29歳、何を失ったのかもわからず会社を辞めた――内藤織部さん『走れ! 東京タワー』が刊行
内藤織部さん著『走れ! 東京タワー』が幻冬舎より刊行されました。
誰もが居場所を探してる。
18歳の老猫・すずこの家出をきっかけに、迷い多き男女が、走って、逃げて、追われて、追って。東京タワーに見守られ、それぞれの自分らしい生き方と、自分のいるべき場所をみつけていく――第2の思春期世代の、疲れた心を軽やかにしてくれる物語です。
【あらすじ】
就職して6年、広告代理店で残業とプレッシャーに疲れ切っていたさくらには、唯一自分を取り戻せる場所があった。芝公園にあるプリンセスホテルの2811号室。窓一面に広がる巨大な東京タワーを眺めながら、ここで七央(なお)さんのマッサージを受けるのだ。
初めてこの部屋に足を踏み入れた日、さくらは東京タワーの堂々たる姿に自分が恥ずかしくなり、涙が止まらなかった。仕事を続けられたのは、何度もこの部屋の彼女(東京タワー)の前で悔し涙を流したからだ。
7年目、ついに会社を辞めたさくらは、自分の未来に悩みつつもプリンセスホテルでの時間を守っていた。そんなとき、七央が飼っている18歳の老猫すずこが行方不明に!
焦る七央と失業中のさくら、さらにさくらの同級生の千夏(ちなつ)、舞(まい)。自分が一番大切にしているものはなんなんだろう? どうすれば自分らしく生きていけるのだろう? そんな悩みを抱えながら、彼らは全力で駆け回る。
本書の目次
プロローグ ご挨拶
第1幕 家出
第2幕 青い酒 ―さくらの苦悩―
エピソード1 アルプス
第3幕 シスタークララの占い ―千夏の場合―
エピソード2 老犬
第4幕 夏の嵐 ―舞の事情―
エピソード3 禊ぎ
第5幕 おおー!
エピローグ すずこの気持ち
著者プロフィール
内藤織部(ないとう・おりべ)さんは、神戸学院女子短期大学(現・神戸学院大学)文学部文芸科卒業。双子座。卒論のテーマは太宰治。日本動物愛護協会終身会員。日本モンキーセンターサポート会員。
著書に、『マリアライカヴァージン☨』(幻冬舎)があり、コミカライズ版も発売中。
走れ! 東京タワー 内藤 織部 (著) |
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