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第41回「講談社 本田靖春ノンフィクション賞」最終候補作が決定! 門田隆将さん、河合香織さん、近藤雄生さん、松本創さん、森功さんの計5作品

講談社は5月30日、令和元年度(第41回)「講談社 本田靖春ノンフィクション賞」の最終候補作品を発表しました。

 

第41回「講談社 本田靖春ノンフィクション賞」最終候補作品が決定

第41回「講談社 本田靖春ノンフィクション賞」の最終候補作品は次の通りです。なお、受賞作は7月25日に決定する予定です。

 
【第41回「講談社 本田靖春ノンフィクション賞」最終候補作品】

◎門田隆将(かどた・りゅうしょう)さん
『オウム死刑囚 魂の遍歴 ~井上嘉浩 すべての罪はわが身にあり』(PHP研究所)

◎河合香織(かわい・かおり)さん
『選べなかった命 出生前診断の誤診で生まれた子』(文藝春秋)

◎近藤雄生(こんどう・ゆうき)さん
『吃音 伝えられないもどかしさ』(新潮社)

◎松本創(まつもと・はじむ)さん
『軌道 福知山線脱線事故 JR西日本を変えた闘い』(東洋経済新報社)

◎森功(もり・いさお)さん
『地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団』(講談社)

 

「講談社 本田靖春ノンフィクション賞」について

「講談社 本田靖春ノンフィクション賞」は、講談社が主催するノンフィクションを対象とした文学賞です。1979年に創始された「講談社ノンフィクション賞」を今回より改称。

講談社が2019年に創業110周年という節目の年を迎えるにあたり、戦後日本を代表するノンフィクションの書き手の一人・本田靖春さん(1933~2004)の名を冠することとなりました。ちなみに、本田さん自身も第6回講談社ノンフィクション賞の受賞者です。

 

オウム死刑囚 魂の遍歴 井上嘉浩 すべての罪はわが身にあり
門田隆将 (著)

遺された「獄中手記」5000枚が明かす驚愕の真実――。

想像を絶する事件を次々と引き起こし、多くの犠牲者を生んだオウム真理教。若者たちは、いかに教団に魅入られ、なぜ犯罪へと走っていったのか。教団で見たものとは。そして獄中の絶望と反省の日々の中で辿り着いた境地とは――。

本書は、「修行の天才」「神通並びなき者」と呼ばれ、千人もの信者を獲得したと言われる“アーナンダ”こと井上嘉浩の48年の生涯を通して、オウム事件の核心に迫った「究極の人間ドラマ」である。

なぜ、井上嘉浩なのか――。井上への取材は、オウム事件当時(1995年)にさかのぼる。『週刊新潮』デスクだった著者に公安刑事が語った「いざという時に、井上は殺人から“逃げている”」という言葉から始まった。

高校生の頃から瞑想や信仰に熱心だった井上嘉浩は、ふとしたことからオウムに出会い、巧みに洗脳され、はまり込んでいく。やがて、教祖・麻原から死に直面するほどの様々な苛烈な試練を受け、苦悩と葛藤の果てに、遂に犯罪に手を染める……。

逮捕後、両親の懸命の支えで良心を取り戻した井上は、頭痛、嘔吐、蕁麻疹という凄絶な拒絶反応を乗り越えた末に、教団から脱会。裁判では、教祖や教団と対決する。だがその結果、四面楚歌の境涯に置かれ、マスコミも含めた“総バッシング状態”となる。

それでも、真実を語ることを説き続ける両親や支援者たち。井上嘉浩が遺した膨大な手記と、綿密な取材から浮かび上がってくるのは、罪を犯した者が味わう、のたうちまわるような「苦悩」と、誰もが闇に堕ちてしまうかもしれない「恐怖」である。

だからこそ、「極限の状況下で、人間としていかに生きるべきか」という問いが眼前に浮かび上がり、心が揺さぶられる。

さらに本書では、井上が獄中から思いを寄せた女性に、処刑後3週間を経て、消印が捺されていない絶筆の書簡が届くエピソードなど、さまざまな秘話が明かされる。

カルトによる悲惨な事件を二度と引き起こさないためにも、ぜひ手に取りたい、人間の心の深奥に迫る傑作ノンフィクション。

選べなかった命 出生前診断の誤診で生まれた子
河合 香織 (著)

