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【新書大賞2021】斎藤幸平さん『人新世の「資本論」』が受賞

「新書大賞2021」が決定!

「新書大賞2021」が決定!

中央公論新社は2月10日、1年間に刊行されたすべての新書からその年”最高の一冊”を選ぶ「新書大賞2021」の受賞作を発表しました。

 

「新書大賞2021」が決定!

第14回にあたる「新書大賞2021」では、2019年12月~2020年11月に刊行された新書を対象に、有識者、書店員、各社新書編集部、新聞記者など112名からの投票の結果、次の通り大賞が決定しました。

 
<「新書大賞2021」大賞>

斎藤幸平(さいとう・こうへい)さん
『人新世の「資本論」』(集英社新書)

 
なお、2位から5位までの新書は以下の通りです。

◎第2位:宇野重規さん『民主主義とは何か』(講談社現代新書)
◎第3位:馬部隆弘さん『椿井文書』(中公新書)
◎第4位:藤野裕子さん『民衆暴力』(中公新書)
◎第5位:アンデシュ・ハンセンさん『スマホ脳』(新潮新書)

 
「新書大賞2021」の詳細は、2月10日発売の雑誌『中央公論』3月号に掲載されています。上位20冊のランキングと講評のほか、大賞受賞者・斎藤幸平さんへのインタビュー、有識者59名の2020年のオススメ新書などを収録。

★「新書大賞2021」特設HP:https://chuokoron.jp/shinsho_award/

 

「新書大賞2021」大賞受賞作『人新世の「資本論」』&受賞者・斎藤幸平さんについて

新書大賞に輝いたこれまでの作品は、第1回受賞作の福岡伸一さん著『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書)をはじめ、多くの人の記憶に残る名著の歴史でもあります。昨年9月に刊行された『人新世の「資本論」』も、あらたな社会=コモン型の社会の構想に対してSNSなどで共感の大きな輪が生まれ、また多くの識者も絶賛するなか、早くも20万部のベストセラーとなっています。

 
著者の斎藤幸平さんは、34歳の気鋭の経済思想家であり、国際的な賞「ドイッチャー記念賞」の最年少受賞者ですが、この新書大賞においても、歴代最年少の受賞となりました。

 
【『人新世の「資本論」』内容紹介】

人類の経済活動が地球を破壊する「人新世」=環境危機の時代。気候変動を放置すれば、この社会は野蛮状態に陥るだろう。それを阻止するためには資本主義の際限なき利潤追求を止めなければならないが、資本主義を捨てた文明に繁栄などありうるのか。いや、危機の解決策はある。ヒントは、著者が発掘した晩期マルクスの思想の中に眠っていた。世界的に注目を浴びる俊英が、豊かな未来社会への道筋を具体的に描きだす。

 
<斎藤幸平さん プロフィール>

1987年生まれ。大阪市立大学大学院経済学研究科准教授。

ベルリン・フンボルト大学哲学科博士課程修了。博士(哲学)。専門は経済思想、社会思想。

「Karl Marx’s Ecosocialism: Capital, Nature, and the Unfinished Critique of Political Economy」 (邦訳『大洪水の前に』/堀之内出版)によって権威ある「ドイッチャー記念賞」を日本人初、歴代最年少で受賞。同書は世界六カ国で翻訳刊行されている。

日本国内では、晩期マルクスをめぐる先験的な研究に対して学術振興会賞受賞。NHK『100分de名著』の『資本論』シリーズの解説役でも話題を呼んだ。マルクス・ガブリエル、マイケル・ハートらとの対談集『未来への大分岐』(集英社新書)などもベストセラーに。

 

「新書大賞」について

「新書大賞」は、中央公論新社が主催し、1年間に刊行されたすべての新書から、その年「最高の一冊」を選ぶ賞です。

前々年12月から前年11月までに発行された新書の中から、有識者、書店員、各社新書編集部、新聞記者の投票により1位から20位までの順位を決め、1位の作品が大賞となります。

なお、投票者は「読んで面白かった、内容が優れていると感じた、おすすめしたいと思った」5点を挙げ、1位10点、2位7点、3位5点、4位4点、5位3点で総合得点を集計。得点が同じ場合は1位の票数の多いものが上位となります。また、新書編集部については原則として編集長が投票し、公平を期すため自著、自社作品への投票は控えることになっています。

 

 
【関連】
新書大賞|中央公論.jp

 


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