「『資本論』が誰にでも分かるようになる!」って本当?斎藤幸平さん“究極”の入門書『ゼロからの『資本論』』が刊行
『人新世の「資本論」』などで知られる斎藤幸平さんがマルクスの代表作『資本論』をまるごと解説する究極の入門書『ゼロからの『資本論』』がNHK出版より刊行されました。
パンデミックや戦争、インフレなど多難な現代を生きる読者に向け、思い切りポイントを絞って、身近な話題からていねいに解説する、“いちばん分かりやすいマルクス入門書”です。
斎藤幸平さん『人新世の「資本論」』以降の新書第一作! マルクスの人類史的名著『資本論』の“究極”の入門書『ゼロからの『資本論』』
佐藤優さん(作家・元外務省主任分析官)推薦!
「21世紀の日本の社会状況を踏まえて書かれたマルクス『資本論』の最良の入門書」「前提知識なしにマルクス『資本論』の中心的メッセージを理解することができる。ビジネスパーソンにとっても有益な書」
『資本論』は誰もがその存在を知っていながら、難解で長大なために、ほとんど誰もが読み通せていません。この状況を打破するのが斎藤幸平さん――新しい『資本論』解釈で世界を驚かせ、『人新世の「資本論」』で日本の読者を得た――、三十代半ばの東大准教授です。
マルクスの手稿研究で見出した「物質代謝」という観点から、世界史的な名著『資本論』のエッセンスを、その現代的な意義とともにていねいに解説します。
本書は、好評だった「NHK100分de名著」のテキスト『カール・マルクス『資本論』』に大量加筆し、豊富な事例を盛り込んで補強した完全版。著者が二十代にして世界的なプロジェクトである新・マルクス=エンゲルス全集(MEGA)の編集に参加した稀有な経験も生かされています。
いいかげん行き詰まりを見せ始めている資本主義の“次に来る社会”の大きなヒントを、マルクスとともに、『資本論』をその草稿と合わせて読みながら描き出す、最新の解説書にして究極の『資本論』入門書です。
「はじめに」より(一部抜粋)
給料は安いし、仕事もつまらない。家も車もローンを組まないと(あるいはローンを組んでも)買えない。定年まで必死に働いても年金はもらえないかもしれない。さらに、気候危機は悪化していく。そのうえ、インフレに悩まされる世界経済の先行きは不安で、日本には円安や人口減少という問題もある。実際には、これからも資本主義が続く、と言われて未来に希望を持てる人は、どんどん減っているのではないでしょうか。
(中略)
『資本論』を読むことで私たちはこの社会の不自由を的確に表現できるようになるからです。さらにそれは、失われた自由を回復するための第一歩になるでしょう。
ただし、出鼻をくじくようですが、『資本論』を読破するのは、かなりの難行です。分厚くて、叙述スタイルも独特。随所に出てくる哲学的表現につまずいてしまう人もいるでしょう。でも心配はご無用。本書を〝ゼロから〟の入門書として役立てていただきたいと思います。
その際に本書では、近年の研究成果も踏まえて『資本論』をまったく新しい視点で──〝ゼロから〟──読み直し、マルクスの思想を21世紀に活かす道を、一緒に考えていきます。そうすることで、資本主義ではない別の社会を想像する力を取り戻すことができるようになるはずです。
本書の構成
はじめに 『資本論』と赤いインク
第1章 「商品」に振り回される私たち
第2章 なぜ過労死はなくならないのか
第3章 イノベーションが「クソどうでもいい仕事」を生む
第4章 緑の資本主義というおとぎ話
第5章 グッバイ・レーニン!
第6章 コミュニズムが不可能だなんて誰が言った?
あとがき 革命の時代に
著者プロフィール
著者の斎藤幸平(さいとう・こうへい)さんは、1987年生まれ、東京都出身。ウェズリアン大学卒業、ベルリン自由大学哲学科修士課程・フンボルト大学哲学科博士課程修了。大阪市立大学准教授を経て現在、東京大学准教授。
著書に、45万部を超えるベストセラーとなった『人新世の「資本論」』(集英社新書)、『大洪水の前に―マルクスと惑星の物質代謝』(堀之内出版、角川ソフィア文庫)、『ぼくはウーバーで捻挫し、山でシカと闘い、水俣で泣いた』(KADOKAWA)など。NHKのBS1スペシャルシリーズにたびたび出演し、哲学界の新星と言われるマルクス・ガブリエルさんとは、通訳も務める信頼関係にある。
ゼロからの『資本論』 (NHK出版新書) 斎藤 幸平 (著) コミュニズムが不可能だなんて誰が言った? 『資本論』は誰もがその存在を知りながら、難解・長大なためにほとんど誰もが読み通せない。 |
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