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【令和5年度日本歌人クラブ各賞】日本歌人クラブ大賞は福島泰樹さん『百四十字、老いらくの歌』

日本歌人クラブは、第14回日本歌人クラブ大賞および第50回日本歌人クラブ賞、第29回日本歌人クラブ新人賞、第21回日本歌人クラブ評論賞の受賞者・受賞作品を発表しました。

 

令和5年度日本歌人クラブ各賞が決定!

令和5年度日本歌人クラブ各賞の受賞者・受賞作品は次の通りです。

 
【第14回日本歌人クラブ大賞】

福島泰樹(ふくしま・やすき)さん
歌集『百四十字、老いらくの歌』(皓星社)を中心とした永年の功績に対して

〔選考委員〕藤原龍一郎さん、黒岩剛仁さん、佐田公子さん、鈴木英子さん

 
福島泰樹さんは、1943年生まれ、東京都出身。早稲田大学文学部哲学科卒業。1986年に第6回ブルガリア国際作家会議コンクール詩人賞、1995年にラジオドラマ脚本で第22回放送文化基金賞、1999年に歌集『茫漠山日誌』で第4回若山牧水賞を受賞。「月光の会」主宰。法華宗本門流法昌寺住職。早稲田大学理工学部非常勤講師。日本大学芸術学部非常勤講師。

 
【第50回日本歌人クラブ賞】

山中律雄(やまなか・りつゆう)さん
歌集『淡黄』(現代短歌社)

〔選考委員〕藤原龍一郎さん、大西久美子さん、上條雅通さん、黒岩剛仁さん、古谷智子さん

 
山中律雄さんは、1958年生まれ、秋田県出身。駒澤大学仏教学部卒業。川島喜代詩さんに師事。2009年に歌集『変遷』で第5回日本詩歌句協会詩歌句大賞(短歌部門)、2021年に歌書『川島喜代詩の添削』で第10回日本短歌雑誌連盟雑誌評論賞を受賞。曹洞宗禅林寺住職。

 
【第29回日本歌人クラブ新人賞】

鈴木加成太(すずき・かなた)さん
歌集『うすがみの銀河』(角川文化振興財団)

〔選考委員〕藤原龍一郎さん、今井恵子さん、桜井京子さん、高山邦男さん、森本平さん

 
鈴木加成太さんは、1993年生まれ、愛知県出身。大阪大学文学部卒業。大阪大学大学院文学研究科博士前期課程修了。「かりん」所属。2015年に「革靴とスニーカー」50首で第61回角川短歌賞を受賞。今回の受賞作が第一歌集。

 
【第21回日本歌人クラブ評論賞】

松村由利子(まつむら・ゆりこ)さん
『ジャーナリスト与謝野晶子』(短歌研究社)

〔選考委員〕藤原龍一郎さん、生沼義朗さん、大森悦子さん、結城千賀子さん

 
松村由利子さんは、1960年生まれ。福岡県出身。西南学院大学文学部卒業。西南学院大学大学院中退。1994年「白木蓮の卵」で短歌研究新人賞、2005年に歌集『鳥女』で現代短歌新人賞、2009年『遠き鯨影』で短歌研究賞、『与謝野晶子』で平塚らいてう賞、2010年『31文字のなかの科学』で科学ジャーナリスト賞、20113年に歌集『大女伝説』で葛原妙子賞を受賞。元毎日新聞記者。馬場あき子さんに師事。短歌結社「かりん」同人。

 

日本歌人クラブ各賞について

日本歌人クラブ各賞は、日本歌人クラブが主催する賞です。

日本歌人クラブ大賞は、創立60余年となる本会の伝統と蓄積を反映し、地道に励み、斯道に貢献している歌人を顕彰するため、2010年に設立。

 
日本歌人クラブ賞は、中堅・ベテランの歌集を対象にしています。1995(昭和30)年創設の「日本歌人クラブ推薦歌集」がその前身。

 
日本歌人クラブ新人賞は60歳未満の作者による第一歌集が対象です。

 
日本歌人クラブ評論賞は、歌壇で唯一の、短歌の評論集および研究書を対象にした賞です。

 
なお、各賞受賞者には正賞並びに副賞金10万円が贈られます。授賞式は、5月27日(土)に東京・明治神宮参集殿で開催される日本歌人クラブ定期総会の席上で行われます。

 

日本歌人クラブとは

日本歌人クラブは、1948年(昭和23年)9月に発足。斎藤茂吉、土屋文明、釈迢空・尾上柴舟、佐佐木信綱、窪田空穂、土岐善麿、前田夕暮をはじめとする183名の発起人、および太田靑丘、渡辺順三、近藤芳美、佐藤佐太郎、木俣修、宮柊二、香川進ら当時の中堅歌人らによって結成されました。現在、約3,000名の会員が所属する、日本で最も大きな歌人の団体です。

 

百四十字、老いらくの歌: ジムの鏡に映るこの俺 老いらくの殴ってやろう死ぬのはまだか
福島 泰樹 (著)

2021年2月21日から、2022年2月28日までの1年間、著者が毎朝ツイッターに投稿した373首を掲載。ツイート文を「長歌」、短歌を「反歌」として編まれた、福島泰樹第34歌
「コロナウイルスは生活様式を一変させた。家族葬もその一つだ。遺族が死者を囲ってしまう。四十九日が来て始めて知友の死を知ったりする。せめて柩に眠る友の肩を叩き、しっかり歩いて行けよと声をかけてやりたかった。……連合赤軍粛清事件から50年、そして関東大震災99年の秋ではある。ウクライナの悲惨は私に、大震災時の虐殺を炙り出し、東京大空襲の記憶を烈しくさせた。」(本書「跋」より)

歌集 うすがみの銀河 (かりん叢書)
鈴木 加成太 (著)

火を盗むならば夜汽車の深部より、風は帆船の白き胸より

幼稚園の七夕祭りで初めて笹飾りを目にしたとき、未知の甘く哀しい感覚が胸を打ったことを覚えている。歌集名の「うすがみの銀河」は、僕の詩の原風景の一つとして、ささやかな記念にこの語を選んだ。

ジャーナリスト与謝野晶子
松村由利子 (著)

「最上の職業、それは新聞記者。」──与謝野晶子

時代と社会への鋭利な視線。それは21世紀的なものだった。
「恋愛歌人」というお仕着せを?がし、民主主義を希求し続けた姿に迫る本格ノンフィクション!

『みだれ髪』の鮮烈なデビューから120年。
新しい女性の時代を予見し体現した、与謝野晶子の言論人生を明らかにする。

 
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日本歌人クラブ

 


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