小野美由紀さん短編SF小説「ピュア」をNFTとして販売開始! 2人の異なる翻訳者による未公開英語翻訳版NFTもリリース
シロシ株式会社は、SF作家・小野美由紀さんと共同で、短編SF小説「ピュア」をNFTとして販売開始しました。また同時に2人の異なる翻訳者による未公開英語翻訳版NFTもリリースしました。
NFTとは
「NFT」とは、Non Fungible Token(ノンファンジブル・トークン)のことであり、代替が不可能なブロックチェーン上で発行されたトークンのことを指します。
古くは2018年頃から登場し、2021年3月にデジタルアーティストのBeepleによるアートNFTが、NFT史上最高額となる約6,900万ドル(約75億円)で落札され話題になりました(※2021年3月時点)。
小説NFTプロジェクトの概要
今回の小説NFTプロジェクトは、早川書房から出版されている小野美由紀さん著『ピュア』(2020.4.16)掲載の短編SF小説「ピュア」をNFTオリジナル版として創り直し、OpenSeaというNFTマーケットプレイスで販売するものとなります。
”もしも、女性がセックス後に男性を食べないと妊娠できない世界になったら?”を描いた「ピュア」は、早川書房のnoteに全文掲載されるや否やSNSで大きな話題を呼び、20万PV超を獲得していたほか、アップルBOOKが「2020年ベストSF」にも選出した作品です。
また、合わせて、短編SF小説「ピュア」の世界未公開の英訳版、それぞれ翻訳者の異なる1バージョンもOpenSeaにてNFTオリジナル版として販売されます。
プライマリーマーケットでの販売はもちろんのこと、セカンダリーマーケットでの販売時にも著作者である小野美由紀さんだけでなく、翻訳を手がけたプロの翻訳者である「カラウ・アルモニー」「ローレル・テイラー」の両名にも収益が入り続ける仕組みを導入しています。
「小説NFTプロジェクト」よりコメント
小説NFTプロジェクトは、新しい日本文芸・文学の翻訳のあり方を提示し、ひいては日本文芸・文学の翻訳文化の後押しとなることを目指しています。
日本文芸・文学は、現在世界的なブームにあると言っても良い状況です。柳美里氏の作品が全米図書賞を受賞するなど、そうしたブームが顕在化し始めています。
一方で、日本の文芸・文学が「日本語」という壁を超え、海外で翻訳されることは未だ十分とは言えません。日本の小説に限れば、毎年約13,000点出版されるのに際し、翻訳されるものは、例えばアメリカでの出版だけをとってみてもほんの僅かに留まる状況です。
このような状況になっているのは、日本文学・文芸の翻訳という仕事が、お金になりにくい構造があるからです。(詳しくは想いの部分をご覧ください)
こういった構造的に日本の文芸・文学が海外に出ていきづらい状況を変えるために、今回の小説NFTプロジェクトでは、最初の販売時はもちろんのこと、その後本作品が転売されるたびに翻訳者にも収益が入る仕組みを導入しました。
今回の出品にとどまらず、今後も、NFTを通じて文芸翻訳の可能性を広げてゆくようなプロジェクトを続けてゆく予定です。
この仕組みによって、優れた翻訳者が、出版社からの収入だけに依存する事なく活動を続けられ、積極的に日本の文芸・文学を翻訳していく世界にしていけたらと思っています。
<プロジェクトへの想い>
◆小野 美由紀さん
本作品と、2つの異なるプロの翻訳家による英訳版を同時発売する本プロジェクトの目的は、文芸翻訳の新たな形態の可能性を広げ、日本文芸の翻訳家が出版社からの収益だけに依存せず、活躍の機会を広げ、ひいては日本文芸の翻訳文化の発展に寄与する流れを作ることです。
★日本語版ステートメント全文はこちらをご覧ください。
https://note.com/onomiyuki/n/ncab648dc0f6e
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I have decided to release Pure and its English translations as NFTs for the following reason. By releasing this story and its translations as NFTs, I hope to suggest a new possibility for literary translation and encourage more translations from Japanese.
※Here is the full text of statement in English.
https://note.com/onomiyuki/n/n09a132df0eb6
◆しろしinc.CEO 山田邦明さん
小説は特定の言語で書かれています。 それ故に生まれる文化的な背景を前提とした味わい深さ。そういうモノを味わえるのが小説のいいところの1つだと思っています。 ただ、そんな小説だからこそ、もっと言語から解放されてもいい。1つの言語で描かれた小説を、いろんな言語で読むことができる世界。そんな世界を私たちは創っていきたいと思っています。
また、これらの仕組みを私たちだけで独占するつもりはありません。
優れた日本の文芸・文学を、「翻訳したい!」という人がもっともっと現れて来るように、小説家さん、出版社さんはお気軽にお声がけください。一緒にやりましょう!
問い合わせ先:info@ciroci.com
小野美由紀さん プロフィール
著者の小野美由紀(おの・みゆき)さんは、1985年生まれ。東京都出身。慶応義塾大学フランス文学専攻卒業。文筆家。
2015年2月、デビュー作エッセイ集『傷口から人生。メンヘラが就活して失敗したら生きるのが面白くなった』(幻冬舎)を刊行。他に、絵本『ひかりのりゅう』(絵本塾出版)、旅行エッセイ『人生に疲れたらスペイン巡礼~飲み、食べ、歩く800キロの旅~』(光文社新書)、銭湯を舞台にした青春小説『メゾン刻の湯』(ポプラ社)などがある。
2020年4月に刊行された”女性がセックス後に男性を食べないと妊娠できない世界になったら?”を描いた恋愛SF小説『ピュア』は、早川書房のnoteに全文掲載されるや否やSNSで話題を呼び20万PV超を獲得した。最新作は架空のアジアの都市を舞台にした孤児2人の愛と絆を描いた物語『路地裏のウォンビン』(U-NEXT)。
ウェブメディア・紙媒体の両方で精力的に執筆を続けながら、SFプロトタイパーとしてWIREDの主催する「Sci-Fiプロトタイピング研究所」の事業にも参加している。オンラインサロン「書く私を育てるクリエイティブ・ライティングスクール」を主催。
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しろしinc.は、クリエイターのパートナー企業です。”生まれるはずの「もう1作品」を創る。”をミッションに、情報で、体制で、企画でクリエイターさんと一緒に作品を創っています。
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ピュア 小野 美由紀 (著) もしも、女性が男性を食べないと妊娠できない世の中になったら? 遠い未来、地球軌道上の人工衛星で暮らす女性たちは、国を守るために子供を産むこと、そのための妊娠を義務付けられていた。ただしそれには、地上に棲む男たちを文字通り「食べる」ことが必要とされる――そんな変わり果てた世界で「普通の」女の子として生きるユミの葛藤を描き、ネット上で旋風を巻き起こした衝撃作のほか、幼馴染みの性的な変身をめぐって揺れ動く青春小説「バースデー」、未曾有の実験により12人の胎児の母となった研究者のドラマ「幻胎」など、性とともに生きる人々の姿を活写する5つの物語。 |
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