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「動物と話したい」子どもたちの願いにこたえる馬語の入門書『ウマと話すための7つのひみつ』が刊行

河田桟さん文・絵『ウマと話すための7つのひみつ』

河田桟さん文・絵『ウマと話すための7つのひみつ』

与那国島で馬を相棒に暮らす著者が「馬語」のひみつを教えてくれる絵本、河田桟さん文・絵『ウマと話すための7つのひみつ』が偕成社より刊行されました。

 

与那国島で馬と暮らす著者による「馬語」の入門書

日本で最も西に位置する島・与那国島には、野生に近いかたちで暮らす馬「与那国馬」がいます。本作は、与那国島で、馬を相棒に暮らす河田桟さんが、馬の世界に入り込んで発見した7つのひみつを伝えます。

 
馬語のひみつその1:ウマは体の動きで、いまの気持ちを伝える
馬語のひみつその2:ウマにもいろいろな性格がある
馬語のひみつその3:きみがウマを見ているとき、ウマもきみを見ている
馬語のひみつその4:ウマが心地いいと感じる距離は、いつも少しずつ変わりつづけている
馬語のひみつその5:ウマにはウマのリズムがある
馬語のひみつその6:ウマといっしょの時間をすごすうちに、きみのアンテナは敏感になる
馬語のひみつその7:きみが人でも、ウマから馬語で話しかけてもらえる(かもしれない)1つの方法

 
ここではひみつのその1とその3を紹介します。

 
馬語のひみつその1:ウマは体の動きで、いまの気持ちを伝える

馬は人間のようにことばを話しませんが、表情や体の動きで、周囲に自分の気持ちを伝えています。

▲「耳のことば」のページ。耳を開いているときは「くつろいでいる」、耳をあちこちに動かしつづけているときは「落ち着かない」、耳をひきしぼるように後ろにたおしているときは「怒っている」ときです。

 
馬語のひみつその3:きみがウマを見ているとき、ウマもきみを見ている

馬の目は、顔の横についているので、視野がとても広いです(なんと340度!)。つまり、こちらが一方的に馬を見ているつもりでも、実は馬もこちらを見ているかもしれない、ということ。馬が不快に感じる位置には、立たないようにしましょう。

▲ウマが見えないのは後ろだけ。そこにだれかがいると、なんだかいやな気持ちがして、思わずけってしまうことがあります。だから、ウマの後ろには立たないでね。(本文より)

 
また、馬が「居心地がいい」と感じられる距離を保つこと(馬はほかの馬や人間との距離感を大切にします)。馬のリズムは、たいてい人間よりゆっくりで、時々すごく速いこと。馬に話しかけるときは、少し遠くで、なにもせず、目を合わせないでじっと待つこと。そんな、馬となかよくなりたいなら知っておきたい、とっておきのひみつが7つつまった絵本です。

 

与那国島で出版社を立ち上げ、刊行したウマの本3冊がロングセラーに

作者の河田桟さんは、馬と暮らすために与那国島に移住し、カディという名の馬を相棒に暮らしています。与那国島で、カディブックスという出版社を立ち上げ、今までに『馬語手帖―ウマと話そう』『はしっこに、馬といる―ウマと話そうII』『くらやみに、馬といる』の3冊を上梓しました。

 
河田さんが、馬たちの世界に入りこんで感じたこと考えたことを綴ったそれらの文章は、馬という生きものの素晴らしい魅力を伝えるとともに、私たちがそういう生きものや自然、そして私たち自身や社会と、どんなふうにゆたかに向き合えるのかという可能性に開かれたものでした。そのことが多くの人の共感を呼び、取次を通さない限られた流通にもかかわらず、ロングセラーになっています。

 

著者からのメッセージ&編集部だより公開中!

本作のあとがきに、河田さんは次のようなメッセージを書かれています。

《 動物と話せたらいいなあ、と夢見るこどもは多いと思います。わたしもそういうこどものひとりでした。空想するのも楽しかったですが、わたしは〝ほんとうに?動物と話したかったので、その方法がわからないのが少し残念でした。
やがてわたしは馬と出会い、その存在に響きあうものを感じて、与那国島で馬と暮らすようになりました。島には、ほぼ野生状態で生きる馬たちがいます。わたしの相棒となったカディも、もとは野生の生まれです。そうして自然のなかで馬の世界に入りこみ、長い時間をともに過ごすうちに、馬たちのユニークで豊かなコミュニケーションのありかたが見えてきました。しぐさひとつひとつの意味に気づくたび、わたしは驚き、笑いました。まるで馬からたいせつな秘密を教えてもらったみたいに感じたのです。
人と動物の関係は、これから大きく変化していく気がしています。その未来を馬とともに歩むかもしれないこどもたちに、わたしが教えてもらった秘密を手渡せたらうれしいです。》

 
また、Kaiseiwebでは編集部だよりを公開中です。本作を企画するにあたって、与那国島を訪れた編集者が、河田さんの相棒・カディとはじめて会ったときのようすをつづっています。

★やわらかい鼻先の香ばしい草のにおい:https://kaiseiweb.kaiseisha.co.jp/s/editor/edt221012/

▲編集者が与那国島を訪れたときの風景

▲編集者が与那国島を訪れたときの風景

 

著者プロフィール

著者の河田桟(かわた・さん)さんは、馬飼い・文筆業。2009年、馬と暮らすために与那国島に移住。カディブックスを立ち上げ、出版活動をはじめる。

著書に『馬語手帖―ウマと話そう』(2012年)、『はしっこに、馬といる―ウマと話そうII』(2015年)、『くらやみに、馬といる』(2019年)がある。

河田さんのSNSでは、与那国島で馬と暮らす日常を日々発信しています。

★Twitter(@kazenouma):https://twitter.com/kazenouma
★Instagram(@sankawata):https://www.instagram.com/sankawata/

 

ウマと話すための7つのひみつ
河田桟 (著)

「動物と話してみたい」そんな子どもたちの願いにこたえる「馬語」の入門書。馬とコミュニケーションをとるための秘密が書かれた絵本です。
日本のはしっこ、与那国島で馬を相棒に暮らす著者が、馬の世界に入りこみ発見した7つの秘密を子どもたちに伝えます。
そこには生き物や自然と向かい合うための豊かなヒントがあります。
馬と話すことができれば、きっとこの世界の美しさが新たに見えてくるでしょう。

 


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