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【訃報】詩人・フランス文学者の入沢康夫さんが死去 「ネルヴァル全集」翻訳や「校本宮沢賢治全集」編集など

詩人・フランス文学者の入沢康夫(いりさわ・やすお)さんが、10月15日死去しました。86歳。島根県松江市出身。葬儀は親族のみで営みました。

 
入沢康夫さんは、1931年生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。東京大在学中から詩を作り始め、詩集『倖せ それとも不倖せ』を刊行。『季節についての試論』でH氏賞、『わが出雲・わが鎮魂』で読売文学賞、『死者たちの群がる風景』で高見順賞、『漂ふ舟』で現代詩花椿賞、『入澤康夫〈詩〉集成 1951-1994』『唄 遠い冬の』の詩作で毎日芸術賞、『遐い宴楽』で萩原朔太郎賞、『アルボラーダ』で詩歌文学館賞を受賞するなど受賞歴多数。1998年には紫綬褒章を受章。

 
19世紀のフランス詩の研究や宮沢賢治研究などでも知られ、「ネルヴァル全集」の翻訳や「校本宮沢賢治全集」の編集にも尽力。宮沢賢治学会イーハトーブセンターの初代代表理事も務めました。元・明治大学教授。

 
詩集に『夏至の火』『水辺逆旅歌』『かりのそらね』など、評論に『詩の構造についての覚え書』『詩の逆説』『ネルヴァル覚書』『宮沢賢治 プリオシン海岸からの報告』『「ヒドリ」か、「ヒデリ」か』『ナーサルパナマの謎』など。

 

遐い宴楽(とほいうたげ)
わたしは誰? 誰? 誰? だれなの? そして ここ ここはどこ? どこなの?(「旅する私-四谷シモン展に寄せて」) 97年から2001年にかけて各誌で発表された11篇の詩を収める。

 
かりのそらね
「現代詩手帖」好評連載「偽記憶」と、同誌に一挙に掲載されて話題を呼んだ長篇詩「かはづ鳴く池の方へ」が、『わが出雲・わが鎮魂』への自らの回答として合わせ鏡のようにひとつに綴じられる。仮構された故郷への10篇の「思ひ出」、隠岐の島に重層化された後鳥羽院にまつわる「虚」―入沢康夫の屹立する現在。

 
アルボラーダ
凍つた埠頭に黒い貨車が動いて行く/午後だ幾千の光の途惑ひ/卓上の水仙の衰弱は/ぼくの左肩をも痺れさせる 2001年から2005年にかけて各誌で発表された詩を収めた詩集。

 


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