千早茜さん〈死と背中合わせの「性」〉を描く初の歴史小説『しろがねの葉』が刊行
千早茜さんが、戦国末期のシルバーラッシュに沸く石見銀山で波乱の人生を送る女の生涯を描いた長編小説『しろがねの葉』を新潮社より刊行しました。なお、本作品は千早さん初の歴史小説でもあります。
島本理生さん絶賛!死と背中合わせの「性」を描く、気鋭作家・千早茜さんの新境地となる劇的長編刊行!
「銀山の女は三たび夫を持つ」――デビュー後、間もなく訪れた石見銀山で、千早さんはこの言葉に出会いました。銀を掘る男たちが過酷な労働環境から短命を宿命づけられていたこと。そんな男たちに寄り添い、看取り続けた女たちがいることを表すフレーズです。
これに大きな刺激を受けた千早さんは、以来10年以上にわたり「男女の寿命が極端に違う世界にしか生まれ得ないドラマ」の構想を大切に育んできました。
タイプの違う三人の男たちと交わる主人公のウメは、野性味と官能を兼ね備えた新しいタイプのヒロイン。愛する者を失い続ける過酷な運命に敢然と立ち向かう、彼女の人生をご一読ください。
【あらすじ】
戦国末期、シルバーラッシュに沸く石見銀山。天才山師・喜兵衛に拾われた少女ウメは、銀山の知識と秘められた鉱脈のありかを授けられ、女だてらに間歩(坑道)で働き出す。しかし徳川の支配強化により喜兵衛は意気を削がれて酒に溺れ、庇護者を失ったウメは、欲望と死の影渦巻く世界にひとり投げ出された。心身ともに傷ついたウメを癒したのは幼馴染の隼人。子にも恵まれ、穏やかな暮しを手に入れるが。隼人のもとに銀掘人特有の肺病が忍び寄り……繰り返し訪れる愛する者との別れ。それでも彼女は運命に抗い続ける。
<作家・島本理生さん 推薦コメント>
「生きることを選ぶ。それがどれほど強靭な選択か、この小説で知った」
<著者からのメッセージ>
50代になって筆に厚みが増したら書けるかもしれない――そう考えて温め続けていた題材に今回思い切って挑戦しました。確実に死ぬことを知りながら、人はなぜ生きるのか。私自身の中に渦巻く問いをぶつけた作品です。ぜひ読んで下さい。
新潮社公式YouTubeチャンネル「編集者の手土産」に著者が登場!
刊行を記念してYoutube「編集者の手土産」に千早茜さんが登場します。「手土産の達人」である千早さんに編集者が贈った銀座の逸品スイーツとは?
著者プロフィール
著者の千早茜(ちはや・あかね)さんは、1979年生まれ、北海道出身。2008年『魚神』で第21回小説すばる新人賞を受賞し、作家デビュー。同作は2009年に第37回泉鏡花文学賞も受賞した。
2013年『あとかた』で第20回島清恋愛文学賞、2021年『透明な夜の香り』で第6回渡辺淳一文学賞を受賞。
他の小説作品に『男ともだち』『西洋菓子店プティ・フール』『クローゼット』『神様の暇つぶし』『さんかく』『ひきなみ』やクリープハイプの尾崎世界観さんとの共著『犬も食わない』等。食にまつわるエッセイも好評で「わるい食べもの」シリーズ、新井見枝香さんとの共著『胃が合うふたり』がある。
しろがねの葉 千早 茜 (著) 男たちは命を賭して穴を穿つ。 戦国末期、シルバーラッシュに沸く石見銀山。 |
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