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50年ぶりのインフレ到来? お金の価値が減り続ける時代の必読書『僕たちはまだ、インフレのことを何も知らない』が刊行

スティーヴン・D・キングさん著『僕たちはまだ、インフレのことを何も知らない』(訳:千葉敏生さん/ダイヤモンド社)

スティーヴン・D・キングさん著『僕たちはまだ、インフレのことを何も知らない』(訳:千葉敏生さん/ダイヤモンド社)

欧州最大の銀行HSBCの上級経済顧問スティーヴン・D・キングさんがインフレの謎を解き明かした『僕たちはまだ、インフレのことを何も知らない デフレしか経験していない人のための物価上昇2000年史』がダイヤモンド社より刊行されました。

50年ぶりのインフレ到来が懸念される今、デフレしか経験していない人が大多数となった現代において、インフレの仕組みや影響を深く理解することの必要性が高まっています。本書は、お金の価値が減り続ける時代を生き抜くための必読書とも言える一冊です。

 

世界は、インフレの恐怖を忘れてしまった――! 元米国財務長官ローレンス・サマーズ、元イングランド銀行総裁マーヴィン・キング激賞!

インフレーション(インフレ、物価上昇)が数十年にわたる冬眠から目を覚ましたのは、2021年のことでした。当初は一過性の現象と見られていた物価上昇は、収まるどころかいっそうの加速を見せ、インフレ再来への危機感が日増しに高まっています。そのようななか、欧州最大の銀行HSBCの上級経済顧問によるインフレ解説書の決定版的な一冊が注目を集めています。

 
本書では、古代ローマから2000年にわたる物価の歴史と対策を振り返り、「どんなときにインフレが起こるのか?」「なぜインフレが問題なのか?」「政府がしなければいけないことは?」を明らかにしていく一方で、パンデミック後のインフレへの解決策も提案しています。

また、今がインフレかどうかを判断する4つの検証基準や、有効なインフレ対策の条件なども明確に提示しています。インフレの仕組みを正しく理解するだけではなく、未来へ向けた対抗策を考えられるようになる、デフレしか経験していない現代人にとって必読の一冊です。

 
(本文より)
「インフレはいわば、一部の人たちから資産をむしり取り、残りの人たちに配分する、気まぐれで不公平なメカニズムなのだ。特に大打撃をこうむりやすいのは、限られた現金しか持たない人々、つまり貧困層や年金受給者たちだ。(中略)一方、政府、住宅購入者、一部の企業など、借り入れの多い人々や組織は最終的に勝ち組に回るかもしれない。」

 

本書の構成

はじめに 50年ぶりにインフレがやってくる

第1章 インフレが冬眠から目覚める
「インフレ」とは、お金の価値が失われていくこと/国民の富を「密かに」没収する凶悪な手法とは/政府によるインフレの容認は、絶望の始まり ……など

第2章 インフレは、「予期せぬとき」にやってくる
インフレの原因は2つに要約できる/お金への信用が失われると、何が起こるのか/「よいデフレ」さえも潰してきた中央銀行家たち ……など

第3章 政府は常にインフレの誘惑に負ける
高インフレと共存しようとしたブラジルの末路/中央銀行の独立性は、1国を除いて「絵空事」である/インフレ期にMMT信者が決まって主張すること ……など

第4章 インフレは「勝ち組」と「負け組」を生む
ドイツのハイパーインフレで富んだ人・損した人/高インフレ下では、賃上げ交渉は「無法地帯」になる/インフレは弱者を虐げ、格差を拡大させる ……など

第5章 何がインフレ対策の成功と失敗を分けるのか
政府がインフレ対策を「先延ばし」したがる訳/インフレ解消の「ツケ」は誰も払いたくない/「賃金物価統制」は昔から効果薄だった ……など

第6章 結局、今はインフレなのか
「インフレ目標」には根本的な問題がある/インフレが深刻かどうかを判別する4つの検証基準/グローバル化経済の終わりの始まり ……など

第7章 インフレ14カ条と次のステップ
歴史に基づくインフレ14カ条/インフレ下で資産を守るための6つの格言/「インフレの英雄」による教訓が忘れられている ……など

 

著者プロフィール

 
■スティーヴン・D・キング(Stephen D. King)さん

イギリスの経済学者、作家、HSBC上級経済顧問。『ロンドン・イブニング・スタンダード』紙で定期的にコラムを執筆しているほか、世界中の新聞や雑誌に寄稿し、テレビやラジオの出演歴多数。イギリス下院財務委員会の特別顧問を務める。国立経済社会研究所の経営評議会のメンバーであり、ヘンダーソン・ユーロトラストの取締役を務めている。

著書にGrave New World (未邦訳、フィナンシャル・タイムズ・マッキンゼー「ビジネスブック・オブ・ザ・イヤー2017」ノミネート)など。

 
■訳:千葉敏生(ちば・としお)さん

翻訳家。訳書にタレブ『反脆弱性』(ダイヤモンド社、2017)、ホワイト『キッチンの悪魔』(みすず書房、2019)、バーネット&エヴァンス『スタンフォード式人生デザイン講座 仕事篇』(早川書房、2022)、ミラー『半導体戦争』(ダイヤモンド社、2023)ほか。

 

僕たちはまだ、インフレのことを何も知らない デフレしか経験していない人のための物価上昇2000年史
スティーヴン・D・キング (著), 千葉敏生 (翻訳)

★★元米国財務長官 ローレンス・サマーズ絶賛!!★★
★★元イングランド銀行総裁 マーヴィン・キング激賞!!★★
★★フィナンシャル・タイムズ Book to Read選出!★★

世界は、インフレの恐怖を忘れてしまった――
デフレしか経験していない人に贈る、おカネの価値が減り続ける時代の経済サバイバルガイド!

(はじめにより)
この30年間の大半の時期を通じて、政策立案者と投資家はいずれも、デフレーション(デフレ、物価下落)の危険性のほうにずっと目を光らせていた。(中略)
実際、ヨーロッパと北米では、高齢化が進行し、債務が膨らみ、資産価格が(当初)暴落し、銀行が続々とつぶれ、成長が停滞し、ますます多くの物価が下落していった。
こうした状況下では、1970年代と1980年代の経済の主な筋書きを形づくったインフレとの戦いは、もはや遠い過去の記憶にすぎなくなった。(中略)
インフレはおおむね冬眠を続けてきたが、本当の意味で死んだわけではなかった。
本書の執筆時点でも、インフレは新たな復活を遂げつつある。
なぜこのような現象が起きているのか? 取るべき対策は?
この2つは間違いなく、現代最高の経済的(ひいては政治的)疑問と呼ぶにふさわしいだろう。

 


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