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元・鬼畜漫画家 山野一さん〈超大変&ドラマティックな出産・育児コミック〉『大難産』が刊行

山野一さん作『大難産』

山野一さん作『大難産』

山野一さんの出産・育児コミック『大難産』が文藝春秋より刊行されました。

 

双子で難病!? 50歳目前で双子を授かった元・鬼畜漫画家の、超大変&ドラマティックな出産・育児コミック

元・鬼畜漫画家の“やすお”が50歳を目前にようやく授かった双子は、胎内でTTTS(双胎間輸血症候群)という一卵性双生児特有の病気にかかっていた。TTTSとは、本来独立しているはずの胎児二人の血管がつながっていて、供血児から受血児へ一方通行で流れている状態。成長に差が出るだけでなく、様々な症状の原因となるという……。

妻の“クチ子”は「特殊漫画家のお前がせっせと描いた鬼畜漫画のカルマ返りだ」と憤慨する一方、やすおは「二人の血液型は適合してるんでしょうか」とトンチンカンな疑問を呈する。運命に翻弄されつつも、生まれてくる双子たちに会える日を待ち望む二人であった……。

 
病院をたらい回しされた末、ついに最先端医療設備と名医たちに出会う。母クチ子は双子の命を救うべく、最先端のレーザー手術に挑む。クチ子の診察中、胎児の心音を耳にしたやすおは、窓の外に巨大みじんこが浮遊する光景を幻視する。これは一体、何の予兆なのか……。

手術は無事成功するが、クチ子は身体にチューブやセンサー、介助器具が取り付けられた「スパゲティー状態」に。身動きも寝返りも許されず、一つ間違えば流産の危険が迫る「暗黒の4日間」が始まる。危うし、クチ子!

その枕元へ、妊娠が発覚する直前に死去したはずの伯父さんが神主姿で現われ、「なーんもすんぱいね。もーすぐ夜が明けっから」とのたまうのだった……。

いよいよ出産間近。再入院したクチ子は、予定日前に破水する。すぐにやすおに電話するが、泥酔していたやすおは起きる気配がない。「不在着信13件」にしてようやく気づいたやすお。翌朝、緊急の帝王切開手術が開始される。果たしてお腹の双子の運命やいかに……!

1998年に元妻のねこぢるさんが死去した後、再婚した山野一さんが、双子生誕までの“超こっぴどい”日々を克明に、かつ自虐と諧謔を交えて描いた作品です。

 

 

山野一さんのコメント

「ウチの双子の女の子の妊娠時代のお話です。双胎間輸血症候群という珍しい病気にかかっており、親も子もかなりこっぴどい目にも遭いましたが、どなたも気軽に読めるお話となっております。お手にとっていただければ幸いです!」

 

著者プロフィール

著者の山野一(やまの・はじめ)さんは、1961年生まれ。立教大学文学部卒業。1983年「山野一」名義で『ガロ』デビュー。『貧困魔境伝ヒヤパカ』『混沌大陸パンゲア』『四丁目の夕日』等異色の単行本を発刊。

1990年当時の伴侶・ねこぢるさんのデビュー後は、裏方として制作に参加。1998年ねこぢるさん他界後は「ねこぢるy」名義で『ねこぢるyうどん』『おばけアパート・前編』等を執筆。2006年再婚、2008年双子出生。

 

大難産
山野 一 (著)

 
【関連】
大難産 | 文春オンライン

 


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