【第4回八重洲本大賞】カルロ・ロヴェッリさん『時間は存在しない』と樋口恭介さん『未来は予測するものではなく創造するものである』が受賞
八重洲ブックセンター(YBC)は、「refining/洗練し続ける」をテーマとした第4回八重洲本大賞の受賞作品を発表しました。
第4回八重洲本大賞が決定!
第4回八重洲本大賞は、出版社およびYBCスタッフが選んだノミネート作品10作品(https://www.yaesu-book.co.jp/topics/19330/)の中から、八重洲本大賞社内・社外委員による選考、読者による投票結果をもとに審査を行い、次の通り受賞作が決定しました。
<第4回八重洲本大賞 受賞作品>
◎カルロ・ロヴェッリ(Carlo Rovelli)さん
『時間は存在しない』(NHK出版)
◎樋口恭介(ひぐち・きょうすけ)さん
『未来は予測するものではなく創造するものである』(筑摩書房)
受賞者のカルロ・ロヴェッリさんは、1956年、イタリアのヴェローナ生まれ。理論物理学者。ボローニャ大学卒業後、パドヴァ大学大学院で博士号取得。イタリアやアメリカの大学勤務を経て、現在はフランスのエクス=マルセイユ大学の理論物理学研究室で、量子重力理論の研究チームを率いています。「ループ量子重力理論」の提唱者の一人。『すごい物理学講義』『世の中ががらりと変わって見える物理の本』(ともに河出書房新社)など著書多数。『時間は存在しない』(NHK出版)はタイム誌の「ベスト10ノンフィクション(2018年)」に選出されました。
同じく受賞者の樋口恭介さんは、1989年生まれ。岐阜県出身、愛知県在住。早稲田大学文学部卒業。外資系コンサルティングファームに勤務。現在はテクノロジー部門のマネージャーを務め、DX戦略を中心とする案件を手掛けています。並行して、スタートアップ企業 Anon Inc. にて CSFO(Chief Sci-Fi Officer)を務め、多くのSFプロトタイピング案件を手掛けるとともに、SFプロトタイピングに関する情報発信を行い、日本国内におけるSFプロトタイピングの普及と発展を推進。『構造素子』(早川書房)で第5回ハヤカワSFコンテスト大賞を受賞して作家デビュー。同作は第49回星雲賞にもノミネートされました。
八重洲本大賞について
八重洲本大賞は、首都圏を中心に店舗展開する「八重洲ブックセンター」が創設。「情報があふれる今だからこそ、『本』で読みたいものがある。一つのキーワードを手掛かりに、既存のジャンルには収まりきらない『すごい本』を発掘し、もっと多くの方に読んでいただきたい!」をコンセプトとする文学賞です。
なお、今回(第4回)のテーマは「refining/洗練し続ける」です。
時間は存在しない カルロ・ロヴェッリ (著), 冨永 星 (翻訳) ◎イタリアで18万部発行、35か国で刊行決定の世界的ベストセラー ●難解なアイディアをどうしてこんなにもわかりやすくクリアに説けるのか。 時間はいつでもどこでも同じように経過するわけではなく、過去から未来へと流れるわけでもない――。 “ホーキングの再来”と評される天才物理学者が、本書の前半で「物理学的に時間は存在しない」という驚くべき考察を展開する。 詩情あふれる筆致で時間の本質を明らかにする、独創的かつエレガントな科学エッセイ。 |
未来は予測するものではなく創造するものである ――考える自由を取り戻すための〈SF思考〉 樋口 恭介 (著) 「ここではないどこか」への想像力を解放せよ。 SF思考、あるいはSFプロトタイピングとは、単一の未来を先取りするための手法なのではなく、複数の未来のうちから「ありうる未来」を幻視するための手法です。もっと詳しく言えばそれは、既定路線を進む現実の中に意図的に事故を紛れ込ませ、つまらない現実を撹乱する手法、あるいは、あなたがあなたのまま、あるがままに思考し、あるがままに語ることを後押しすることで、あなたが本当に望む未来を描くための手法なのです。(「まえがき」より) 「事例は? 」「エビデンスは? 」「効果は? 」 |
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