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大友克洋さんの”すべて”を収録する全集「OTOMO THE COMPLETE WORKS」が刊行へ 大友克洋さん自身がプロデュース

「OTOMO THE COMPLETE WORKS」メインビジュアル (C)2022 MASH・ROOM (C)1983 角川映画

「OTOMO THE COMPLETE WORKS」メインビジュアル (C)2022 MASH・ROOM (C)1983 角川映画

漫画家、イラストレーター、映像監督、シナリオライターなどのジャンルにとらわれず、世界的なタイトルを次々に生み出す創作者の顔を持つ大友克洋さん自身が企画し、時代順に全作品をまとめた全集「OTOMO THE COMPLETE WORKS」の第1期・第1回配本が、2022年1月21日に講談社より刊行開始となります。

日本から世界中に衝撃をもたらした『AKIRA』をはじめとした、まったく新しい表現方法の集積は、一人の作家のパーソナルな仕事集というだけでなく、1970年代から現代までの漫画、アニメ、映像までをも含む、現代文化の冒険を愉しめる作品集と言えます。

『AKIRA』 (C)1988 マッシュルーム/アキラ制作委員会

『AKIRA』 (C)1988 マッシュルーム/アキラ制作委員会

 

大友克洋さん コメント

長らく過去の単行本が絶版状態にあり、これまで各社から再販や選集出版のお話をいただきました。それなら自分の仕事をまとめた全集を自分の思うような形で作りたいと思い、本プロジェクトがスタートしました。自分でプロデュースするなら、自分が生きているうちにということになりますので、今のタイミングかなと。

 
そして、どうせ出すならコンプリートワークスということで、全部をまとめてみたいと考えました。マンガだけでなく、アニメーションや実写映画などの仕事もやっていますし、イラストも描いてますし、原作の提供やシナリオなどもあるので、それらもひとまとめにしたいなと。

 
これまで色々な人が全集を発表しています。例えば手塚治虫さんの場合、手塚さんはマンガ以外の仕事も多くされてるんですが、全集にはマンガしか収録されていません。それはその人の仕事の全集としては不完全なのではないかという気がしていました。もしかしたらシナリオ集なんかはあまり売れないのかもしれませんが、ひとまず形にはしてみたいなと思ってラインナップに入れています。

 
マンガというのは、コンテンツとして非常に広い展開をします。

 
アニメ化、実写化、小説化、ゲーム化やパチンコなど……。私の作品はパチンコの展開はないですが。そのように展開した部分でも、携わってきたものも全て含めた構成になる予定です。

 
最近はパブリックアートなども手掛けているんで、自分の仕事もさらに多様化していますね。そのためになかなかマンガが描けていません。勿論これから描く作品、撮る映画などもあります。それらをどこまで含めて〈全集〉とするのか、実は現段階ではまだ決めていません。とはいえ、どこかで確定しなくてはいけないですね。

 
また、可能な限りにはなってしまいますが、作品は制作順に時系列で収録していきます。

 
そうすることで、作家としてどのように変化してきたかも追えるようになるので、本当は収録したくなかった古い作品や実現しなかった作品、未完のものも、出し惜しみせず全てお見せいたします。

 
自分でも過去作品を見直すことはあまりないので、全て見るのはこの編集作業で初めてになると思います。ヘタすると忘れている作品もあるので、見直すと面白いですね。最初の頃から見ていくと、自分でも絵が上手くなっていく過程が判ります。描き方が変わっていったりテーマが変わっていったり、試行錯誤している様子も判ります。色々な見方が出来るので、皆さんにも楽しんでいただけるのではないでしょうか。

『銃声』 (C)2022 MASH・ROOM

『銃声』 (C)2022 MASH・ROOM

 

編集部コメント

世界的なタイトルを次々に生み出す、漫画家、イラストレーター、映像監督、シナリオライターなどのジャンルにとらわれない創作者の顔を持つ大友克洋氏。

 
その創作とプロデュースのすべてを、作者である大友克洋氏自身が時代順に俯瞰、総括、そしてリ=プロデュースするのが「大友克洋全集」です。

 
それは多様な「全仕事」を収録した「作家・大友克洋」の底本ともなります。

 
同時に、日本から世界中に衝撃をもたらした新しい表現方法の集積は、一人の作家のパーソナルな仕事集というだけでなく、1970年代から現代までの漫画、アニメ、映像までをも含む、現代文化の冒険を愉しめる作品集とも言えるでしょう。

