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【サッカー本大賞2023】河内一馬さん『競争闘争理論』が大賞を受賞

カンゼンは、優れたサッカー本に贈る「サッカー本大賞2023」の受賞作を発表しました。

 

サッカー本大賞2023が決定!

2022年に刊行されたサッカー本より12作品が優秀作品として選出され、その中から、次の通り「大賞」「特別賞」「翻訳本大賞」「読者賞」が決定しました。

 
<「サッカー本大賞2023」受賞作品>

 
■大賞
河内一馬さん『競争闘争理論 サッカーは「競う」べきか「闘う」べきか?』(ソル・メディア)

 
■特別賞
◎スザンヌ・ラックさん『女子サッカー140年史 闘いはピッチとその外にもあり』(訳:実川元子さん/白水社)
◎トム・ウィリアムズさん『DO YOU SPEAK FOOTBALL? 世界のフットボール表現事典』(訳:堀口容子さん/イースト・プレス)

 
■翻訳本大賞
サイモン・クーパーさん『バルサ・コンプレックス “ドリームチーム”から“FCメッシ”までの栄光と凋落』(訳:山中忍さん/ソル・メディア)

 
■読者賞
マッテオ・マラーニさん 『セリエA発アウシュヴィッツ行き~悲運の優勝監督の物語』(訳:小川光生さん/光文社)

 
選考委員は、金井真紀さん、佐山一郎さん、陣野俊史さん、幅允孝さん。

 

 

大賞受賞作『競争闘争理論』著者・河内一馬さん プロフィール&コメント

 
【プロフィール】

1992年生まれ、東京都出身。18歳で選手としてのキャリアを終えたのち指導者の道へ。国内でのコーチ経験を経て、23歳の時にアジアとヨーロッパ約15カ国を回りサッカーを視察。その後25歳でアルゼンチンに渡り、現地の監督養成学校に3年間在学、CONMEBOL PRO(南米サッカー連盟最高位)ライセンスを取得。帰国後は鎌倉インターナショナルFCの監督に就任し、同クラブではブランディング責任者も務めている。その他、執筆やNPO法人 love.futbol Japanで理事を務めるなど、サッカーを軸に多岐にわたる活動を行っている。

 
【コメント】

「日頃より応援をしていただき、ありがとうございます。鎌倉インテルを応援してくださる方々からも、時より本を読んだよと言っていただくことがあり、すごく嬉しかったです。執筆をしていたのは鎌倉インテルに入って1年目だったので、今回の受賞をきっかけに、クラブでのことも色々と思い出すことができ、益々頑張ろうという気持ちになりました!これからも、クラブ共々、よろしくお願い致します!」

 

 

サッカー本大賞について

サッカー本大賞は、「良質なサッカー書籍が日本のサッカー文化を豊かにする」をコンセプトにウェブメディア「フットボールチャンネル」を運営するカンゼンが2014年に創設した文学賞です。

前年の1月1日から12月31日に刊行されたサッカー本(読み物に限り、いわゆる技法書、テクニック本、サッカー漫画は除く)を対象とします。

一次選考によって「優秀作品」を選出。優秀作品を対象とする最終選考で大賞が決定します。また、読者の投票によって「読者賞」が決定します。

 
<選考委員プロフィール>

◆金井真紀(かない・まき)さん
1974年生まれ。文筆家・イラストレーター。任務は「多様性をおもしろがること」。著書に『パリのすてきなおじさん』(柏書房)、『サッカーことばランド』(ころから)、『世界はフムフムで満ちている』(ちくま文庫)、『聞き書き世界のサッカー民 スタジアムに転がる愛と差別と移民のはなし』(カンゼン)、『日本に住んでる世界のひと』(大和書房)、『おばあちゃんは猫でテーブルを拭きながら言った 世界ことわざ紀行』(岩波書店)など。

◆佐山一郎(さやま・いちろう)さん
作家、編集者。アンディ・ウォーホルズ『Interview』誌と独占契約を結んでいた『Studio Voice』編集長を経て84年、独立。主著書に『東京ファッション・ビート』(新潮カラー文庫)、『「私立」の仕事』(筑摩書房)、『闘技場の人』(河出書房新社)、『サッカー細見 ’98~’99』(晶文社)、『デザインと人』(マーブルトロン)、『雑誌的人間』(リトル・モア)、『VANから遠く離れて -評伝石津謙介-』(岩波書店)、『夢想するサッカー狂の書斎 -ぼくの採点表から-』(カンゼン)、『日本サッカー辛航紀 愛と憎しみの100年史』(光文社新書)。

◆陣野俊史(じんの・としふみ)さん
1961年生まれ。文芸評論家、フランス語圏文学者。長崎生まれ。サッカー関連の著書に『フットボール・エクスプロージョン!』(白水社)、『フットボール都市論』(青土社)、『サッカーと人種差別』(文春新書)、翻訳書に『ジダン』(共訳、白水社)、『フーリガンの社会学』(共訳、文庫クセジュ)など。

