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俳人・夏井いつきさんが山あり谷あり人生を綴ったエッセイ『瓢箪から人生』が刊行 愉快痛快にして心に沁みる全45編収録!

夏井いつきさん著『瓢箪から人生』

夏井いつきさん著『瓢箪から人生』

TV「プレバト!!」でお馴染みの俳人・夏井いつきさんが山あり谷あり人生を綴った傑作エッセイ『瓢箪から人生』が小学館より刊行されました。

 

「これだけはどうしても書いておきたかった」

芸能人のあらゆる才能をプロが査定するTV番組「プレバト!!」(TBS系)で活躍中の俳人・夏井いつきさん。今年9年目に入った同番組では俳句査定を担当し、平凡な俳句を瞬く間に名句に変える〝添削ワザ〟で数々の有名人を唸らせてきました。

夏井さんの率直なキャラクターと豊かな表現力は、俳句を身近なエンターテインメントに押し上げ、今尚盛り上がる俳句ブームに貢献。先生自身も、一躍お茶の間の人気者に!

 
≪『プレバト!!』俳句コーナーが始まって八カ月ぐらいの夏頃、ちょうど老後を楽しむための会社、夏井&カンパニーが立ち上がったぐらいから事態が変わり始めた。番組が世間に認知され始めたのだ。俳人のコスプレだと思って温和(おとな)しく着させられていた着物にちなんで、私は「プレバトの着物先生」なんぞと呼ばれ始め、出演者のお一人梅澤富美男さんが「なっちゃん」と呼びかけてくるので「なっちゃん先生」と呼ぶ人たちも現れた。最初は着物さえ来てなければ面も割れなかったが、次第に、どうでもいい恰好をしていても声をかけられるようになった。それらの変化に伴って、仕事もどんどん増えていった。

この騒動もそのうち収まるとタカをくくっていた『プレバト!!』は、なんと三百六十回を超え、番組は九年目に入った。≫
(本文より)

 
本書では、夏井さんがこれまでの人生で出会った忘れ得ぬ人たちとの悲喜交々と、俳句の日々を綴ります。

≪俳聖バショーさまは、人生を旅になぞらえたが、旅とはさまざまな人と出会い、さまざまな出来事に遭遇することでもある。我が人生において、がっぷり四つで強い影響を与えてくれた人、袖振り合っただけの人から教えられたこと等を書き留めてみるのも、還暦を過ぎ、いよいよ高齢者として歩む人生の道標となるやもしれぬ。そんなこんなの人生の徒然を記してみようと思う。≫
(本文より)

 
師匠となる黒田杏子さんとの出会いや父親の思い出、夢枕獏さんとの意外な交流・・・どの一編も、夏井さんらしい鋭い観察眼とユーモアが詰まっていて深い余韻を残します。

 
また、「プレバト!!」の裏話をはじめとするエピソードからは、知られざる一面も・・・。

≪普通の句会では、名前を伏して互選し、選ばれた句だけが取り上げられる。『プレバト!!』の「才能ナシ」レベルの句は、誰にも選ばれない類いのものだから議論にも上がらない。そんな箸にも棒にもかからない句を添削してくれと言われ、最初は面食らった。何を言いたいのかも分からない、日本語になってない句をどう直せというのかと困惑する。本気で腹も立ってくる。極めて率直な心の動きではないか。

初回収録で、今でも鮮明に覚えているのが、目の前のモニターに映るハマダさんが、何度も何度も「俳句おもろー!」と、卓を叩きながら爆笑する姿だった。面白がってもらえると、こっちもやる気になる。テンションも上がる。

そんなこんな、第一回俳句コーナー収録を終えた私は、スタジオの照明の熱に心地よい汗もかき、昨夜の酒も抜け、おおー今夜もビールが美味いぞ! と意気揚々と楽屋に引き上げた。≫
(本文より)

 
そのほかにも、自作の俳句をはじめ、佳句、笑句も多数紹介するなど、俳句を始めたい方の入門書としても使える一冊です。

 

著者プロフィール

著者の夏井いつき(なつい・いつき)さんは、1957年生まれ、愛媛県出身。松山市在住。俳句集団「いつき組」組長。京都女子大学文学部国文科卒業後、8年間の中学校国語教諭を経て俳人へ転身。

「第八回俳壇賞」「第四十四回放送文化基金賞」「第七十二回日本放送協会放送文化賞」「第四回種田山頭火賞」受賞。創作活動に加え、俳句の授業「句会ライブ」、「俳句甲子園」の創設にも携わるなど幅広く活動中。「プレバト!!」(TBS系)俳句コーナー出演をはじめ、多くのメディアでも活躍。2015年より初代俳都松山大使。

 

瓢箪から人生
夏井 いつき (著)

人生の妙味が詰まった傑作エッセイ集が誕生

大人気番組『プレバト!!』でお馴染みの俳人・夏井いつきさんが綴った、愉快痛快にして心に沁みる傑作エッセイ集が誕生!

 
【編集担当からのおすすめ情報】
『プレバト!!』で数々の有名人を唸らせてきた夏井先生の添削のワザ。平凡な俳句を瞬く間に名句に変える的確な批評と豊かな表現、鋭い観察眼は、本書にも随所に表れています。「女性セブン」連載中から大反響を呼んだ本エッセイは、夏井先生曰く「結構真剣に書いていた」。ファンの皆さんにとっては、夏井先生の新しい一面を発見できる一冊になっているはずです。

この本のタイトルには、瓢箪から駒が出るような予想外の出来事もまた肯定していこうじゃないかという夏井先生のメッセージが込められています(と私は思っています)。この本を手に取って下さった読者のみなさんの人生を支える杖となるような本になっていると確信しています。

 


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