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【訃報】ノーベル賞作家ナイポールさんが死去 『イスラム紀行』『ある放浪者の半生』『暗い河』など

イギリスのノーベル文学賞作家・V・S・ナイポール(V.S.Naipaul)さんがロンドンの自宅で死去しました。85歳。

 
ナイポールさんは、1932年、西インド諸島のトリニダード・トバゴでインド系移民の3世として生まれます。1950年に渡英し,オックスフォード大学を卒業。BBC (イギリス放送協会) 勤務を経て、小説家・評論家として活躍。イスラム諸国など第三世界を描いたノンフィクションや小説を多数発表。

1971年『自由の国で』で英国最高峰の文学賞「ブッカー賞」を、2001年にノーベル文学賞を受賞するなど、受賞歴多数。

著書に『ビスワス氏の家』『イスラム紀行』『イスラム再訪』『ある放浪者の半生』『暗い河』、インド3部作『インド・闇の領域』『インド・傷ついた文明』『インド・新しい顔』など。

 

イスラム紀行 (上)
流血の革命直後、ラマダーン月の断食が続く埃にまみれたテヘランの町から、旅は始まった。イランからパキスタン、マレーシア、さらにはインドネシアへ。
「革命の殺し屋」ハルハリから無名の一市民まで、夥しい数のムスリムと対話を重ねながら異文化の地をたずね歩く。巧みな語り口に、イスラム国の空気が臨場感をもって迫る。

 
自由の国で (V.S.ナイポール・コレクション 3)
現代のわれわれは、ポストコロニアル=植民地独立後の世界を生きている。だが手にした「独立」とは何を意味するのか?「自由」は果たして自明の価値なのか?自由になったはずの人びとが抱える葛藤と矛盾と焦燥とを、驚異的な密度で描き出す。途方もなく壮大なテーマに作家ナイポールが五つの切り口から挑んだ意欲作。一九七一年度ブッカー賞受賞作に二作品を加えた完全版。

 


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