白井智之さん「多重解決×特殊条件」書き下ろし長編ミステリ『名探偵のいけにえ 人民教会殺人事件』が刊行
白井智之さんによる本格ミステリ『名探偵のいけにえ 人民教会殺人事件』が新潮社より刊行されました。
白井智之さんが直球ど真ん中の剛球で本格に挑んだ超絶作
【あらすじ】
奇蹟 vs 探偵!
病気や怪我もなく、失われた四肢さえ蘇る奇蹟の楽園・ジョーデンタウンで起きた連続殺人。
ロジックは、カルトの信仰を覆すことができるのか?
息つく間もなく繰り出される推理 畳みかけるドンデン返し
多重解決、特殊条件ミステリの最前線にして極限!
病気も怪我も存在せず、失われた四肢さえ蘇る、奇蹟の楽園ジョーデンタウン。
調査に赴いたまま戻らない助手・りり子を捜して教団の本拠地へ乗り込んだ探偵・大塒(おおとや)は、次々と不審な死に遭遇する。
事件はすべて不可解な状況で起きており、しかも犠牲者は全て教団の外部の人間。
だが、奇蹟を信じる人々には、「密室」も不思議ではなく、「毒」さえも効果がないという。
探偵は論理を武器に、カルトの妄信に立ち向かう。
「現実」を生きる探偵と、「奇蹟」を生きる信者。
真実の神は、どちらに微笑むか?
<本格ミステリの楽しさを、「これでもか!」と詰め込んだ驚異の書!>
本書の読みどころは、なんと言っても、「奇蹟」を信じ、それを存在すると認識している人々と、そんなものはないという現実を生きる我々との、認識の相違による、「世界の見え方」の違いでしょう。
同じできごとでも、信じる世界が違えば、その意味も変わる――。
探偵は、彼らを納得させるために、「奇蹟」を前提として推理を展開し、更に、「奇蹟のない」世界での推理を展開していきます。
複数の殺人事件を、更に複数の「前提」で推理、しかも、それらの論理のすべてに整合性と説得力があるという離れ業。
のみならず、「これで終わった」と思いきや、そこから最後の最後まで続く怒濤のドンデン返し!
大体、400ページちょいの本なのに、解決編が150ページで、全体の1/3以上もあるという、どう考えても「おかしいだろ!」という本なのです。
著者プロフィール
著者の白井智之(しらい・ともゆき)さんは、1990年生まれ、千葉県出身。東北大学法学部卒業。2014年、第34回横溝正史ミステリ大賞の最終候補作となった『人間の顔は食べづらい』で有栖川有栖さん、道尾秀介さんの推薦を受けデビュー。
グロい特殊設定ものを得意とするため、「鬼畜系特殊設定作家」などとも呼ばれる。しかし、設定内でのロジックは手堅く、本格ミステリの書き手として評価が高い。
2015年に刊行した『東京結合人間』が第69回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)候補、2016年に刊行した『おやすみ人面瘡』が第17回本格ミステリ大賞候補となる。
他の著作に『少女を殺す100の方法』『お前の彼女は二階で茹で死に』『そして誰も死ななかった』『名探偵のはらわた』『ミステリー・オーバードーズ』『死体の汁を啜れ』がある。
★公式サイト:http://shiraitomoyuki.com/
名探偵のいけにえ: 人民教会殺人事件 白井 智之 (著) 奇蹟VS探偵! 病気も怪我も存在しない楽園で起きた、四つの密室殺人。ロジックは、カルト宗教の信仰に勝つことができるのか? |
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