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「観光地」を巡り、日本の近代の足跡をたどる『観光地ぶらり』が刊行

話題作『ドライブイン探訪』の著者・橋本倫史さんによるエッセイ連載『観光地ぶらり』が書籍化され、太田出版より刊行されました。装画はヒロミチイトさん。

 

絶景のなかに、何を見るか。

『観光地ぶらり』は、各地の「観光地」を巡り、日本の近代の歩んできた足跡をたどるノンフィクション・エッセイです。OHTABOOKSTANDでのウェブ連載に加筆修正し、書籍となりました。帯には、お笑い芸人で小説家の又吉直樹さんがコメントを寄せています。

 
「行列に並んで観る絶景も悪くないが、
そこで生活する人々の呼吸を聞き、
その土地と対話する姿勢に感動を覚えた。」
――又吉直樹さん

 
著者が訪れた「観光地」は以下の通り。

◎道後温泉 いつか旅は終わる
◎竹富島 人間らしさを訪ねる旅
◎摩耶山 ひとつひとつの電灯のなかにある生活
◎猪苗代 結局のところ最後は人なんですよ
◎羅臼 人が守ってきた歴史
◎横手 店を選ぶことは、生き方を選ぶこと
◎しまなみ海道 昔ながらの商店街にひかりが当たる
◎五島列島 世界は目に見えないものであふれている
◎広島 この街にいた誰かを思い出す
◎登別・洞爺 絶景、記憶をめぐる旅
(『観光地ぶらり』目次より)

 
旅とは、生活とは、歴史とは、世界とは、生きることとは……。旅先の景色や出会いとともに、思考する一冊です。

 

本書「あとがき」より

わたしたちの目は、絶景を見慣れている。どんなに美しい景色でも、1時間、2時間と見惚れることは稀で、しばらく眺めたあと、写真を撮って立ち去る場合がほとんどだ。わたしたちは、ちゃんと景色を見つめられているだろうか? 絶景を前に立ち止まり、目を凝らすことで、見えてくる姿がある。じっと耳を澄ますことで、聴こえてくる声がある。そんな偶然の出会いに、「ささやかな未知」が詰まっている。ここではないどこかに、わたしとは違う人生を生きている誰かがいる。そんな誰かを想像することは、世界に触れようとすることであり、それこそが「観光」なのではないかと、僕は思う。

 

著者プロフィール

(撮影=河内彩)

(撮影=河内彩)

橋本倫史(はしもと・ともふみ)さんは、1982年生まれ、東広島市出身。物書き。

著書に『ドライブイン探訪』(ちくま文庫)、『市場界隈 那覇市第一牧志公設市場の人々』『東京の古本屋』『そして市場は続く 那覇の小さな街をたずねて』(以上、本の雑誌)、『水納島再訪』(講談社)がある。

 

観光地ぶらり
橋本 倫史 (著)

話題作『ドライブイン探訪』の著者が、各地の「観光地」を巡り、日本の近代の歩んできた足跡をたどる傑作ノンフィクション・エッセイ。旅とは、生活とは、歴史とは、世界とは、生きることとは。

 


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