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絵本作家ターシャ・テューダーの言葉を集めた『ターシャ・テューダー 幸せの見つけ方』が刊行

どんな境遇にあっても楽しみを見つけ、豊かに生きた絵本作家ターシャ・テューダーが残した言葉は、今も多くの人を勇気づけ、励まし続けています。そんなターシャの言葉とエピソードを集めた『ターシャ・テューダー 幸せの見つけ方』(著:食野雅子さん)が河出書房新社より刊行されました。

ターシャ本人から直接話を聞いて、幾度も同じ時間を過ごした著者が、言葉にまつわるエピソードや背景、ターシャ自身のことを伝える心温まる一冊です。

 

世界で愛される絵本作家ターシャの言葉や生き方を、美しいイラストとともに味わう珠玉の一冊

本書は、世界で愛される絵本作家であり、「地上の楽園」と称する美しい庭をつくりあげたガーデナーとしても知られるターシャ・テューダーの言葉とエピソードを、ターシャ本人の描いたかわいらしい挿絵とターシャを撮り続けた写真家、リチャード・ブラウンの愛溢れる写真とともに綴る一冊です。

 
自分も楽しみ、人も楽しませたターシャの豊かな生き方は、今なお人々に希望と感動を与え続けています。

「今は、人生でいちばんいい時」
「やりたいと思ったらやってみれば?」
「誰でも、生き方を選択できるのよ」
「何があっても、『生きていることを楽しもう』という気持ちを忘れないで」・・・

 
ターシャと深く交流のあった著者が、ターシャの残した数々の言葉をインタビューを元に紹介します。

『ターシャ・テューダー 幸せの見つけ方』本文より

『ターシャ・テューダー 幸せの見つけ方』本文より

 

ターシャとの出会い、言葉。

著者がターシャと出会ったのは、ターシャの本を翻訳したことがきっかけでした。ターシャのファンになった著者は、アメリカ・バーモント州の山中で、何でも手作りし、大好きな19世紀風の暮らしを一人楽しむターシャに「いつかお訪ねしたい」と手紙を書いたのです。

 
ターシャからの「どうぞいらっしゃい」という返事を受けて、85歳のターシャの家を訪問し、それから親しい交流が始まりました。あのとき思い切って手紙を書いてよかった、と著者は振り返ります。

 
ターシャは絵本作家として美しい作品とともに、たくさんの言葉を残してくれました。多くの人を励まし、勇気づけてきたその言葉を、ターシャはどんな思いで語ったのでしょう。ターシャの前向きな生き方は、どのように生まれたのでしょう。

 

『ターシャ・テューダー 幸せの見つけ方』目次

第1章 今生きている幸せ
私は、自分も楽しみ、人も楽しませる人生を生きたいと思ってきました。/今は、人生でいちばんいい時。/興味のあることを追求するうちに、本当にやりたいことが見えてくるわ。/誰でも、生き方を選択できるのよ。/何があっても、「生きていることを楽しもう」という気持ちを忘れないで。/他

第2章 想像は心の栄養
想像は、心の栄養。生きるためになくてはならないもの。/私はロマンチストなの。現実主義の私と矛盾することもあるけど、何とか折り合いをつけてきたわ。/何事も忍耐よ。/私の想像力は、おとぎ話をたくさん読んだことで培われたと思うわ。/ストーリーを考え、絵本を作るのは楽しいわ。/『コーギビルの村まつり』は、私のいちばんの傑作。自分の作品の中でいちばん好きです。/他

第3章 日々の楽しみ
よく見ると、この世界には、夢や希望、不思議なこと、楽しいことがいっぱいです。/やらなければならないことは、やらなければならないので、ぐずぐず言っている暇はなかったわ。/家事はみんな好きです。食器洗いも、アイロンがけも。/私はいつだって、何かしています。「怠け者の手は悪魔の遊び場」というでしょう?/他

第4章 愛に生きる
人は、生まれてから死ぬまで、愛したい、愛されたいと思うもの。/人に、あるいは人生そのものに愛されたいと思ったら、まず、自ら愛すること。/「美は見る人の目の中にある」といいます。/相手が喜ぶ顔を想像しながらプレゼントを作るのは楽しいわ。/何事も、「そんなもの」と達観してしまえばいいのです。/愛は雑草のように強い。/他

第5章 年を重ねる喜び
私は、年を取ることを嫌だと思ったことはないわ。/年齢については現実的にならなければ。/自然の贈り物である老後を楽しみましょうよ。/できなくなったことを嘆くより、まだできることを楽しんで。/年を取るのは名誉なことです。/さみしくなんかないわ。毎日、やりたいことがたくさんあるの。/一人暮らしは気楽だけど、人との触れ合いも必要です。/他

第6章 自然と共に生きる
人には自然との触れ合いが必要です。私達はみな、自然の一部なのです。/自然は美しいと思うわ。私はそんな中にいられるだけで幸せ。/自然が創り出す複雑な色合いや形、多様なデザインに感心するわ。/他

第7章 ターシャ流庭づくり
小さい頃から、母や祖母と一緒に庭づくりをしてきたので、だいたいの植物のことは分かるわ。/謙遜なんかしないわ。うちの庭は、地上の楽園よ!/家の前の急斜面をテラス花壇にしたのは大成功だったわ。/私は、好きな花を好きなように植えているだけ。/他

第8章 挑戦を楽しむ
子ども達には、マナー、料理、家事を小さい頃から教えました。/子ども達とマリオネット劇団を作って、公演もしたのよ。/子ども達が人形を操って人形の結婚式を、家の庭で挙げたのよ。/私は何でも、本格的にやりたいの。/本格的なマリオネットをやりたくて、サッカレーの「バラと指輪」に挑戦しました。/他

 

ターシャ・テューダー プロフィール

ターシャ・テューダー(1915~2008)は、アメリカの絵本作家・挿絵画家。生涯に約100点の本を出版。コルデコット賞オナーブックに2度選ばれるなど受賞も多数。

19世紀の農家の暮らしに憧れ、自然と動物を愛し、美しい庭をつくり、自分も楽しみ、人も楽しませた前向きな生き方が多くのファンを惹きつけている。

 

著者プロフィール

食野雅子(めしの・まさこ)さんは、1944年生まれ。国際基督教大学卒業。サイマル出版会を経てフリーの翻訳家に。児童書、ノンフィクション、小説、写真集など訳書多数。

著書に『ターシャ・テューダーへの道』など。『ターシャ・テューダー手作りの世界 暖炉の火のそばで』の翻訳を通してターシャと知り合い、親交を深める。共にターシャを訪ね、本を製作してきたブックデザイナー出原速夫さんと、2013年、山梨県北杜市に「ターシャ・テューダー ミュージアム ジャパン」を開設。

 

ターシャ・テューダー 幸せの見つけ方
食野 雅子 (著)

19世紀風の暮らしを好み、どんな境遇でも楽しみ前向きに生きた絵本作家ターシャの言葉と生き方を美しい絵と写真と共に綴る第2作。

<既刊>

ターシャ・テューダー 人生の楽しみ方
食野雅子 (著)

どんな境遇でも楽しみ、豊かに生き、人々に希望と感動を与える絵本作家ターシャの言葉を、本人の話や生い立ちなど本書で初めて紹介される話も交えて、美しい挿絵と写真とともに綴る。

 


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