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レオナルド・ダ・ヴィンチの貴重な絵画論60章を新訳で電子書籍化!『絵画論・抄』を配信

レオナルド・ダ・ヴィンチの貴重な絵画論60章を新訳で電子書籍化した『絵画論・抄』(訳:青岳那苑さん)が万象堂より発売されました。

 

遺された膨大な手稿から、絵画についての論考60章を厳選

稀代の芸術家、レオナルド・ダ・ヴィンチ。

神々しい微笑みをたたえた「モナ・リザ」や、めくるめく人間模様をひとつの絵に凝縮させた「最後の晩餐」などの名画を生み出した、ルネサンス時代の人物です。絵画作品のみならず、絵画の科学的考察や実践理論、また建築や自然科学、幾何学などの広範囲な分野でもその名を残しました。

 
本書は、レオナルド・ダ・ヴィンチが著した芸術についての手稿から絵画哲学に該当する論考60章を選び、新たに訳出した抄録集です。翻訳は、レオナルドの研究分野で定評のあるルートヴィヒ版(1882年)を底本としています。

500年前から受け継がれてきた、レオナルドの英知が凝縮した言葉が新訳で蘇ります。

 

レオナルド・ダ・ヴィンチの手稿とは

レオナルドは、1478年頃から1518年頃(年齢でいえば、26歳から66歳)の約40年をかけて、絵画や自然科学、解剖学、物理学、建築、文学など広範囲にわたって多くの手稿を書き継いでいました。それらの手稿は、ほとんどは手帳に書かれたメモのようなものでした。左手で書いた鏡文字(右から左へ読む)という特異な記述であることもよく知られています。

 
それぞれのページは、ひとつの主題で書かれたものもあれば、さまざまな主題が混在したものもあり、一貫性をもって書かれたものではない記述やスケッチが少なからずあります。時にはひらめきのメモもあったでしょうし、時間をかけて描いて解説を記述したメモもあったでしょう。

絵を描く人なら誰もが行うスケッチやメモを、レオナルドも書いていた、ということです。しかし、そのメモは《レオナルド・ダ・ヴィンチのメモ》ということが重要なのです。「モナ・リザ」や「最後の晩餐」を描いた画家の芸術思考が込められたメモは、人類の貴重な遺産ともいえます。

 
それらの手稿もふくめた一切の遺産を、レオナルドは遺言で弟子フランチェスコ・メルツィに譲り渡しました。引き継いだメルツィは、膨大な手稿から絵画について言及されているページを抜き出し、編集して筆写したのです。

その結果として944章の写本となったものが、『絵画の書・ヴァチカン(ウルビーノ)写本・1270番』です。

 
これまで《ウルビーノ稿本》や《絵画論》として知られてきたその『絵画の書』では、絵画を制作するにあたっての考え方や、他分野の芸術との比較、技術論、人体の構成、衣服の描き方、光や植物、天候や地理の捉え方など、絵画についての事柄が広範囲に語り尽くされ、まさにレオナルドの絵画思想の凝縮ともいえます。

 
本書はその『絵画の書』全944章から、絵画を哲学的に探求した論考や、画家としての心構えや取り組みを説いた章を中心として、60章に絞り込んだ抄録集です。

※本書において、レオナルドが記述しているさまざまな用語については、巻末に詳しい注解を収録。適宜参照しながらお読みください。

 

レオナルドによる実践的な指南と、そのパーソナリティを擁する貴重な絵画論

『絵画の書』で論じられていることは絵画制作に向き合う際の心構えや考え方ですが、芸術作品を生み出すということは、本質的には自己の内面から新しい何かを生み出す事です。そのための認識ととらえれば、絵画や美術に関わっている人はもちろん、あらゆる人々に共通する言葉ともいえるでしょう。

 
深い洞察と知力をもって絵画を探求し、遠近法を発展させた芸術家による実践的な指南は、美術を志す人に役立つ名言集として活用できます。また、仕事に取り組む姿勢や生き方までも示唆した言葉は、巨匠による人生論ともいえます。 

 

著者プロフィール

レオナルド・ダ・ヴィンチ(Leonardo da Vinci)は、画家。 1452年4月15日、フィレンツェ共和国(現在のイタリア、フィレンツェ)トスカーナのヴィンチ村に生まれた。1466年(14歳)の頃、父ピエロに見込まれて彫刻家ドナテッロの弟子、アンドレア・デル・ヴェロッキオの工房に入門。1472年(20歳)までに芸術家の職業組合である聖ルカ組合からマスターの資格を得る。1478年(26歳)でヴェロッキオ工房から独立。この頃から多彩な分野にわたって手稿を書きはじめる。

1480年(28歳)でメディチ家から庇護を受け、1482年(30歳)からミラノ公国で活動。1495年(43歳)から「最後の晩餐」をサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ修道院の巨大な壁に描きはじめる(1498年に完成)。1503年(51歳)から「モナ・リザ」を描き始める。1516年(64歳)、フランス王フランソワ一世の招きに応じてフランスへ移住。1519年5月2日(67歳)、フランス王国アンボワーズ、クロ・リュセ城にて死去。アンボワーズ城のサン=ユベール礼拝堂に埋葬された。

 

絵画論・抄
レオナルド・ダ・ヴィンチ (著), 青岳那苑 (翻訳)

ルネサンス時代を代表する画家レオナルド・ダ・ヴィンチ。遺された膨大な手稿から絵画についての論考60章を厳選しました。500年前から受け継がれてきたレオナルドの英知が凝縮した言葉を新訳でお届けいたします。深い洞察と知力をもって絵画を探求し、遠近法を発展させた芸術家による実践的な指南は、美術を志す人に役立つ名言集としてご活用いただけます。また、仕事に取り組む姿勢や生き方までも示唆した言葉は、巨匠による人生論ともいえます。翻訳はルートヴィヒ版(1882年)を底本としました。

 


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