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【第39回角川源義賞】佐々木孝浩さん『日本古典書誌学論』と上原兼善さん『近世琉球貿易史の研究』が受賞

第39回角川源義賞は、10月12日に「歴史研究部門」、10月18日に「文学研究部門」の選考会をそれぞれ開催し、受賞作が決定しました。

 

第39回角川源義賞の選考結果

第39回角川源義賞の選考結果は次の通りです。

 
■文学研究部門

『日本古典書誌学論』(笠間書院) 佐々木孝浩さん

 
佐々木孝浩(ささき・たかひろ)さんは、1962年2月、山口県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。同大学院博士課程中退。慶応義塾大学附属研究所斯道文庫教授。博士(文学)。
著書に、『歌論歌学集成 第十巻』(共校注)、『大島本源氏物語の再検討』(中古文学会編/共著)、『日本の書と紙―古筆手鑑『かたばみ帖』の世界』(共編)など。1995年に第21回日本古典文学会賞を受賞。

選考委員は、安藤宏さん(東京大学教授)、揖斐高さん(成蹊大学名誉教授)、原岡文子さん(聖心女子大学名誉教授)、三浦佑之さん(千葉大学名誉教授・立正大学教授)。

 
■歴史研究部門

『近世琉球貿易史の研究』(岩田書院) 上原兼善さん

 
上原兼善(うえはら・けんぜん)さんは、1944年、沖縄県生まれ。琉球大学文理学部卒業。九州大学大学院文学研究科博士課程後期歴史学専攻中退。岡山大学名誉教授。博士(文学)。
著書に、『鎖国と藩貿易―薩摩藩の琉球密貿易』、『幕藩制形成期の琉球支配』(第30回伊波普猷賞)、『島津氏の琉球侵略―もう一つの慶長の役』、『「名君」の支配論理と藩社会―池田光政とその時代』など。本賞受賞の『近世琉球貿易史の研究』は、第59回日経・経済図書文化賞、第15回徳川賞も受賞。

選考委員は、石上英一さん(東京大学名誉教授)、黒田日出男さん(群馬県立歴史博物館名誉館長・東京大学名誉教授)、藤井讓治さん(京都大学名誉教授)、三谷博さん(東京大学名誉教授・跡見学園女子大学教授)。

 
受賞者の佐々木さんと上原さんには、賞状・記念品ならびに副賞100万円が贈られます。贈呈式は、12月13日午後5時よりホテルメトロポリタンエドモント(東京・飯田橋)にて開催。

 

角川源義賞とは

角川源義賞は、「角川書店の創立者で、古代中世文学の研究家でもあった角川源義の、日本文化振興への思念の一端を具現」しようと、昭和54年に創設された賞。

日本文学あるいは日本史分野(関連分野を含む)の研究として刊行された、個人の学術書。高い完成度とともに、本賞による顕彰を機に研究上の更なる進展が期待される著作・著者を対象としています。

賞の贈呈式と祝賀会を、12月に角川財団学芸賞と併せて開催しています。

 

日本古典書誌学論
書誌学は、文学作品を読み解く上で何の役に立つのか。
巻物や冊子といった書物の装訂や形態にはヒエラルキーがあり、書物とそこに保存されるテキストには相関関係がある。また書物に保存されているのはテキストのみではなく、書物とテキストにまつわる様々な情報も秘められているのである。そうした相関性や情報を把握した上で、作品を具体的に読み解く必要がある。
既存の文学研究では明らかにできなかった事柄を、書誌学的な「読み」によって示す、古くて新しい書誌学の具体的活用法!

 
近世琉球貿易史の研究 (近世史研究叢書)

 
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【決定のお知らせ】第39回角川源義賞 | 角川文化振興財団

 


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