 
時代によって何が生み出されたか。

 
作家は時代に何を見て、考えてきたのか。
 

そして作家は、次に何を試みていくのか。

 
――――作品から発言までを網羅することで、作家としての進化を明らかにし、次の世代の創作者へその姿勢を伝えていく。この全集は作家自身が自らを「作品化」し、手ざわりも含むモノとして記録する、まったく新しい全集となります。

『童夢』 (C)2022 MASH・ROOM

『童夢』 (C)2022 MASH・ROOM

 

「OTOMO THE COMPLETE WORKS」第1期ラインナップ(全6回刊行予定)

 
◆第1回配本(2022年1月21日)
第8巻『童夢』(漫画)
第21巻『Animation AKIRA Storyboards 1』(アニメ映画『AKIRA』絵コンテ集 第1巻)

 
◆第2回配本(2022年3月予定)
第2巻『BOOGIE WOOGIE WALTZ』(漫画)
第22巻『Animation AKIRA Storyboards 2』(アニメ映画『AKIRA』絵コンテ集 第2巻)

 
◆第3回配本(2022年5月予定)
第3巻『ハイウェイスター』(漫画)
第25巻『Scripts 1』(シナリオ集 第1巻)

 
◆第4回配本(2022年7月予定)
第20巻『Animation AKIRA』(映像Disc付き書籍)
第4巻『さよならにっぽん』(漫画)

 
◆第5回配本(2022年9月予定)
第5巻『Fire-Ball』(漫画)
第35巻『The Live Action 蟲師』(映像Disc付き書籍)

 
◆第6回配本(2022年11月予定)
第1巻『銃声』(漫画)

 
※第2期以降の続巻は随時発表予定となります。

 
◇第1期全巻購入特典:「大友克洋オリジナルデザイン 全集特製Tシャツ」(第1期全11巻に応募券封入)
◇各巻ごとに異なる初版限定「大友克洋デザインステッカー」封入
◇巻末に大友克洋さん自身の解説入りのタイトルもあり
◇大友克洋さん自らがコンセプトを担当した装丁は発売当日に発表

 
※全集「OTOMO THE COMPLETE WORKS」の詳細は、ホームページ等をご覧ください。
★公式ホームページ:https://otomo-complete.com
★Twitter:https://twitter.com/otomo_zenshu
★Instagram:https://www.instagram.com/otomo_zenshu/

『ハイウェイスター』 (C)2022 MASH・ROOM

『ハイウェイスター』 (C)2022 MASH・ROOM

 

著者プロフィール

著者の大友克洋(おおとも・かつひろ)さんは、1954年生まれ。宮城県登米市出身。漫画家/映画監督。

1973年『漫画アクション』(双葉社)にて「銃声」で漫画家デビュー。『気分はもう戦争』(原作:矢作俊彦さん)で星雲賞コミック部門を受賞。『童夢』は日本SF大賞、星雲賞コミック部門を受賞。『AKIRA』で講談社漫画賞を受賞。

『幻魔大戦』(1983年 監督:りんたろうさん)のキャラクターデザインを担当した事をきっかけに、アニメーションにも携わるようになる。1988年には、自作マンガ『AKIRA』映画化にあたり自ら監督、劇場公開され、その後もオリジナルアニメ『STEAMBOY』などを監督する。
実写映画では、1991年『ワールド・アパートメント・ホラー』、2007年『蟲師』(原作:漆原友紀さん)などの作品で監督を務めた。

2012年、東北震災チャリティを目的とした「大友克洋GENGA展」では自らプロデューサーとなり、3000枚もの原画展示を実現。収益の約3割を被災した地元団体に寄付した。
2013年には紫綬褒章を、2014年にはフランス芸術文化勲章オフィシエを授与され、同年アニー賞ウィンザーマッケイ賞を受賞。
2015年、フランスのアングレーム国際マンガ祭でグランプリを受賞。
2015年、東北震災で被災した仙台空港には復興をテーマに、2020年、東京工業大学大岡山キャンパスには五大エレメントをモチーフにしたレリーフを、それぞれデザイン監修として担当した。

