【第35回渋沢・クローデル賞】新居洋子さん『イエズス会士と普遍の帝国』が受賞 奨励賞に鳥山定嗣さん
公益財団法人「日仏会館」は、第35回(2018年度)渋沢・クローデル賞の受賞者を発表しました。
第35回(2018年度)渋沢・クローデル賞(日本側)発表
第35回渋沢・クローデル賞の受賞者は、以下の通り決定しました。なお、授賞式は7月6日(金)16時から日仏会館ホールにて開催されます。
■本賞
新居洋子さん(日本学術振興会/特別研究員PD)
『イエズス会士と普遍の帝国 在華宣教師による文明の翻訳』(名古屋大学出版会)
■奨励賞
鳥山定嗣さん(九州大学専門研究員)
『ヴァレリーの『旧詩帖』 初期詩篇の改変から詩的自伝へ』(水声社)
渋沢・クローデル賞とは
公益財団法人日仏会館が1984年に創立60周年を迎えたのを機に、創立者である渋沢栄一とポール・クローデルの二人を記念して、同会館と毎日新聞社との共催で、渋沢・クローデル賞が創設されました。これは日仏両国において、それぞれ相手国の文化に関してなされたすぐれた研究成果に対して贈られます。なお、2008年度より、読売新聞社が毎日新聞社に代わり共催に加わっています。在日フランス大使館が後援、渋沢栄一記念財団、帝京大学が協賛。
両国でそれぞれ1名が受賞し、受賞者には日本・フランス間往復航空券と、相手国での一ヶ月間の滞在費が贈呈されます。
カトリック拡大のため東方に渡った宣教師らが、巨大な清朝に見出したものは何か。中国古来の世界像や学術は、キリスト教の教義や勃興する科学と結びつくのか。共通言語から統治体制や歴史編纂まで、新たな帝国像を描き出した18世紀のアミオを軸に、多言語史料から「文明の翻訳」の実相を捉える力作。
ヴァレリーの『旧詩帖』: 初期詩篇の改変から詩的自伝へ
文学を一度放棄し、『若きパルク』で詩作に回帰した詩人ヴァレリー。
約20年におよぶ「沈黙期」に橋を架けたのは、初期の詩集『旧詩帖』だった。
四半世紀にわたる改変の作業を丁寧に辿ることにより、自らの過去を書きかえ続ける作家ヴァレリーの〈詩的自伝〉を問う。
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▼第35回(2018年度)渋沢・クローデル賞日本側発表 – 日仏会館