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私たちは「バカ」だから繁栄できた? 更科功さん『禁断の進化史 人類は本当に「賢い」のか』が刊行

更科功さん著『禁断の進化史 人類は本当に「賢い」のか』

更科功さん著『禁断の進化史 人類は本当に「賢い」のか』

ベストセラー『絶滅の人類史』の著者・更科功さん人類の歴史を辿り、「知性」の秘密を解き明かす『禁断の進化史 人類は本当に「賢い」のか』がNHK出版より刊行されました。

人類は他の生物より知能が高く、そのために文明を築いて繁栄したと思われていますが、果たして本当にそうなのでしょうか。本書では、生物進化についてのわかりやすい解説で評判の著者・更科功さんが、人類の知性と意識について、そして人類の「賢さ」について考察します。

 

ベストセラー『絶滅の人類史』の著者・更科功さんが「知性と意識の進化」という進化最大のミステリーに迫る!

生物の繁栄と知能の高さは直結しているのか?
なぜ知性だけでなく、意識が進化したのか?
脳の大きいネアンデルタール人が滅んだのはなぜか?

…人類が本当に賢いかどうかを考えると、このように様々な疑問が浮かび上がってきます。

 
◎ヒトの脳が大きくなったのは、植物が進化したおかげだった
◎食料獲得の本当の主役は、オスではなくメスだった
◎直立二足歩行をしていた生物は、人類以外に何種も存在した
◎ヒトが文明を生み出すことができたのは、気候環境のおかげ

 
上記は、本書内で語られる内容の抜粋です。植物が進化したおかげでヒトの脳が大きくなったことや、人類以外にも直立二足歩行をしていた生物がいたことなど、ここで初めて知るという方も多いのではないでしょうか。これらは最新の人類史研究によって明らかになっている、まぎれもない事実です。私たちの祖先がたどった道のりを、脳の進化からひも解きます。

 
本書は、前後半で2部に分かれています。前半の第1部「智慧の実はどこにあったのか」では、私たちヒトが抱いている共通祖先の認識、初期霊長類の謎、樹上生活における知性の進化、直立二足歩行の真実などを中心に話を展開します。後半の第2部「進化にとって意識とは何か」では、ヒトの脳の構造や、ヒトと機械の違い、知性や意識と脳の関係について、具体的な事例を挙げながら解説します。

 
本書は先に挙げた疑問に対して、新鮮な驚きを与えてくれます。また、著者の関連書籍である『絶滅の人類史 なぜ「私たち」が生き延びたのか』『残酷な進化論 なぜ私たちは「不完全」なのか』(ともにNHK出版、既刊)をあわせて読むと、人類史への理解がさらに深まることでしょう。本書を読んで、私たちの祖先が辿ってきた進化の過程を学んでみてはいかがでしょうか。

 

本書の構成

はじめに

第1部 智慧の実はどこにあったのか
第1章 存在の偉大な連鎖
第2章 樹上生活の始まり
第3章 木の上で知性は育った
第4章 なぜヒトはよく眠るのか
第5章 直立二足歩行の真実
第6章 個性と自然淘汰
第7章 類人猿を超えて

第2部 進化にとって意識とは何か
第8章 不可解な脳
第9章 意識を見つける
第10章 デジタルカメラは生きているか
第11章 ヒトと機械の違い
第12章 進化最大の謎に迫る
終章  愚か者たちの楽園

おわりに

 

著者プロフィール

著者の更科 功(さらしな・いさお)さんは、分子古生物学者。1961年生まれ、東京都出身。東京大学教養学部基礎科学科卒業。民間企業を経て大学に戻り、東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。博士(理学)。専門は分子古生物学。現在、武蔵野美術大学教授、東京大学非常勤講師。

『化石の分子生物学――生命進化の謎を解く』(講談社現代新書)で第29回講談社科学出版賞を受賞。著書に『絶滅の人類史――なぜ「私たち」が生き延びたのか』『残酷な進化論――なぜ私たちは「不完全」なのか』(ともにNHK出版新書)、『ヒトはなぜ死ぬ運命にあるのか――生物の死 4つの仮説』(新潮選書)、『若い読者に贈る美しい生物学講義――感動する生命のはなし』(ダイヤモンド社)など。

 

禁断の進化史: 人類は本当に「賢い」のか (NHK出版新書)
更科 功 (著)

私たちは、「バカ」だったから繁栄した!?

人類は他の生物より、知能が高く、そのために文明を築き成功することができた、と思われている。果たしてそうだろうか。知能の高さと生物の繁栄は直結しているのか? なぜ知能だけでなく、意識が進化したのか? 脳の大きいネアンデルタール人が滅んだのはなぜか? 生物進化についてのわかりやすい解説が人気の著者が、人類史の大きな謎に迫る!

<既刊>

残酷な進化論: なぜ私たちは「不完全」なのか (NHK出版新書)
更科 功 (著)

ヒトは心臓病・腰痛・難産になるように進化した!

複雑な道具を使いこなし、文明を築いて大繁栄した私たちヒトは、じつは「ありふれた」生物だった──。人体は「進化の失敗作」? ヒトも大腸菌も生きる目的は一緒? 私たちをいまも苦しめる、肥大化した脳がもたらした副作用とは? ベストセラー『絶滅の人類史』の著者が「人体」をテーマに、誤解されがちな進化論の本質を明快に描き出した、知的エンターテインメント!

『絶滅の人類史』著者、待望の新作!
心臓病・腰痛・難産になるようヒトは進化した!
最新の研究が明らかにする、
人体進化の不都合な真実──

「人体」をテーマに進化の本質を描く
知的エンターテインメント
・ヒトのほうがチンパンジーよりも、じつは「原始的」だった!
・ヒトは腸内細菌の力を借りなければ、食事も1人でできない!
・人類よりも優れた内臓や器官を持った生物は山ほどいる!
・生物の寿命も進化によってつくられた!

絶滅の人類史―なぜ「私たち」が生き延びたのか (NHK出版新書)
更科 功 (著)

ホモ・サピエンスがネアンデルタール人を殺した?
初期人類の謎から他の人類との交雑まで。人類史研究の最前線をエキサイティングに描く!

700万年に及ぶ人類史は、ホモ・サピエンス以外のすべての人類にとって絶滅の歴史に他ならない。彼らは決して「優れていなかった」わけではない。むしろ「弱者」たる私たちが、彼らのいいとこ取りをしながら生き延びたのだ。常識を覆す人類史研究の最前線を、エキサイティングに描き出した一冊。

 


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