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朝比奈あすかさん×北澤平祐さん『君たちは今が世界』刊行 「いま」を的確に捉えて挑む朝比奈さんの最新作は「子供たちが抱える生きづらさ」

朝比奈あすかさん著『君たちは今が世界(すべて)』

朝比奈あすかさん著『君たちは今が世界(すべて)』

朝比奈あすかさん著『君たちは今が世界(すべて)』が、KADOKAWAより刊行されました。

 

いつかのあなたが、きっと、この教室の中にいる

大伯母の戦争経験を記録したノンフィクション作品『光さす故郷へ』でデビュー後、小説に活躍の場を移した朝比奈あすかさん。
近年は、『憧れの女の子』で男女産み分け、『あの子が欲しい』で現代の就活、『人間タワー』で危険性が騒がれる組体操、『人生のピース』で婚活など、「いま」を的確に捉えて挑んできました。

社会的な題材を扱いながらも、みずみずしい登場人物描写とストーリーで、物語として読者を引き込む小説の巧みさには定評があり、本読みのプロである書評家や書店員のファンも多い作家です。

 
朝比奈さんが今回挑んだのは、教室という閉ざされた場所を「世界のすべて」として生きる子供たちが抱える生きづらさ。

小学6年生の教室が主な舞台ですが、同年代の子供たち、小学校時代を経た中・高・大学生や大人にも読んでいただきたい作品です。

 
装画は、書籍のほか広告やプロダクトパッケージ、最近は以前からイラストを担当する洋菓子店「フランセ」のサブブランド「レモンショップ」のロゴビジュアルなどでも話題になった北澤平祐さん(http://www.hypehopewonderland.com/)。

登場人物の小学生を、作中にも登場する「鳩」に仮託した、小説を読み終わってから眺めると発見が多数ある装画を描き下ろしています。

 
年齢問わず、目の前に見えている世界が自分のすべてだと感じ、そこから逃げ出したいと感じる人は多いはずです。本書は、成長し、どこまでも続く大人の世界を前向きに歩んでいくための、人生のエールのような一冊です。

 

『君たちは今が世界』内容紹介

<あらすじ>

「皆さんは、どうせ、たいした大人にはなれない」
六年三組の調理実習中に起きた、洗剤混入事件。犯人が名乗りでない中、担任の幾田先生が放ったその残酷な言葉は、子どもの世界に終わりと始まりを連れてきた。

いじられ役、優等生、『問題児』、クラスの女王の親友。教室での立ち位置がまったく違う4人は、苦悩と希望を抱えながら自分の居場所を必死に探し求めていて……。

教室がすべてだったあの頃の、まぶしさとしんどさがよみがえる。
いつかのあなたが、きっと、この教室の中にいる。著者渾身の感動作!

<目次>

◎第一章「みんなといたいみんな」 クラスのいじられ役・尾辻文也の物語
◎第二章「こんなものは、全部通り過ぎる」 中学受験を控えた優等生・川島杏美の物語
◎第三章「いつか、ドラゴン」 うまく言葉で気持ちを表現できず『問題児』とされている武市陽太の物語
◎第四章「泣かない子ども」 クラスの『女王』カナの親友・見村めぐ美の物語
◎エピローグ

<初出>
「いつか、ドラゴン」:『文芸カドカワ』2019年1月号
「泣かない子ども」:『文芸カドカワ』2019年4月号
その他は書き下ろしです。

 

朝比奈あすかさん プロフィール

撮影:鈴木慶子

撮影:鈴木慶子

著者の朝比奈あすか(あさひな・あすか)さんは、1976年生まれ。東京都出身。慶應義塾大学文学部卒業。

2000年、ノンフィクション『光さす故郷へ』を刊行。2006年、群像新人文学賞受賞作の『憂鬱なハスビーン』で小説家としてデビュー。

その他の著書に『彼女のしあわせ』『憧れの女の子』『不自由な絆』『あの子が欲しい』『自画像』『少女は花の肌をむく』など多数。

 

君たちは今が世界
朝比奈 あすか (著)

いつかのあなたが、きっと、この教室の中にいる。著者渾身の感動作!

みんなと、居たい。みんなは、痛い。
教室がすべてだったあの頃の、まぶしさとしんどさがよみがえる。
教室というちっぽけな王国の先に、本当の世界が待っている。

六年三組の調理実習中に起きた、洗剤混入事件。
犯人が誰も名乗りでない中、担任の幾田先生はクラス全員にある言葉を言い放ち、去っていった。
先生の残酷な言葉は、誰かが守ってくれる子どもの世界に終わりを連れてくる。
いじられ役、優等生、『問題児』、クラスの女王の親友。
教室での立ち位置がまったく違う4人は、苦悩と希望を抱えながら自分の居場所を必死に探し求めていて……。

 


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