その女性は、出生前診断を受けて、「異常なし」と医師から伝えられたが、生まれてきた子はダウン症だった。函館で医師と医院を提訴した彼女に会わなければならない。裁判の過程で見えてきたのは、そもそも現在の母体保護法では、障害を理由にした中絶は認められていないことだった。ダウン症の子と共に生きる家族、ダウン症でありながら大学に行った女性、家族に委ねられた選別に苦しむ助産師。多くの当事者の声に耳を傾けながら選ぶことの是非を考える。出生前診断をめぐる様々な当事者たちの声からつむぐノンフィクション。

吃音: 伝えられないもどかしさ
近藤 雄生 (著)

国内に100万人―それぞれを孤独に追いやる「どもる」ことの軋轢とは。頭の中に伝えたい言葉ははっきりとあるのに、相手に伝える前に詰まってしまう―それが吃音だ。店での注文や電話の着信に怯え、コミュニケーションがうまくいかないことで、離職、家庭の危機、時に自殺にまで追い込まれることさえある。自らも悩んだ著者が、80人以上に丹念に話を聞き、当事者の現実に迫るノンフィクション!

軌道 福知山線脱線事故 JR西日本を変えた闘い
松本 創 (著)

乗客と運転士107人が死亡、562人が重軽傷を負った2005年4月25日のJR福知山線脱線事故。
妻と実妹を奪われ、娘が重傷を負わされた都市計画コンサルタントの淺野弥三一は、なぜこんな事故が起き、家族が死ななければならなかったのかを繰り返し問うてきた。
事故調報告が結論付けた「運転士のブレーキ遅れ」「日勤教育」「ATS-Pの未設置」等は事故の原因ではなく、結果だ。
国鉄民営化から18年間の経営手法と、それによって形成された組織の欠陥が招いた必然だった。

「組織事故」を確信した淺野は、JR西日本自身による原因究明と説明、そして、組織と安全体制の変革を求める。
そのために遺族感情も責任追及も封印し、遺族と加害企業による異例の共同検証を持ち掛けた。

淺野の思いに呼応し、組織改革に動いた人物がいた。事故後、子会社から呼び戻され、初の技術屋社長となった山崎正夫。
3年半でトップを退くが、その孤独な闘いは、JR西日本という巨大組織を、長年の宿痾からの脱却へと向かわせた。
それは、「天皇」井手正敬の独裁に依存しきった組織風土、さらには、国鉄改革の成功体験との決別だった。

淺野と山崎。
遺族と加害企業のトップという関係ながら、同世代の技術屋ゆえに通じ合った2人を軸に、巨大組織を変えた闘い、鉄道の安全を確立する闘いの「軌道」を描く。
そこから見えてきたのは、二つの戦後史の「軌道」だった──。

地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団
森 功 (著)

あの積水ハウスが、なぜ巨額の地面師詐欺に引っかかったのか?
あなたの土地を地面師たちが狙っている!

「積水ハウスが地面師に55億円以上を騙し取られた」というニュースに日本中が驚いた。
そもそも、地面師とはなんなのか。
「不動産の持ち主になりすまし、勝手に不動産を転売して大儲けする」詐欺集団で、いま日本中に跋扈している。
騙されるのは、デベロッパーや不動産業者などの「プロ」たち。被害者の中には積水ハウスを筆頭に、信じられないような大手が含まれている。
積水ハウスは五反田駅前の旅館「海喜館」の土地建物を70億円で購入したが、なんとその土地取引は完全な「なりすまし詐欺」。被害があまりに巨額だったため、この事件が会長追い落としのクーデターに利用される後日談もあった。また、飛ぶ鳥を落とすあのアパグループも、赤坂溜池の駐車場を12億円で買ったつもりが、これまた地面師詐欺で全額減損処理を余儀なくされた。
名だたるプロがコロッとダマされる地面師の手口は実に巧妙で複雑だ。詐欺集団の実態とその犯行の内実を知ることしか、詐欺から身を守る方法はない。

 
【関連】
令和元年度(第41回)講談社 本田靖春ノンフィクション賞 最終候補作品決定のお知らせ〔PDF〕

 


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