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【第72回小学館児童出版文化賞】遠藤みえ子さん『風さわぐ北のまちから』、住野よるさん『恋とそれとあと全部』、みやこしあきこさん『ちいさなトガリネズミ』が受賞

小学館は9月14日、第72回小学館児童出版文化賞の受賞作を発表しました。

 

第72回小学館児童出版文化賞が決定!

第72回小学館児童出版文化賞では、審査委員・作家・画家・写真家・各出版社・新聞社・児童文化団体・図書館・書店児童図書担当者・読者からの推薦を募り、それに事務局が収集した作品を加えて予備選考を行います。そこで選ばれた候補作を対象に最終選考会が開催され、審査委員の荒井良二さん、鈴木のりたけさん、舘野鴻さん、富安陽子さん、森絵都さんの5名による審査の結果、次の通り受賞作が決定しました。

 
<第72回小学館児童出版文化賞 受賞作品>

◎遠藤みえ子(えんどう・みえこ)さん
『風さわぐ北のまちから 少女と家族の引き揚げ回想記』(佼成出版社)

◎住野よる(すみの・よる)さん
『恋とそれとあと全部』(文藝春秋)

◎みやこしあきこさん
『ちいさなトガリネズミ』(偕成社)

 
受賞者の遠藤みえ子さんと住野よるさん、みやこしあきこさんには、正賞としてブロンズ像、副賞として賞金100万円が贈られます。

 
なお、今回の候補作は以下の作品です。

【候補作品】
◎『あした、弁当を作る。』(ひこ・田中さん/講談社)
◎『宇宙食になったサバ缶』(小坂康之さん、別司芳子さん/小学館)
◎『風さわぐ北のまちから 少女と家族の引き揚げ回想記』(遠藤みえ子さん/佼成出版社)
◎『恋とそれとあと全部』(住野よるさん/文藝春秋)
◎『シャンシャン、夏だより』(浅野竜さん/講談社)
◎『ぼくたちはまだ出逢っていない』(八束澄子さん/ポプラ社)
◎『あんまりすてきだったから』(作:くどうれいんさん、絵:みやざきひろかずさん/ほるぷ出版)
◎『さかなくん』(しおたにまみこさん/偕成社)
◎『ちいさなトガリネズミ』(みやこしあきこさん/偕成社)
◎『なみのいちにち』(阿部結さん/ほるぷ出版)
◎『橋の上で』(文:湯本香樹実さん、絵:酒井駒子さん/河出書房新社)
◎『PIHOTEK 北極を風と歩く』(文:荻田泰永さん、絵:井上奈奈さん/講談社)
◎『へんしん すがたをかえるイモムシ』(桃山鈴子さん/福音館書店)

 

受賞作および受賞者について

 
■『風さわぐ北のまちから 少女と家族の引き揚げ回想記』(遠藤みえ子さん/佼成出版社)

【あらすじ】
1945年8月、日本の敗戦により、それまで日本の植民地だった朝鮮に暮らす日本人は、突然「外地」に取り残された状態になりました。11歳のれい子と家族は、朝鮮半島を二分した〈三十八度線〉の北側の港町・鎮南浦で厳しい冬を迎えます。 寒さと食料不足、ソ連兵による略奪、北朝鮮の建国などの混乱の中、母と6人の子どもたちが生き抜き、日本へ帰り着くまでを描いた、奇跡の実話です。

<受賞者プロフィール>
釜山生まれ。6歳で倉敷へ引き揚げる。東京女子大学英米文学科卒業。吉祥女子高校、都立高校で計31年間、恵泉女学園短大、東京女子大学で計17年間、非常勤講師として勤務。
『スージーさんとテケテンテン』で小川未明文学賞優秀賞を受賞。主な著書に『あじさい寮物語』(講談社)、『やなぎ通りのスージーさん』(PHP研究所)、訳書に『ハリスおばさんモスクワへ行く』(講談社)などがある。日本児童文学者協会会員。日本こどもの本研究会会員。バオバブ同人。
 
■『恋とそれとあと全部』(住野よるさん/文藝春秋)

【あらすじ】
めえめえ(瀬戸洋平)は下宿仲間でクラスメイトの女子サブレ(鳩代司)に片想いをしている。サブレは夏休み中に遠方にあるじいちゃんの家に行くのだが、それはある〝不謹慎な〟目的のためだという。 「じゃあ一緒に行く?」「うん」 思いがけず誘われためえめえは、サブレと共にじいちゃんの家を目指す。 夜行バスに乗って、二人の〈不謹慎な〉、そして特別な旅が始まる──。

