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【鮎川信夫賞】荒川洋治さんの『北山十八間戸』と伊藤浩子さんの『未知への逸脱のために』に決定

第8回鮎川信夫賞は、3月3日に日本出版クラブ会館で選考会が行われ、荒川洋治さんの詩集『北山十八間戸』(気争社)と、伊藤浩子さんの詩集『未知への逸脱のために』(思潮社)に決定しました。

賞金は各25万円。贈呈式は4月7日に東京都千代田区のアルカディア市ケ谷で開催されます。

 
鮎川信夫賞は、鮎川信夫現代詩顕彰会が主催。戦後の現代詩を代表する詩人の鮎川信夫さんにちなみ、時代に向き合うすぐれた詩集・詩論集に贈られる文学賞です。2009年に『現代詩手帖』の創刊50周年を契機に創設。

 
賞の対象は、2016年1月1日から12月31日までに刊行された詩集、及び詩論集(ただし翻訳、再版、選集、外国語によるものは除く)のうち、公募と推薦のあった104冊。第1次選考を経て、以下の10冊が最終候補作品となっていました。

 
【第8回鮎川信夫賞 最終候補作品】
荒川洋治さん『北山十八間戸』(気争社)
井川博年さん『夢去りぬ』(思潮社)
伊藤浩子さん『未知への逸脱のために』(思潮社)
岩成達也さん『森へ』(思潮社)
最果タヒさん『夜空はいつでも最高密度の青色だ』(リトルモア)
山田亮太さん『オバマ・グーグル』(思潮社)
亀井俊介さん『日本近代詩の成立』(南雲堂)
近藤洋太さん『詩の戦後――宗左近/辻井喬/粟津則雄』(書肆子午線)
樋口良澄さん『鮎川信夫、橋上の詩学』(思潮社)
矢野静明さん『日本モダニズムの未帰還状態』(書肆山田)

 
今回の選考委員は北川透さんと吉増剛造さん。「受賞のことば」「選考経過」などの詳細は雑誌『現代詩手帖 4月号』(3月28日発売予定)に掲載されます。

 
荒川洋治さんは、1971年に第1詩集『娼婦論』を刊行。以後、『水駅』(H氏賞)、『渡世』(高見順賞)、『空中の茱萸』(読売文学賞)、『心理』(萩原朔太郎賞)など、多数の詩集の発表。『文芸時評という感想』(小林秀雄賞)などエッセイや評論集も多く、昨年『過去をもつ人』で毎日出版文化賞書評賞を受賞しています。

 
伊藤浩子さんは、2008年に第1詩集『名まえのない歌』を刊行。ほかに、詩集『wanderers』『undefined』があります。

 

未知への逸脱のために
やがておとずれる一切を予感し くろかみは償いはじめる 「すべてを読み終わってもう一度、ここに帰ってきたとき、この詩人が再起ということをイエスの復活にもにた事柄として受け止めていることに気づくだろう」(神山睦美)。 「女という無限の意味を発生させる装置―まさに「MOTHER MACHINE」―について、なお伊藤浩子という稀な才能を追尾してみなければならぬ」(野村喜和夫)。 声なき声、形なき言葉が、孤独や沈黙の闇をくぐりぬけ、 いまあらたな存在として再帰する。
詩と散文のあわいで無限に枝分かれしつづける20篇。

 
【関連】
思潮社 編集部から ≫ 第8回鮎川信夫賞が決定しました!
思潮社(@shichosha) | Twitter
伊藤浩子(@hirokoitou) | Twitter

 


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