本のページ

SINCE 1991

【第17回新潮ドキュメント賞&小林秀雄賞】新潮ドキュメント賞は古川勝久さん 小林秀雄賞は南直哉さん

新潮社は8月24日、第17回新潮ドキュメント賞および第17回小林秀雄賞の選考結果を発表しました。

両賞とも、受賞作には記念品および副賞として100万円が贈られます。贈呈式は10月12日、都内にて開催。

 

第17回新潮ドキュメント賞 受賞作品

第17回新潮ドキュメント賞は、次の通り決定しました。

 
■第17回新潮ドキュメント賞
古川勝久(ふるかわ・かつひさ)さん
『北朝鮮 核の資金源―「国連捜査」秘録―』(新潮社)

 
受賞者の古川勝久さんは、1966年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。米国ハーバード大学ケネディ政治行政大学院(国際関係論・安全保障政策)にて修士号取得。安全保障問題専門家。受賞作は初の単著。

 
選考委員は、池上彰さん、梯久美子さん、櫻井よしこさん、藤原正彦さん、保阪正康さん。

授賞理由など詳細は、http://www.shinchosha.co.jp/prizes/documentsho/ をご覧ください。

 
なお、第17回新潮ドキュメント賞の候補作は以下の5作品でした。

【新潮ドキュメント賞 候補作】
『安楽死を遂げるまで』(宮下洋一さん/小学館)
『ルポ川崎』(磯部涼さん/サイゾー)
『北朝鮮 核の資金源―「国連捜査」秘録―』(古川勝久さん/新潮社)
『軌道 福知山線脱線事故 JR西日本を変えた闘い』(松本創さん/東洋経済新報社)
『ノモレ』(国分拓さん/新潮社)

 

第17回小林秀雄賞 受賞作品

第17回小林秀雄賞は、次の通り決定しました。

 
■第17回小林秀雄賞
南直哉(みなみ・じきさい)さん
『超越と実存 ―「無常」をめぐる仏教史―』(新潮社)

 
受賞者の南直哉さんは、1958年長野県長野市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。曹洞宗の禅僧。青森県恐山菩提寺院代(住職代理)、福井県霊泉寺住職。1984年に出家得度し、同年より大本山永平寺に入山、同寺で約20年修行生活をおくり、2013年下山。2005年より恐山に入山。

 
選考委員は、加藤典洋さん、関川夏央さん、橋本治さん、堀江敏幸さん、養老孟司さん。

授賞理由など詳細は、http://www.shinchosha.co.jp/prizes/kobayashisho/ をご覧ください。

 

新潮ドキュメント賞および小林秀雄賞について

新潮ドキュメント賞と小林秀雄賞は、ともに財団法人「新潮文芸振興会」が主催。以前は、新潮学芸賞の名称で2001年まで開催されていましたが、2002年からノンフィクションを対象とする新潮ドキュメント賞と、評論・エッセイを対象とする小林秀雄賞とに分離しています。

新潮ドキュメント賞はノンフィクションを対象とし、「ジャーナリスティックな視点から現代社会と深く切り結び、その構成・表現において文学的にも良質と認められる作品」に授与される文学賞です。

小林秀雄賞は、フィクション(小説・戯曲・詩歌等)以外で「自由な精神と柔軟な知性に基づいて新しい世界像を呈示した作品」に授与されます。

両賞とも第17回は、平成29年7月1日から平成30年6月30日までを対象期間としています。

 

北朝鮮 核の資金源:「国連捜査」秘録
「最強制裁」を掲げるこの日本も、抜け穴だらけだった。
テロ国家は決して孤立などしていないのだ──。
国連制裁の最前線で北朝鮮を追いつめた男、衝撃の告発。

厳しい国際包囲網の中、なぜ彼らは核兵器や米国にまで届くミサイルを開発できるのか。
国連安保理の最前線で捜査にあたった著者が直面したのは、国連安保理常任理事国の足もとにまで張り巡らされた犯罪ネットワーク、それを駆使して戦闘機やミサイルすら密輸する非合法ビジネス、そして組織の中核で暗躍する日本人の存在だった──。
北朝鮮の急所を抉り出すスクープノンフィクション!

 
超越と実存 「無常」をめぐる仏教史
私とは何か。死とは何か。仏教とは何か――。
全身全霊の問いから始まった仏教探求の旅。ブッダから道元までの思想的変遷を読み解く、仏教史の哲学。

「諸行無常(=すべての “実存” は無常である」。そうブッダが説き始まった仏教は、インドから中国、そして日本へと伝わる過程で、「仏性」「唯識」「浄土」などの「超越的理念」と結びつき、大きく変化していった――。
「私がねらうのは、ゴータマ・ブッダに淵源する、私が最もユニークだと思う考え方が、その後の言説においてどのように扱われ、意味づけられ、あるいは変質したかを見通すことである。(中略)無常という言葉の衝撃から道元禅師の『正法眼蔵』に出会い、果てに出家した自分の思想的遍歴を総括しようとするものである」(序章「問いの在りか」より)

「恐山の禅僧」が、ブッダから道元までの思想的変遷を「超越と実存の関係」から読み解く、かつてない仏教史の哲学。

 
【関連】
新潮ドキュメント賞 | 新潮社
小林秀雄賞 | 新潮社
第17回新潮ドキュメント賞の候補作が決定 | 本のページ

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です