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【第24回中山義秀文学賞】帚木蓬生さん『守教』が受賞

中山義秀顕彰会(会長:鈴木和夫白河市長)は、「孤高の文士」と云われた芥川賞作家・中山義秀さんを顕彰し、優れた日本の歴史小説・時代小説に贈られる第24回中山義秀文学賞の受賞作を発表しました。

 

第24回中山義秀文学賞が決定!

第24回中山義秀文学賞の最終選考会は11月11日、「公開」にて白河市図書館りぶらん多目的ホールで開催され、次の通り受賞作が決定しました。

選考委員は、高橋義夫さん、中村彰彦さん、朝井まかてさん、清原康正さん。

 
■第24回中山義秀文学賞
帚木蓬生(ははきぎ・ほうせい)さん
『守教(上・下)』(新潮社)

 
文学賞贈呈式および受賞者による記念講演会は、2019年2月3日13時30分より「白河市立図書館りぶらん多目的ホール」において開催予定です。

 
なお、最終候補作は、以下の3作品でした。

【最終候補作】
『騎虎の将 太田道灌 (上・下)』(幡大介さん/徳間書店)
『虎の牙』(武川佑さん/講談社)
『守教 (上・下)』(帚木蓬生さん/新潮社)

 

中山義秀文学賞について

中山義秀文学賞は、大信村(現・白河市大信)で1993年4月に「中山義秀記念文学館」が開館したことを記念して創設された文学賞です。主催は、同文学館に事務局を置く中山義秀顕彰会、共催は白河市および中山義秀記念文学館です。

前年4月1日より当年3月31日までに刊行された、日本の歴史を素材とした文学作品(歴史・時代小説)の中から、もっとも優れた作品に授与されます。受賞者には、正賞、副賞として賞金100万円、大信特産米のコシヒカリ1俵などが贈られます。

なお、第9回からは公開選考を行っています。

 

■『守教 (上・下)』
隠れキリシタンたちの魂の叫びが、甦る! 慟哭の歴史巨編! 戦国期の伝来から、弾圧を経て、江戸時代の終わりまで。九州のその村に、隠れつづけたキリシタンたち。殉教する者、転ぶ者、密告する者。史実をもとに、命を賭けて信じ続けた村人たちの姿を、過酷な状況を、残酷な処刑を、心の迷いを、温かい視線で描ききった落涙必至の歴史小説。あなたの知らなかった真実が、ここにはある!

守教 上
初めてだった。これほどに、自分を認めてくれる教えは。だから、信じることに決めた。百姓たちは、苦しい日々を生き抜くためにキリシタンになった。なにかが変わるかもしれないという、かすかな希望。手作りのロザリオ。村を訪れた宣教師のミサ。ときの権力者たちも、祈ることを奨励した。時代が変わる感触がそのときは、確かにあった。しかし―。感涙の歴史巨編。戦国期から開国まで。無視されてきたキリシタン通史。

 
守教 下
教えを棄てた。そう偽り、信念を曲げず、隠れ続けたキリシタンたち。密告の恐怖。眼前でおこなわれる残虐な処刑。なんのために、信じているのか?そう迷うこともあった。だが。九州のその村には、おびえながらも江戸時代が終わるまで決して逃げなかった者たちがいた。隠れ、そして信じ続けた者たちがいた。いままで誰も描きえなかった美しく尊い魂の記録。慟哭の隠れキリシタン秘史。

 
【関連】
第24回中山義秀文学賞の決定 | 白河市公式ホームページ

 


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