5年ほどで、保管した収蔵品は「倉庫の地下室から屋根まで」あふれかえったといわれます。こうして1875年に、保管庫を管轄する刑務部長パーシー・ニームの主導で、収蔵品から泥棒・強盗や詐欺、贋金造りほか様々な犯行に使われた道具や衣裳類、そして凶器のナイフや銃などを選んで展示する「犯罪博物館」が創設されます。
これが「黒博物館」です。
博物館の目的は新人警官教育にあり、実際の犯罪に使われた収蔵品から犯罪の手口を学び、防犯・検挙に繋げる場として利用が始まりました。警官のほか入館できるのは警察・法曹関係者、あるいは特別なゲストに限定されました。ちなみに記録がある1894年の開館日時は、月火木金の午後2~4時まで。犯罪者の写真・記録簿の管理・公開なども行われ、犯罪資料は拡充されていきました。
(本文より)
著者プロフィール
■藤田和日郎(ふじた・かずひろ)さん
北海道旭川市出身。1988年「少年サンデー増刊号」の『連絡船奇譚』でデビュー。「少年サンデー」に連載された『うしおととら』で1991年に第37回小学館漫画賞、1997年に星雲賞コミック部門賞を受賞。ダイナミックかつスピーディー、個性的ながらエンターテインメントに徹したその作風で、幅広い読者を魅了し続けている。
代表作に『うしおととら』『からくりサーカス』『月光条例』『双亡亭壊すべし』がある。『黒博物館』は、初の小学館以外での漫画連載となった。現在「モーニング」(講談社)で3rd シリーズ『黒博物館 三日月よ、怪物と踊れ』を連載中。
■久我真樹(くが・まさき)さん
1976年生まれ、東京都出身。英国文化研究者。貴族の屋敷と、その暮らしを支えたメイドや執事などの家事使用人の仕事に興味を持ち、2000年から研究を始める。本業はウェブマーケティング・CX 改善・データ分析。
著書に家事使用人解説本『英国メイドの世界』(講談社)、『「名探偵ポワロ」完全ガイド』『日本のメイドカルチャー史』『日本の執事イメージ史』(以上、星海社)。ソーシャルゲーム「咲う アルスノトリア」(ニトロプラス原作)で時代設定・魔術考証協力。
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