檜垣立哉さん×佐川光晴さん 競馬好きの哲学者、牛を屠る作家と語る! よい肉の日に「殺して、食べて、育てる」
学術出版の世界思想社は、檜垣立哉さんの新刊『食べることの哲学』の発売を記念して、作家の佐川光晴さんとのトークイベント「殺して、食べて、育てる――哲学者と作家の異種格闘技」を青山ブックセンター本店にて4月29日(日)14時から開催します。
哲学者と作家の異種格闘技が開催!
4月に『食べることの哲学』を上梓した、哲学者の檜垣立哉さん。本書は、動物や植物を殺して食べる後ろ暗さと、美味しい料理を食べる喜び、という矛盾を昇華する、食の哲学エッセイです。
刊行を記念して、4月29日(日)(=よい肉の日)に特別対談イベントを開催。お相手は、10年以上、屠畜場で働き、日々、ナイフを研いで牛の皮を剥く仕事をされていた、作家の佐川光晴さんです。
第1ラウンドでは、お二人が屠殺をどのように考えているのか存分に語り合います。
『食べることの哲学』では、焼いたものの量で価値を計るアングロサクソン系の食文化圏と、「味=発酵」の質を重視するアジアの食文化圏とに分ける、独自の食文化論も展開されます。
第2ラウンドでは、主夫として家の料理を28年間つくり続けている佐川光晴さんと、食文化について語り合います。
佐川光晴さんは、2月に『おいしい育児』を上梓。この本は、主夫兼作家として二人の息子を育ててきた経験を綴ったエッセイ集です。父親が家事と育児をするのがあたりまえになるための実践的なヒントがぎっしり詰まっています。
第3ラウンドでは、お子さんをお持ちの檜垣立哉さんと、男の育児について語ります。
※トークイベントの後にはサイン会が開催されます。
※会場からも質問を受け付けます(トーク開始前に質問用紙が配られますので、そちらにご記入ください)。
※参加限定特典として、「檜垣立哉が選ぶ食のブックガイド」を配布予定。
「檜垣立哉×佐川光晴トークイベント『殺して、食べて、育てる――哲学者と作家の異種格闘技』」 概要
■日時:2018年4月29日(日)14:00~15:30(開場 13:30~)
■会場:青山ブックセンター本店
■定員:50名
■入場料:1,350円(税込)
※参加申込みは http://www.aoyamabc.jp/event/eat/ をご覧ください。
■イベント参加の問合せ先:
青山ブックセンター本店 電話03-5485-5511(受付時間10:00~22:00)
登壇者プロフィール
■檜垣立哉(ひがき・たつや)さん
哲学者(大阪大学教授)。1964年埼玉県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中途退学。
フランスの現代思想を縦横無尽に駆使し生命論に挑む哲学者であるが思想にはいった入り口は吉本隆明。 また九鬼周造、西田幾多郎、和辻哲郎など日本哲学にも造詣が深く、20世紀初期の思想の横断性を突き詰めたいと思っている。
著書に、『瞬間と永遠 ジル・ドゥルーズの時間論』『賭博/偶然の哲学』『子供の哲学』『ドゥルーズ入門』など。
死ぬ前に1つだけ食べるなら、讃岐うどん。 趣味(というか一面の本業)は競馬です。
■佐川光晴(さがわ・みつはる)さん
作家。1965年東京都生まれ、茅ヶ崎育ち。北海道大学法学部卒業。
出版社勤務ののち、1990年から2001年まで大宮の屠畜場で働く。2000年「生活の設計」で第32回新潮新人賞受賞。2002年『縮んだ愛』で第24回野間文芸新人賞受賞。2011年『おれのおばさん』で第26回坪田譲治文学賞受賞。
他の著書に『あたらしい家族』『銀色の翼』『牛を屠る』『大きくなる日』など。
芥川賞に5回ノミネート。小学校教員の妻と二人の息子との四人家族。主夫として家事を引き受けながら執筆に励む。
ブタもクジラも食べるのに、イヌやネコはなぜ食べないのか?
宮澤賢治「よだかの星」など食をめぐる身近な素材を、フランス現代哲学と日本哲学のマリアージュで独創的に調理し、濃厚な味わいに仕上げたエッセイ。
食の隠れた本質に迫る逸品。
〇世界思想社創業70周年記念新シリーズ「教養みらい選書」第2弾
【本書のメニュー】
0. 付き出し われわれは何かを殺して食べている
1. 前菜 料理の技法――味・レヴィ=ストロース・腐敗
2. オードヴル カニバリズムの忌避――法の外のタブー
3. スープ 時空を超える宮沢賢治――生命のカニバリズム
4. 肉料理 食べることは教えられるのか――「豚のPちゃん」から学ぶこと
5. 海産料理 食べてよいもの/食べてはならないもの――イルカ・クジラ漁と『ザ・コーヴ』の真実
6. デセール 人間は毒を喰う――アルコール、嗜好品、デザート
7. 食後の小菓子 食べないことの哲学――絶食と拒食
あとがき
牛を屠る (双葉文庫)
著者が作家専業となる以前、1990年から埼玉の屠畜場に勤めていた日々を綴る。「おめえみたいなヤツの来るところじゃねえ!」と怒鳴られた入社初日から10年半、ひたすらナイフを研いで牛の皮を剥き続けるなかで抱いた、働くことの実感と悦び。仕事と人生の関わりを普遍的に描き得た1冊。
【目次】
1 働くまで
2 屠殺場で働く
3 作業課の一日
4 作業課の面々
5 大宮市営と畜場の歴史と現在
6 様々な闘争
7 牛との別れ
8 そして屠殺はつづく
文庫版オリジナル対談 佐川光晴×平松洋子―働くことの意味、そして輝かしさ
おいしい育児―家でも輝け、おとうさん! (こどものみらい叢書)
おとうさんが家事と育児をするのがあたりまえになってほしい。そうすれば世の中は変わる。主夫として二人の息子を育ててきた小説家が、固定観念を乗り越えた先にある豊かな育児生活を提案。こどもの幸せを考える「こどものみらい叢書」第1弾。
【目次】
はじめに
第1章 わが子の誕生
第2章 妻の実家で「生活の設計」
第3章 不妊症という困難
第4章 激しい夜泣き
第5章 産後の妻を料理で支えよう
第6章 こどもとあそぶときは声をだそう
第7章 こどもと一緒にまちを知ろう
第8章 おとうさんも保育園に行こう
第9章 学ぶ楽しみはとっておこう
第10章 家でも輝くおとうさんになろう!
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