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【読売文学賞】リービ英雄さん、ケラリーノ・サンドロヴィッチさん、梯久美子さんなどが受賞

読売新聞社が主催する第68回(2016年度)読売文学賞が2月1日に発表され、『星条旗の聞こえない部屋』で野間文芸新人賞を受賞、法政大学国際文化学部教授も務めるリービ英雄さんの『模範郷』などが選ばれました。

 
読売文学賞は、戦後の文芸復興の一助とするため、1949年(昭和24年)に創設されました。「小説」、「戯曲・シナリオ」、「評論・伝記」、「詩歌俳句」、「研究・翻訳」、「随筆・紀行」の全6部門があり、前年の作品から最も優れた作品を選んで表彰します。
なお、「随筆・紀行」は第19回から加わり、第46回からは「戯曲」を「戯曲・シナリオ」部門に改めています。

毎年11月に既受賞者をはじめ、文芸界の関係者に文書で推薦を依頼し、12月に第1次選考会、1月に最終選考会を行い、2月に受賞作品を発表しています。

 
今回の受賞者は、以下の方々です。〔敬称略〕

・小説賞: リービ英雄(りーび・ひでお)『模範郷』(集英社)

・戯曲・シナリオ賞:ケラリーノ・サンドロヴィッチ『キネマと恋人』(上演台本)

・随筆・紀行賞: 今福龍太(いまふく・りゅうた)『ヘンリー・ソロー 野生の学舎』(みすず書房)

・評論・伝記賞: 梯久美子(かけはし・くみこ)『狂うひと 「死の棘」の妻・島尾ミホ』(新潮社)

・詩歌俳句賞: ジェフリー・アングルス 詩集『わたしの日付変更線』(思潮社)

・研究・翻訳賞: 塩川徹也(しおかわてつや)・訳 パスカル『パンセ』全3冊(岩波書店)

 
また、選考委員は、以下の方々です。〔敬称略〕

池澤夏樹(作家)、伊藤一彦(歌人)、小川洋子(作家)、荻野アンナ(作家、仏文学者)、川上弘美(作家)、川村湊(文芸評論家)、高橋睦郎(詩人)、辻原登(作家)、沼野充義(文芸評論家、ロシア・東欧文学者)、野田秀樹(劇作家)、松浦寿輝(詩人、作家、批評家)、渡辺保(演劇評論家)。

 
受賞者には正賞の硯(すずり)と副賞の200万円が贈られます。

 

模範郷
「ぼく」はここ何年も中国大陸の内陸部へ通っていた。それは、「あの時代の台湾はもう台湾にはない」と知人に言われ、幼少期に住んでいた台湾の、模範郷と呼ばれた故郷の面影を中国内陸部に見つけるためだった。
そんなとき、「ぼく」は、台湾の大学で教鞭を執る日本人研究者から、「あなたが子どものころに住んでいた家を探してみないか」という手紙を受け取り、ついに約半世紀ぶりに故郷を訪ねることを決意した。
濃密な文体と混淆する記憶が紡ぐ、〈時〉の旅人の物語。
故郷である台湾への思い、両親の記憶、ライフワークである中国への旅、そして作家自身の出自など、リービ英雄が一貫して追求してきたテーマが、濃密な文章で一冊に凝縮された最新作。

 
ヘンリー・ソロー 野生の学舎
アメリカでもっとも著名で独創的な思想家、ヘンリー・ソロー。ウォールデン湖畔に自ら建てた小屋で自給自足し、森を毎日何時間も歩く、たった独りの生活を送った。奴隷制に反対し、2冊の本を刊行し、44歳で生涯を終えた。
森で結実したその思索は、現代社会の危機とそこに生きる人間のありかたを示唆し、世界に大きな影響を与えた。
歩くこと、孤独、自然、市民、共同体…『コンコード川とメリマック川の一週間』『ウォールデン』『散策』『メインの森』『ケープコッド』『社会改革論集』そして膨大な日記に誘われ、本書はその思索のエッセンスを発見する。
2017年は、ソローの生誕200年にあたる。急激な産業化と社会の激動の中で、真に自由な生き方を考え続けたソローのすべてをそっと手渡す一書。

 
狂うひと ──「死の棘」の妻・島尾ミホ
戦後文学史に残る伝説的夫婦の真実に迫り、『死の棘』の謎を解く衝撃大作。
島尾敏雄の『死の棘』に登場する愛人「あいつ」の正体は? あの日記には何が書かれていたのか。
ミホの書いた「『死の棘』の妻の場合」は、なぜ未完成なのか。そして本当に狂っていたのは妻か夫か──。
未発表原稿や日記、手紙等の膨大な新資料によって、不朽の名作の隠された事実を掘り起こし、妻・ミホ生涯を辿る、渾身の決定版評伝。

 
わたしの日付変更線
というのも わたしは どこにも属していない 過去にも 未来にも ひょっとしたら 現在にも (「日付変更線」) 境域の日本語詩集! 「僕がいちばん惹かれ、羨ましく思うのは、「たがいに歩みよる分身同士」とも言うべきモチーフである」(柴田元幸) 「詩という土地で、ジェフリー・アングルスはようやく「一つ身」になる」(小池昌代) 「二つの異言語間にどんなエロティシズムが成立しうるかの実験といっていいだろう」(高橋睦郎) 気鋭のアメリカ人日本文学者が放つ、境域の日本語詩集! 装幀=奥定泰之

 
パンセ(下) (岩波文庫)
本巻には、1654年11月23日夜半の決定的な回心の経験を書きとめた「メモリアル」等、「写本」に収録されていない〈パンセ〉を収録。付録として、ポール・ロワイヤル版の序文、重要な断章を精選した『パンセ』アンソロジー、主要な刊本との対照表、用語集、索引等を添え、解説ではパスカルと『パンセ』の核心に迫る。(全3冊完結)

 
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