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ヒトは働かずにはいられない?新しい労働の人類史『仕事と人間 70万年のグローバル労働史』が刊行

ヨーロッパ中心の労働史観に風穴を開ける、人類始まって以来の労働の世界史、ヤン・ルカセンさん著『仕事と人間 70万年のグローバル労働史』(上・下)がNHK出版より刊行されました。

 

仕事に見出す人生の意味、協力する喜び、そして公平性への希求は、狩猟採集時代から私たちのDNAに組み込まれている

本書『仕事と人間 70万年のグローバル労働史』の著者は、労働史を専門とする歴史学者でアムステルダム自由大学名誉教授のヤン・ルカセンさん。

photo by Monique Kooijmans

photo by Monique Kooijmans

「仕事」に見いだす価値基準は人類史の大部分を占める狩猟採集時代に培われたと言い、その価値観が現代人のなかに根強く残っているからこそ、私たちは働くことに平等性を求め、他者と協力する喜びを得、自尊心を保っていると論じます。

 
狩猟採集時代から近現代までの労働史を、従来の「世界で最も発展した地域の男性工場労働者の歴史」に限定しないグローバルな視野で概観し、人間と仕事のありかたについての未来を展望します。

私たちにとって仕事とは何か? ――これからの働き方を考えるための必読書です。

 

本書の構成

 
『仕事と人間 70万年のグローバル労働史』(上)

はじめに

労働史の系譜と研究成果、そして本書のスタンスについて

序章

第1部 人間と仕事――70万年前から1万2000年前まで

第2部 農業と分業――紀元前1万年から前5000年まで

第3部 新しい労働関係の出現――紀元前5000年から前500年まで

第4部 市場に向けての仕事――紀元前500年から紀元後1500年まで

第5部 労働関係のグローバル化――1500年から1800年まで

 
『仕事と人間 70万年のグローバル労働史』(下)

第5部 (上巻から続く)

第6部 労働関係の収斂――1800年から現在まで

第7部 変わりゆく仕事の意義――1800年から現在まで

終章 今後の展望

解説 木下順 (大原社会問題研究所嘱託研究員)

訳者あとがき

 

著者プロフィール

ヤン・ルカセン (Jan Lucassen)さんは、1947年生まれ。労働史を専門とする歴史学者。アムステルダム自由大学名誉教授。オランダの国際社会史研究所(IISH)の研究部長を長く務めたのち、現在は同研究所の名誉研究員。

 

仕事と人間(上): 70万年のグローバル労働史 (1)
ヤン・ルカセン (著), 塩原 通緒 (翻訳), 桃井 緑美子 (翻訳)

ヒトは働かずにはいられない!

ヨーロッパ中心の労働史観に風穴を開ける、人類始まって以来の労働の世界史。
すべての時代において、常に家庭が仕事の基盤にあった。家事労働に始まる仕事の歴史は小さなコミュニティから大きなコミュニティへと社会的な労働へと発展した。私たちにとって仕事とは何か、仕事に見出す人生の意味、協力する喜び、そして公平性への希求は、狩猟採集時代から私たちのDNAに組み込まれている。
私たちが仕事から解放されるユートピアは、ほんとうに私たちを幸せにするのか? これからの働き方を考えるための必読書。

仕事と人間(下): 70万年のグローバル労働史 (2)
ヤン・ルカセン (著), 塩原 通緒 (翻訳), 桃井 緑美子 (翻訳)

これからの働き方を創造する!

ヨーロッパ中心の労働史観に風穴を開ける、人類始まって以来の労働の世界史。
私たちにとって仕事とは何か、仕事に見出す人生の意味、協力する喜び、そして公平性への希求は、狩猟採集時代から私たちのDNAに組み込まれている。
下巻では世界各地で発達したそれぞれの「仕事のあり方」が、経済のグローバル化の発展と共に収斂していく流れを現代まで追うとともに、これからの働き方を考える。

 


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