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【訃報】俳人・岡本眸さんが死去 毎日俳壇選者、俳人協会副会長など

俳人の岡本眸(おかもと・ひとみ=本名:曾根朝子)さんが9月15日、老衰のため死去しました。90歳。東京都出身。葬儀・告別式は近親者で行ないました。

 
岡本眸さんは、1928(昭和3)年生まれ。聖心女子学院(現・現聖心女子大学)を卒業。富安風生、岸風三楼に師事。1971年に第1句集『朝』で俳人協会賞を受賞。1980年に俳誌「朝」を創刊し主宰。1984年に句集『母系』で現代俳句女流賞を、句集『午後の椅子』で2007年に蛇笏賞、2008年に毎日芸術賞を受賞。1989年から2000年まで毎日俳壇選者。俳人協会の副会長を経て顧問に。

句集に『十指』『手が花に』『自愛』『一つ音』『流速』など、著書に『栞ひも』『俳句は日記』など。

 

午後の椅子―岡本眸句集
「俳句は日記」という信条のとおり、著者は日々の暮しの小さなことを両手ですくい上げて慈しむ。身辺に向けるあたたかな眼差しをとおして詩情溢れる作品が生まれる。待望の第十句集。

温めるも冷ますも息や日々の冬
花種を蒔き常の日を新たにす
青蘆に古沼の照の押しわたる
幼きへ木の実わかちて富むごとし
きのふより今日枯深し飯白し
覚めてまだ今日を思はず白障子
浮氷見てゐる自由時間かな
子の部屋へクレヨン借りに秋の蝉
子探しに似て黄落の木より木へ
ひらとYシャツ葉桜の昼餉どき
薔薇咥へけり一輪をさらに剪る
身を包む紺の深さも帰燕以後
初電車待つといつもの位置に立つ
川幅に水が窮屈きんぽうげ

 
栞ひも
俳句とは、日々の生活から生まれる哀歓の情を日記のように書き綴ること。エッセイもまた、平凡な日常のいのちの記録であり、季節と生活への恋文である。名文家として知られる女性俳句第一人者の感動的な俳句随想76編。蛇笏賞受賞俳人の珠玉エッセイ集。

 


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