◆幅允孝(はば・よしたか)さん
有限会社BACH(バッハ)代表。ブックディレクター。人と本の距離を縮めるため、公共図書館や病院、学校、ホテル、オフィスなど様々な場所でライブラリーの制作をしている。安藤忠雄氏が設計・建築し、市に寄贈したこどものための図書文化施設「こども本の森 中之島」では、クリエイティブ・ディレクションを担当。最近の仕事として「早稲田大学 国際文学館(村上春樹ライブラリー)」での選書・配架、札幌市図書・情報館の立ち上げや、ロンドン・サンパウロ・ロサンゼルスのJAPAN HOUSEなど。神奈川県教育委員会顧問。

 

競争闘争理論 サッカーは「競う」べきか「闘う」べきか? (footballista)
河内一馬 (著)

なぜ、唯一サッカーだけは、世界の壁を越えられないのか?
団体競争/Team Competitionと団体闘争/Team Struggleは「まったく違うもの」が求められるスポーツである

女子サッカー140年史:闘いはピッチとその外にもあり
スザンヌ・ラック (著), 実川 元子 (翻訳)

澤穂希氏推薦! 初の通史

「1881年に世界初の公式試合が開催され、20世紀初頭から長きにわたって世界各国で禁止されていたにもかかわらず、今では世界中の人々を魅了している女子サッカー140年の歴史を、時代背景や文化を考察しながらまとめた素晴らしい本です。」(澤穂希)

 本書は、英『ガーディアン』紙の女子サッカー担当記者が、紆余曲折をたどった女子サッカーの、未来への飛躍を提言する比類なき歴史書だ。英欧米の女子サッカーの歴史を中心に、社会における女性の権利獲得と解放に重ね合わせて描く、初の通史となる。数多の史料を駆使し、選手、監督、オーナー、研究者への取材も通じて、女子サッカーがエリートから草の根までどのように発展してきて、これからどう成長していくのかを、希望を込めて論じる。
 日本女子サッカーについては、巻末の「日本女子サッカー小史――訳者あとがきにかえて」と年表で補足した。2020年に日本女子プロサッカーリーグ、WEリーグが発足し、今後もさらに大きく開花していくことだろう。そして2023年、オーストラリアとニュージーランド共催の女子ワールドカップで、その成果を確認したい。

DO YOU SPEAK FOOTBALL? 世界のフットボール表現事典
トム・ウィリアムズ (著), 堀口 容子 (翻訳)

89か国、700ワード。圧倒的な調査量。フットボール用語ガイドの決定版

フットボールを語ることは、1,000もの言語を語ること。
本書は世界中のフットボール用語を集めた画期的な本。
世界のファン、コメンテーター、選手が使う、
楽しくてちょっとひねくれた、クリエイティブなことばを豊富に掲載した。

ブラジルで言う「フクロウの寝場所」に叩き込むシュートから、
ドイツ人が疑惑のゴールを指して言う「ウェンブリー・ゴール」、
オランダで「チョコレートの脚」を使うとはどういうことかまで、
調査を尽くした本書には、楽しさと知識が等しく詰まっている。

バルサ・コンプレックス “ドリームチーム”から“FCメッシ”までの栄光と凋落 (footballista)
サイモン・クーパー (著), 山中忍 (翻訳)

教祖クライフの美学をカンテラまで浸透させ、勝利と信念を同時に追求する唯一無二のスタイルで一世を風靡したバルセロナ。
“クライフイズム”がもたらしたのは成功だけではなかった――。

最高傑作メッシの影に隠れた市民クラブゆえの愛憎劇と権力闘争、放漫経営、理念喪失の危機……。
著名記者サイモン・クーパーが約30年にわたる独自取材でバルサのリアルに迫る。
“メッシ後”を占う上でも必読の一冊!

セリエA発アウシュヴィッツ行き~悲運の優勝監督の物語
マッテオ・マラーニ (著), 小川 光生 (翻訳)

イタリア・セリエAのインテルで1度、ボローニャで2度優勝を果たした名将は、なぜホロコーストの犠牲となったのか?

アールパード・ヴァイス――ファシズム政権下でサッカー選手、監督として活躍した彼の形跡は、歴史から消え失せた。指揮官として、3度のスクデット(セリエA優勝)とパリ万国博覧会カップ優勝。現代でも、彼の実績を上回る監督はほとんどいない。そんな人物がある日、忽然と姿を消す。現代ではとても想像もできないが、彼の身にはそれが起きた。歴史、人種法、そしてホロコーストという名の“悲劇の風”が、彼を連れ去ってしまったのだ。
1944年1月31日、アールパード・ヴァイスは、アウシュヴィッツでその生涯を終える。その2年前、彼の妻エレナ、12歳の息子ロベルト、8歳の娘クララが送り込まれたのと同じ収容所のガス室で……。
著者のマッテオ・マラーニは、20世紀の深淵からこのユダヤ系ハンガリー人監督の物語を引き上げるために、実に綿密な、ある意味何かに取り憑かれたような調査を、何年もかけて進めていった。その結晶が本書である。

 
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第10回「サッカー本大賞2023」 「大賞」は『競争闘争理論』が受賞! – 株式会社カンゼン

 


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