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【第68回小学館児童出版文化賞】小手鞠るいさん『ある晴れた夏の朝』&田中清代さん『くろいの』&おくはらゆめさん『わたしといろんなねこ』が受賞

第68回小学館児童出版文化賞が決定!

第68回小学館児童出版文化賞が決定!

小学館は9月12日、第68回小学館児童出版文化賞の受賞作を発表しました。

 

第68回小学館児童出版文化賞が決定!

第68回小学館児童出版文化賞では、審査委員・作家・画家・写真家・各出版社・新聞社・児童文化団体・図書館・書店児童図書担当者・読者からの推薦を募り、それに事務局が収集した作品を加えて予備選考を行います。そこで選ばれた候補作を対象に、最終選考会が開催され、審査委員の荒井良二さん、今森光彦さん、鈴木のりたけさん、富安陽子さん、森絵都さんの5氏による審査の結果、次の通り受賞作が決定しました。

 
<第68回小学館児童出版文化賞>

◎小手鞠るい(こでまり・るい)さん
『ある晴れた夏の朝』(偕成社)

◎田中清代(たなか・きよ)さん
『くろいの』(偕成社)

◎おくはらゆめさん
『わたしといろんなねこ』(あかね書房)

 
受賞者の小手鞠るいさんと田中清代さん、おくはらゆめさんには、正賞としてブロンズ像、副賞として賞金100万円が贈られます。贈賞式は、11月14日に都内で開催予定。

※受賞作の概要、受賞者プロフィールなど詳細は、https://www.shogakukan.co.jp/sites/default/files/manual/20190912.pdf(PDF)をご覧ください。

 
なお、今回の候補作は以下の作品です。

【候補作品】 ※敬称略
◎『ある晴れた夏の朝』(小手鞠るいさん/偕成社)
◎『おうさまがかえてくる100びょうまえ!』(柏原佳世子さん/えほんの杜)
◎『おどりたいの』(豊福まきこさん/BL出版)
◎『おばあちゃん、わたしを忘れてもいいよ』(緒川さよさん/朝日学生新聞社)
◎『くろいの』(田中清代さん/偕成社)
◎『疾風の女子マネ!』(まはら三桃さん/小学館)
◎『どしゃぶり』(おーなり由子さん・はたこうしろうさん/講談社)
◎『ヒョウのハチ』(門田隆将さん・松成真理子さん/小学館)
◎『ぼくのたび』(みやこしあきこさん/ブロンズ新社)
◎『星の旅人 伊能忠敬と伝説の怪魚』(小前亮さん/小峰書店)
◎『みえるとか みえないとか』(ヨシタケシンスケさん/アリス館)
◎『むこう岸』(安田夏菜さん/講談社)
◎『わたしといろんなねこ』(おくはらゆめさん/あかね書房)

 

小学館児童出版文化賞について

小学館児童出版文化賞は、小学館が1952年に創業30周年を記念して創設。文学部門と絵画部門の2部門から構成されていましたが、1960年より小学館文学賞と小学館絵画賞に分離独立、1996年から発展的に統合し、現在の名称となっています。

同賞は、児童出版文化の向上に貢献すると認められる作品及び作家を毎年選定し顕彰。4月から翌年3月までに発表された絵本、童話・文学(フィクション・詩・シナリオなど)、その他(ノンフィクション・科学絵本・図鑑・事典など)の出版物(翻訳・キャラクター・コミックスなどは除く)で、幼年ならびに少年少女に推薦したい優れた作品を対象としています。

 

ある晴れた夏の朝
小手鞠 るい (著), タムラ フキコ (イラスト)

アメリカの8人の高校生が、広島・長崎に落とされた原子爆弾の是非をディベートする。肯定派、否定派、それぞれのメンバーは、日系アメリカ人のメイ(主人公)をはじめ、アイルランド系、中国系、ユダヤ系、アフリカ系と、そのルーツはさまざまだ。はたして、どのような議論がくりひろげられるのか。そして、勝敗の行方は?

【出版社からのコメント】
反戦をテーマにした児童文学は、ほぼその刊行国の視点で描かれる場合が通例だが、この作品は、日本人作家による、アメリカ側の視点で描かれた物語である。メインテーマは原爆の是非だが、それぞれの登場人物のおかれた立場から、真珠湾攻撃、日中戦争、ナチズム、アメリカマイノリティなどにも話が及ぶ。
「先の日本で行われた戦争とは、なんだったのか」
日本の若い読者にとっては、対戦国であったアメリカのいまの若者たちの姿を通して、客観的にこのことについて考えることができるだろう。
日本人作家による、YAジャンルのあたらしい試みともいえる作品。

くろいの
田中清代 (著)

ひとりで帰るいつもの道で、女の子が不思議ないきものをみつけます。どうやら、自分にしか見えていないみたいです。ある日、思いきって声をかけると、その “くろいの” は、台の上からおりてきて、とことこ歩きだしました。ついていくと、へいの穴からもぐりこんだのは、ほどよく古びた日本家屋。そこは、くろいのの家でした。 おしゃべりはしないまま、居心地のいい居間でお茶を飲んだあと、くろいのは女の子を、押し入れの中から屋根裏につれていってくれました。そこに広がっていたのは、暗闇の中にキノコやコケが光る幻想的な世界。ブランコやすべり台で思いきり遊んだあと、ふたりは大きな生きものの柔らかな毛なみにつつまれてぐっすり眠りました。お母さんの夢を見た女の子は、また、くろいのとともに居間にもどってきます。 わかれぎわ、くろいのは一輪の花をくれました。帰り道のとちゅうで、お父さんとばったり会った女の子は、ふたりでなかよく家にむかいます。 ひとりでいるときの子どもの心に優しく寄り添ってくれる不思議な生きもの、くろいの。そのくろいのとわたしの愛おしくなる出会いを描いたあたたかな絵本。

わたしと いろんなねこ
おくはら ゆめ (著)

あやは、大のねこ好きの小学3年生。両親は共働きで、学校が終わるとひとりで家に帰ります。仲よしのアッキーとはケンカをしてしまうし、知りあったばかりのさくらちゃんは会うとすぐににげてしまうし、まったくつまりません。そんなある日、いつもどおり家へ帰ると大きいねこが、またある日には小さいねこが現れました。日常とふしぎを往きかうなか、あやが思い出したことや、決心したこととは…? 絵本作家のおくはらゆめさんが、はじめて書き下ろした童話です。

 
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▼▼速報 第68回『小学館児童出版文化賞』が決定いたしました。〔PDF〕

 


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