本のページ

SINCE 1991

日経朝刊1面下のコラムは毎日こうして書いています――コラム担当者が綴る『「春秋」うちあけ話』が刊行

大島三緒さん著『「春秋」うちあけ話』

大島三緒さん著『「春秋」うちあけ話』

日本経済新聞のコラム「春秋」を担当する大島三緒さんの著書『「春秋」うちあけ話』が、日本経済新聞出版社より刊行されました。

日経新聞朝刊1面下のコラム「春秋」執筆歴15年の記者が、わずか550文字、4コマで構成するコラムにこめた思いを明かしています。

 

執筆歴15年の記者が明かす、4コマ550文字にこめた思い

朝日新聞「天声人語」、毎日新聞「余録」、読売新聞「編集手帳」、産経新聞「産経抄」、東京新聞「筆洗」……そして日経新聞は「春秋」。毎朝届く朝刊で最初に目にする記事という方も多いことでしょう。

 
本書ではまず、この1面コラムは100年以上前から存在し、地方紙、業界紙に至るまで新聞には不可欠であり、正岡子規や藤沢周平さんも書いていた歴史を紹介します。

共通しているのは、社説のファミリーであり批評精神が命ですが、目線を低くして、やさしい言い回しで紡ぐ短文であること。大切なのは「説く」よりも「語る」。時に感性や人情に訴えかける記事であるからこそ、自由に読んでもらえるよう見出しも署名もないのではといいます。

 
そのうえで、実際にどのように毎日の「春秋」を書いているのかを、過去に執筆した「春秋」を引きながら明かしていきます。

著者いわく、大上段に振りかぶらず、読者の目を引きやすい導入部で、イキのいいネタを手早く。時々のネタ探しから、構成や推敲、紙面になるまでを綴ります。まさに「うちあけ話」。どこで呻吟しているのかといった苦労話も興味をひきます。

 
本書では、著者が「春秋」の執筆を通して考えた、伝わる文章とはどういうものかにも触れています。大切なのは、言いたいことを言うために読後感に気をつけて文章を書くこと。ネット時代の実践的な文章術の本としても、また、やわらかい現代ジャーリズム論としても読める一冊です。

 

本書の構成

第1章 新聞1面コラムって何?
「小文字」のオピニオン/「説く」よりも「語る」/藤沢周平も書いていた……

第2章 コラム書きのある一日
悩み多き4コマ/本を読んでも映画を観ても/コラムはネットに頼れない……

第3章 コラム書きのコラム解剖
「嘆く」/「喜ぶ」/「見た」/「聞いた」/「行った」/手紙に託す……

第4章 コラムの中の作家たち
向田邦子/池波正太郎/永井荷風/太宰治/小津安二郎/阿久悠……

第5章 社会の中のコラム
コラムは「刺さる」/冷静と情熱/理解と誤解/令和ニッポンはどこへ……

第6章 コラム書きの文章作法
短く伝える/語彙力が勝負/紋切り型は悲し/辞書を引こう……

 

日本経済新聞社について

日本経済新聞社は1876年以来、140年にわたってビジネスパーソンに価値ある情報を伝えてきました。約1500人の記者が日々、ニュースを取材・執筆しています。

主力媒体である「日本経済新聞」の発行部数は現在約223万部、2010年3月に創刊された「日本経済新聞 電子版」の有料会員数に日経産業新聞や日経MJ、日経ヴェリタスの紙面ビューアー契約数、人事ウオッチ契約数を加えた「デジタル購読数」は74万で、有料・無料登録を合わせた会員数は400万を上回っています。

 

「春秋」うちあけ話 (日経プレミアシリーズ)
大島 三緒 (著)

日経1面コラム「春秋」を執筆して15年目の記者が、わずか550文字で完結するコラムをどのように構想し、どう文章化しているのか、その内幕と苦心談を綴った書。
コラム書きとしての世相の「斬り方」を明かすとともに、読後感のよい文章の書き方、社会人や学生の参考になる文章作法にもふれ、実用性も加味した文章読本的な性格も合わせ持っています。
ユニークな読みどころは第4章。向田邦子、池波正太郎、永井荷風、太宰治、阿久悠……錚々たる名文家の文章がなぜ頻繁にコラムで引用されるのか、その実例を挙げて解き明かすことで、人口に膾炙する「名文」とはいったいどういうものかが、誰にでもわかる平易な言葉で具体的に可視化されます。
本書を読むと、その日本語による「名文」の系譜に連なる新聞1面コラムをより興味深く読めるようになります。また、ちょっとした手紙を書く時などにも「使える」一冊です。

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です