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【訃報】記録作家の林えいだいさんが死去 大戦中の強制連行や筑豊公害問題など

記録作家の林えいだい(本名:林栄代=はやし・しげのり)さんが9月1日、肺がんのため福岡県内の病院で死去しました。83歳。福岡県出身。葬儀は近親者のみで執り行い、後日「お別れの会」を開く予定。

 
林えいだいさんは、1933年生まれ。早稲田大文学部を中退。筑豊地方の炭鉱の公害問題や、戦争中に朝鮮半島から連行された人々などに対する強制労働、長崎県・五島列島のカネミ油症被害などをテーマに、多くのノンフィクション作を著述。国内外の関係者へ丹念に取材を繰り返し、証言や資料を発掘する手法で知られました。読売教育賞、「平和・協同ジャーナリスト基金」奨励賞などを受賞。1995年に、私設資料館「ありらん文庫」を福岡県田川市に開設。

『清算されない昭和-朝鮮人強制連行の記録』『筑豊・軍艦島―朝鮮人強制連行、その後』『《写真記録》これが公害だ: 北九州市「青空がほしい」運動の軌跡』、自伝『筑豊はわが原点』などの著作があります。

 

清算されない昭和―朝鮮人強制連行の記録 (グラフィック・レポート)
聖戦協力の名のもとに厖大な数の朝鮮人を国として強制連行し、敗戦に及んでは無責任に投げ出した。その傷痕は、日本各地や韓国・朝鮮・サハリンに、半世紀を経た今も癒されぬまま現存している。当事者やその家族、連行した側等のナマの証言と併せて、当時の情景や痕跡を示す六百余枚の写真が告発する、清算していない昭和の戦争責任。

 
《写真記録》これが公害だ: 北九州市「青空がほしい」運動の軌跡
反骨の記録作家の原点となった写真集(1968年刊)を完全復刻。戦後史アルバムともいえる貴重な写真約140点収録。当時全国的に注目を集めた「青空がほしい」運動の軌跡をたどり、その今日的意義を論じた詳細な解説を付加。初版に収めきれなかった写真など充実の補足資料付。

 


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