<受賞者プロフィール>
高校時代より執筆活動を開始。2015年『君の膵臓をたべたい』(双葉社)でデビュー。同作で2016年「本屋大賞」第2位、Yahoo!検索対象“小説部門賞”など、数多くの賞を受賞した。
著書に『また、同じ夢を見ていた』『よるのばけもの』『腹を割ったら血が出るだけさ』(以上、双葉社)、『か「」く「」し「」ご「」と「』『この気持ちもいつか忘れる』(ともに新潮社)、『青くて痛くて脆い』(KADOKAWA)、「麦本三歩の好きなもの」シリーズ(幻冬舎)などがある。

 
■『ちいさなトガリネズミ』(みやこしあきこさん/偕成社)

【あらすじ】
トガリネズミは働き者。朝おきてから夜ねるまで、毎日きまった予定をこなし、つつがなく暮らしています。でも今日はひとつだけ、いつもと違うことがありました! ひとめ見たら忘れられない、つぶらな瞳のトガリネズミ。そのささやかでありふれた日常を、独特のおかしみと哀愁ただよう筆致で描きます。「トガリネズミのいちにち」「トガリネズミのあこがれ」「トガリネズミのともだち」の3話を収録した絵童話。

<受賞者プロフィール>
1982年生まれ、埼玉県出身。武蔵野美術大学卒業。『たいふうがくる』(BL出版)で「ニッサン童話と絵本のグランプリ」大賞を受賞しデビュー。
2012年『もりのおくのおちゃかいへ』(偕成社)で日本絵本賞大賞受賞。『よるのかえりみち』(偕成社)はBologna Ragazzi賞2016年Fiction部門Special Mention、NYタイムズ&NY公共図書館The Best Illustrated Children’s Books of 2017、ミュンヘン国際児童図書館The White Ravens 2016に選ばれるなど、海外からの評価も高い。他の作品に『ぼくのたび』(ブロンズ新社)、『かいちゅうでんとう』(福音館書店)などがある。

 

小学館児童出版文化賞について

小学館児童出版文化賞は、小学館が1952年に創業30周年を記念して創設。文学部門と絵画部門の2部門から構成されていましたが、1960年より小学館文学賞と小学館絵画賞に分離独立、1996年から発展的に統合し、現在の名称となっています。

同賞は、児童出版文化の向上に貢献すると認められる作品及び作家を毎年選定し顕彰。4月から翌年3月までに発表された絵本、童話・文学(フィクション・詩・シナリオなど)、その他(ノンフィクション・科学絵本・図鑑・事典など)の出版物(翻訳・キャラクター・コミックスなどは除く)で、幼年ならびに少年少女に推薦したい優れた作品を対象としています。

 

風さわぐ北のまちから: 少女と家族の引き揚げ回想記
遠藤みえ子 (著), 石井勉 (イラスト)

1945年8月、日本の敗戦により、それまで日本の植民地だった朝鮮に暮らす日本人は、突然「外地」に取り残された状態になりました。11歳のれい子と家族は、朝鮮半島を二分した〈三十八度線〉の北側の港町・鎮南浦で、厳しい冬を迎えます。
寒さと食料不足、ソ連兵による略奪、北朝鮮の建国の混乱の中、母と6人の子どもたちが生き抜き、日本へ帰り着くまでを描いた、奇跡の実話です。

恋とそれとあと全部
住野 よる (著)

片想い男子とちょっと気にしすぎな女子。二人は友達だけど、違う生き物。
一緒に過ごす、夏の特別な四日間。

めえめえ(瀬戸洋平)は下宿仲間でクラスメイトの女子サブレ(鳩代司)に片想いをしている。
告白もしていないし、夏休みでしばらく会えないと思っていた。そのサブレが目の前にいる。
サブレは夏休み中に遠方にあるじいちゃんの家に行くのだが、それはある”不謹慎な”目的のためだった。

「じゃあ一緒に行く?」
「うん」

思いがけず誘われためえめえは、部活の休みを利用してサブレと共にじいちゃんの家を目指す。
夜行バスに乗って、二人の”不謹慎な”そして特別な旅が始まる――。

恋という気持ちが存在する、この世界に生まれてしまった全てのあなたへ。

ちいさなトガリネズミ
みやこしあきこ (著)

ボローニャ・ラガッツィ賞特別賞、ニューヨークタイムズ・ニューヨーク公共図書館絵本賞などを受賞し、海外からも高い評価を受けている絵本作家が初めて手がける絵童話!

トガリネズミは働きもの。朝おきてから夜ねるまで、毎日きまった予定をこなし、つつがなく暮らしています。でも今日はひとつだけ、いつもと違うことがありました! ひとめ見たら忘れられない、つぶらな瞳のトガリネズミ。そのささやかでありふれた日常を、独特のおかしみをもって描きます。

 
【関連】
小学館児童出版文化賞

 


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