『さよならにっぽん』 (C)2022 MASH・ROOM

『さよならにっぽん』 (C)2022 MASH・ROOM

『宇宙パトロール・シゲマ』 (C)2022 MASH・ROOM

『宇宙パトロール・シゲマ』 (C)2022 MASH・ROOM

 

<第1回配本>

童夢 (OTOMO THE COMPLETE WORKS)
大友 克洋 (著)

[作品解説]
1983年に刊行された瞬間、既存の漫画表現のレベルを一挙にアップデートし、文字どおり「漫画を革新」した歴史的傑作『童夢』。その後20年以上、60刷を超える増刷を重ねながらも、現在絶版状態となっていた本作が「大友克洋全集」の第1期・第1回配本タイトルとして、超待望の復刻刊行。原画から新たに起こした版により画質も向上、厳選された紙質によって印刷のクオリティも格段にアップ。また単行本では未収録となっていた幻の連載時の扉や、2色カラー原画も復刻し再現。さらに著者が単行本カバー用として構想していたイラストをカラーにて完全再現し収録。巻末には著者自身による解説も収録したコンプリート(全集)仕様です。判型は従来の単行本よりもひと回り大きいB5変型サイズ。第15回「星雲賞コミック部門」および「第4回日本SF大賞」受賞作品。漫画史を語る上で避けては通れない記念碑的作品が遂に再臨!

[STORY]
不審死が頻発する郊外のマンモス団地。霊や祟りの仕業か、事故や事件なのかも判らぬまま警察が捜査に乗り出すが、子供たちが無邪気に遊ぶ団地内は一見平和に見える。そんな中、捜査員の目に怪しく映るのは、昼間からブラつくアルコール依存症の男、知的障害と思しき大男、受験ノイローゼ気味に見える浪人生、流産して以来おかしくなったと噂される主婦、ベンチで日なたぼっこする認知症と思しき老人…。またひとり、捜査中の部長刑事が不審死を遂げた後日、家族とともに団地に越してきた少女・悦子は、とある超自然的な力をその身に秘めていた…!

Animation AKIRA Storyboards 1 (OTOMO THE COMPLETE WORKS)
大友 克洋 (著)

[内容解説]
1988年に劇場公開され、漫画の域を超えてアニメの世界までも革新したアニメ映画版『AKIRA』。このアニメは原作者である大友克洋自身が、監督と脚本を務めるという異例の製作体制で作られながら、世界的な評価まで得ているという破格の名作である。本書は、そのアニメ版を製作するにあたり、大友自身が自ら描き上げた膨大な量の絵コンテを全2巻にまとめたものの第1巻にあたる。かつてヤングマガジン編集部から1988年に、同じく2分冊で刊行されていたが、短期間で絶版となって以来、長らくプレミア品となっていたレアアイテムが、「大友克洋全集」の第1期・第1回配本タイトルとして、遂に待望の復刻となる。これは単体の商品としては30年以上ぶりである。絵コンテというと、ラフに描かれた未完成な設計図と思われがちだが、本書のコンテの精密度は桁が違う。それもそのはず、著者がこれを描いたのは、映画版『AKIRA』製作のために漫画版の連載を中断していた1987年頃であり、単行本でいうと5巻の中盤を描いていた時期。連載バリバリ時期のテンションで描かれた絵コンテの緻密さやキャラクターの躍動感は、漫画本編に勝るとも劣らないレベルなのだ。なお本書はA、B、C、Dから成る全4パートの前半A・Bパートを完全収録し、全500ページ近い大ボリュームとなっている。眺めるだけでアニメ版『AKIRA』の映像が脳内に再生される「読む動画」の如き本書ゆえ、熟読すればするほど著者の驚異的なアニメ製作術に触れることができるはずだ。なお、書名の「Storyboards(ストーリーボード)」とは「絵コンテ」の英語表記である。

 
【関連】
大友克洋全集 2022年刊行│講談社

 


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